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こうして私は無双する・リダVer  作者: まるたん
第七編・おまけ短編
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打倒! リダ・ドーンテン!【14】

「えっ⁉︎ そんなトレーニングがあるんですかっ⁉︎」


 ……オイオイ。


 アシュアの言葉に、素早く食い付くチャンピオン。

 その前にわざとらしく咳を出してお茶を濁した、危険な単語の部分を聞き逃してないか?


「もちろんある! 願わくば、私としてもにっくき魔王リダを打ち滅ぼし、這いつくばったその前で『フハハハ! ざまーみろ!』と、高笑いをし……更には、フェル君……あなたが魔王リダの彼氏として君臨すれば、二度と我が愛するバアル様に意味不明なちょっかいを掛けて来る事も絶無となる! これは、私にとってウインウインなのだよ? フェル君!」


 ほうほう、そうか。

 それで? また私に爆破されたいのかな? お前は?


 正直……何度右手を向けてやろうかで悩んだ。


 しかし、


「そうですか! 僕としてもリダさんは目指すべき目標です! 多少荒っぽくはあるかも知れませんが、人としての優しさを持ち……されど、おごたかぶる事なく、一切の傲慢ごうまんさを見せず……まぁ、多少の私憤しふんを見せる部分もありますが、それだって人間らしさであり、僕にとっては魅力の対象でもあります! そんなリダさんに勝てるだけのトレーニングを受ける事が出来るのなら、僕はどんな努力をもいとわない……粉骨砕身の想いで精進して行きたいです!」


 強い意志を持って叫んで来たチャンピオンの言葉を耳にし……その怒りも大きく抑えられてしまった。

 中々に正直と言うか……真っ直ぐな意志を見せる子だな。

 

 ……ふ。


 惚れてしまうじゃないか!


 もちろん、異性として……と言う意味ではないぞ?

 人間として、チャンピオンの持つ性格が気に入った。


 それだけに、ついつい思ってしまったのだ。


「なぁ、アシュア? 本当にチャンピオンを強くさせるトレーニング方法があるのか?」


 私は真剣な顔になってアシュアへと尋ねた。

 もし、それが事実であるのならば……純朴な気持ちを持つ、チャンピオンの願いを叶えてあげたい……そう思えたからだ。


「もちろんですよ、リダ様? 株式会社・ベルゼブブに不可能はありません。あらゆる不可能を可能にする……それこそが、我が社のコンセプトであり、モットーなのですから!」


 アシュアは、これでもかと言わんばかりに胸を張り、おこがましいレベルの威張り方を私に見せて来た。


 ……まぁ、大仰な上に腹立たしい威張り方をしているのは、こいつが悪魔王だと言う所を加味するのであれば、妥当な態度なのだろう。

 そう考える事にしよう。


 そうじゃないのなら、爆破したくなるからな!


「じゃあ、私の方からも頼むよ……チャンピオンは純粋に単純に強くなりたいだけの様だし……それに、行く行くは冒険者としてみんなを守る存在になりたいみたいだしさ?」


「フハハハッ! 言われずともそうしますとも、リダ様! 我がベルゼブブが総力を結集させた新技術と、そのトレーニング方法に度肝を抜いて頂こうか!」


 そう答えると、大仰に右手を振りかざし、


「……へ?」


 右手を向けられた事でポカンとなったチャンピオンがいた……数秒後、


「……何が起きた?」


 私がポカンとなった。


 時間にして数秒。

 下手をすれば、それよりも短期間と言えるだろう時間で、チャンピオンの姿が激変していた。


 まず、格好は同じ制服だったのだが……あちこちがボロボロになっていた。

 そのボロボロさ加減からして、かなりの激闘を展開していた事が予測出来る。


 次に、無精髭ぶしょうひげが、とんでもない事になっていた。

 さっきまでの美少年の面影は、全くない。

 くそ……あんなに格好良かったチャンピオンは何処に⁉︎


 身体付きも結構変わっていた。

 極端に変わったかと言うのなら、そう言う訳でもないのだが……背丈は五センチ程度、筋肉も一回り大きくなっていた……そんな感じだった。


 その関係か? 上着はかなりキツキツと言った形になっているし、スラックスの方も寸足らずな上に、ウエストもベルトを必要とはしない程度にパツパツの状態になっていた。


 ……これはどう言う事だろう?


 あの数秒間の内に、どんな変革が起こったと言うのか?


 唖然となってしまう私がいる中、


「……遂に戻って来たんだな」


 チャンピオンは口を動かす。


 まるで、長い修行を経た人間が、その集大成を見せる時が来た! と顔が語っているかの様だ。


 ……数秒しか経ってないけどなっっ!


「ふふ……どうですか、リダ様? これが株式会社・ベルゼブブの新技術! まさに不可能を可能にした脅威の魔導テクノロジー!」


 程なくして、アシュアが声高に叫んでいた。


 ……なんか、天下でも取ったかの様な勢いで叫んでいるけど、私にはサッパリ分からなかった。 

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