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そもそも名前などあろう筈もない新世界【14】

 その時、私の中に居るのだろう、何処いずこから……


『よし、やってやろうじゃねーか!』


 ……と、気迫溢れるリガーの言葉が、私の精神に転がって来た。


 感覚的に言うと、耳から転がって来た物と同じ様な形ではあったのだが……恐らく、この声は私にしか聞こえて居ない。


 同時に気付いた。

 肉体が半融合されると、精神もしっかりと融合されるのか……と!


 そして、この身体を動かす主導権を持っているのは、私らしい。

 まぁ、外見は私だしな?

 今の豊満な胸も含めて私だしな!

 普段の私より、ちょっとだけ大きくなっているだけではあるんだけど……ここも私なんだよな!


 つか、融合が解けてからも、ここだけは戻らないで居てくれると助かるんだが……?


 ………。


 よし、後でパラレルと相談してみようか?


『今はそんな事を考えている場合か? お前が貧乳でも爆乳でも、誰も困らないし、そこまで気にならない事だと思うぞ?』


 黙れ粗◯ン!

 貴様は、股間だから分からないのだ!

 この……業の深さをっっ!


 その後、私の精神にリガーの喚き声が物凄い勢いでやって来ていたのだが……無視した。

 所詮は些末な事だったからだ!


 フンッ!

 そんな事……私の悩みから比較すれば、些細過ぎて笑えてしまうわっ!


「……さて? N65パラレルさんよ? 覚悟は良いか?」


 私は毅然とした態度でユニクスの姿をしている女……N65へと口を開いた。


 すると、N65は悠然と笑みを作りながらも声を返して来る。


「それはこっちのセリフだ。わざわざ『半融合するのを待って』やったのだからな?……精々、足掻いてみろよ? 元・貧乳さん?」


 むっかぁぁぁぁぁっっ!

 私は今も昔もバインバインだっ!

 そう言うふざけた事を言う奴は絶対に泣かさないと気が済まないっ!


「どうやら、お前は……マジで泣かさないと分からない奴の様だな? 良く分かったよ……」


 答え、私は構えを取る。

 身体に、物凄いエナジーが存在しているのが分かった。


 何と言うか……半融合とか言うのは、ハチャメチャに能力を上昇させる模様だ。


 普通に考えたら、足し算になる。

 つまり、1足す1だ。

 答えは2だな?


 しかし、リガーと半融合して分かった。


 これは単なる足し算の様な増え方ではない!

 恐らく、能力的に倍どころか……数倍以上になっているのではないだろうか?


 ある意味……ここが、真っ白い世界で良かった。

 今の身体で本気なんぞ出した日には……きっと、私の世界を完全に崩壊させてしまう!


「行くぞ! N65! これで終わらせてやる!」


 スーパー龍の呼吸法ブレイズレベル7!


 ドドンッッッ! っと、私の能力が上昇する。

 そして、本来であれば私のエナジーが数分で枯渇してしまうだろう勢いでエナジーが吸われる筈なのだが……全く吸われている感じがない。


 レベル7であってもだ!


 しかも、この補助スキルは基礎値を上昇させる補助スキルでもある。

 つまり、リガーと半融合した事で基礎値が圧倒的に上がっている。

 この状態で補助スキルを発動させれば……上昇する能力値は、まさに爆発的だ!


 補助魔法は既に発動している為、まさに準備万端と言える。


 よぉぉぉぉぉし! やってやろうじゃないかっ!


 こうして私は、N65パラレルとの最終決戦を初めて行くのだった。

 


 

           ◯◯●●●




 ドドンッッッッッッ!


 拳を振るう一発一発に、超絶級の衝撃波が巻き起こる!

 もはや、人間同士の戦いとは思えないレベルだった。


 瞬時に突進し、鉄拳を振るった私の一撃を、N65はアッサリと凌ぐ。


 ドンッッッッ!


 同時に衝撃波が周囲に舞い上がった。 


 いや、これ……いちいち衝撃波の音を出していたら……『ドンッ!』って音だけで、文字が埋まってしまうレベルだぞ……。


 ……うむ。


 それじゃ、ここから少しサイレントで。

 取り敢えず、現実的には『ドン!』とか『ドドンッ!』って感じの衝撃波がアチコチで巻き上がっている物だと思ってくれたら幸いだ!


 ともかく、一発殴ると言うアクションを起こす……これだけで衝撃波が巻き起こってるんだよ!

 良く、近くに居るだけの変態パラレルは、涼しい顔して立って居られる物だと思うよ!

 つか、もしかして……この戦いって、実はあの変態パラレルが戦えば、スグに終わるんじゃないのかっ⁉︎


 ふと、こんな事を考える私が居たのだが……その考えは即座に打ち消された。


 何でか?……って?


 そりゃ、もちろん。

 この戦いは……私もワクワクして仕方ないからだっ!


 正直、こんな事を言えば戦闘狂と失笑を買うかも知れないけれど……でも、思う。

 この戦いは……私が……否、違うな『私達が』戦って、勝利しなければならない!……と!

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