カリンと言う、地味に憎たらしい特殊な巨乳予備軍がいる世界【19】
……ほう?
「……オイ、変態。お前は人の寝室で何をしているんだ?」
私は額にでっかい怒りマークを作り……右手コブシをギュゥゥゥゥゥッッ! っと握りしめ、怒りの感情が溢れ過ぎて、ワナワナと震わせていた頃、
「何……って? 見て分かりませんか? 添い寝ですよ、添い寝! いやぁ……やはり、これが最終決戦になる訳ですよ? なんと言うか、最後の一夜と言えば、猛烈な恋の予感! 互いに感情を燃やした二人が、一夜限りの過ちを犯してしまう! ああ! なんてロマンスッッ!」
「一人で燃えてろ!」
ドォォォォォォォォンッッッ!
一人、私のベットへと勝手に侵入していた変態は、上半身だけ起き上がらせた状態で、見苦しく悶える形で身体をクネクネさせながら、意味不明な事をほざいてくれた所で、豪快に爆発させていた。
せっかく、人が気分良く寝ようとしていたと言うのに!
本当に全く、コイツわぁぁぁっっ⁉︎
「ど、どうしたの、おねーちゃん? いきなり自分のベットを爆発なんかして……?」
直後、驚いたアリンが、パジャマ姿の状態で私の部屋へと駆け付けて来た。
そこから、ワンテンポ置いてからカリンもやって来る。
「リダ姉……いい加減、その爆破癖はなくした方が良いよ? そんな事ばっかりやってたら、自分の部屋だって焼け野原になっちゃうし……」
眠気眼を右手で擦りながらも生あくび状態で答えたカリンは、少しだけ迷惑そうな顔になって言う。
実際にカリンからすれば、いきなり自宅の一室が爆発してたのだから、迷惑以外の何物でもなかったであろう。
しかしながら、私としても言い分がある!
あり過ぎて、草しか生えないレベルだっ!
「この変態が、私のベットに入り込んで来なかったのなら、私だってそこまでポンポン爆破しないわっ! つか、私だって自分のベットを爆破するつもりはないぞ! ちゃんと見ろ! 爆破されているのは変態だけだ! 他には被害はない!」
「え?……あ、本当だ。どうなってるの? あれだけ派手に爆発してたのに、ベットには焦げ目一つないなんて……相変わらずリダ姉は、変な所器用だね……」
カリンは地味に呆れた顔になって言う。
……どうして、そこで呆れられるのだろう?
うぅむ……なんとなくではあるが、何処でも爆発しまくっている自分だけに、そんな条件であっても爆発させる事が出来る様に、わざわざカスタマイズしている私がいて、ちょっと呆れていたのかも知れない。
普通の人間は、カスタマイズしようと考える前に、爆破をやめると思うからな!
……って、そうだけど、そうじゃないっっっ⁉︎
と、ともかく、だ!
「この部屋は、ちょっと変態の匂いが身体にこびり付きそうで不快だ……アリン。今日はお前の部屋に寝かせろ」
「……へ? う、うん。別に構わないけど……その、良いの? あの変態さん、おねーちゃんがこの部屋に来ないと分かったら、おねーちゃんの部屋を漁るんじゃない? 下着が大好物って感じの事を言ってたし?」
うぉうっ⁉︎
それは由々しき問題だ!
「確かにその通りだアリン! よし、コイツを簀巻にしてベランダに吊るそう!」
「……へ? いや、ちょっ……嘘ですよね? 冗談ですよね? いや、そんな……非人道的な事をするなんて……って、ロープ? なんでロープが? 布団は分かるけど、何処からそんな頑丈そうなロープを持って来たと言うのですかっ⁉︎……あ、ちょっと? 普通に布団を巻かないでくれません? ロープでグルグル巻きにしないでくれません? そしてベランダに出すとか……いやぁぁぁっっ!」
その後、三人掛かりでパラレルを簀巻にし、ベランダに吊るした。
最初からこうして置けば良かった。
……よし、では寝るか!
アリンの部屋で!
「リダ姉がアリンの部屋で寝るのなら、私もそっちに行くよ! たまには、三人で寝るのも良いんじゃない?」
ベランダにパラレルを吊るしたのを見て、満足そうになっていた私がアリンの部屋へと向かおうとしていた頃、カリンは笑みのまま言う。
別に、カリンまで一緒に寝る必要はないとは思うが……まぁ、なんて言うか、それも悪くはない。
こんな事が出来るのは、今日だけだろうからな!
「ふむ、面白い! じゃあ、今日は三人で寝ようか!」
「賛成! あはは! なんかパジャマ・パーティ見たいで楽しいねっ!」
私の言葉に、アリンは即座に頷くと、来客用の布団をリビングに持って来ては、素早く敷いてみせた。
……うむ。
なんと言うか、アリンは行動がメチャクチャ早いな!
きっと、良いお嫁さんになると思うぞ!
昨今は、男女平等で、男も家事をするのが普通かも知れないけどなっ!




