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カリンと言う、地味に憎たらしい特殊な巨乳予備軍がいる世界【17】

 その後、私はアリンの夕食を取りつつ、カリンの数学を見てやり……二人の姉妹との時間を楽しんだ。


 私的に言うのなら、こう言うのも良いなぁ……と、素直に思えてしまう。

 結局の所、この世界は私の世界ではないし、明朝に出立した後は、もう二度と足を踏み入れる事はない場所であると認識している。


 ……まぁ、もしかしたら……今の身体を返す関係から、もう一度ばかりこの世界へとお邪魔する機会があるかも知れないが……それも、可能性としてあるだけの話しで、実際にはどうなるか分からない。


 だから、これが永遠とわの別れなんじゃないのかなぁ……と、曖昧ながら考えてた。


 だからなのかなぁ……?


 妹をしているアリンは、とっても姉想いの良い妹で。

 この世界に居るカリンも、私の事を茶化す悪いクセがあるけれど、基本的には可愛い妹で……。


 本当……私の中に居るのだろう、この世界のリダが羨ましくて仕方ない。


 けれど、さ?


 それでも、私には私の世界があって。

 その世界に居るアリンは私にとって掛け替えのない大切な愛娘で。


 ……そして、他の皆も。


 フラウやルミは、私の世界でも同級生だ。

 この世界の二人みたいな、独創的な趣味を持っては居ないけど、やっぱり色々と個性的な友人であり、大切な親友だ。


 この二人を、無事に自分達の世界へと返さなければならない。


 一応、パラレルから話しを聞いたのだが……やはり、フラウやルミの中には、私の世界のフラウやルミの二人が眠っているらしい。

 厳密に言うと、眠っていると言うよりも、単純に精神が半融合しているらしいのだが……しかし、このままで良いと言う訳はなく、しっかりと単独の人間に戻す責務がある。


 ……そう。


 私には、フラウやルミをしっかり元の肉体へと戻し、そして私と一緒に元の世界へと戻る様に、私が頑張らなければならないのだ。


 これは、巻き込んでしまった、私なりの責務であり急務だ。

 この世界は並行世界だからな?

 一日が経過すれば、私達の世界もまた一日が経過してしまう。


 うかうかしていたら……私達は無意味に学校を休んでしまう事になる。

 まぁ、一番危険なのは私なんだけどな!


 そこは置いて置こう。


 ともかく、これは自分自身のみならず、私の周囲にいるみんなの為にやらねばならない事でもあるのだ。


 ……よし、頑張ろう!


 私は自分を強く盛り立てるかの様な気持ちで叫び……そして、気持ちを新たにして行くのだった。


 ……こうして、夜は更けて行く。

 最終的にカリンの数学を教えるのに夢中になり過ぎて、気付けば午後十時を回っていた。

 もう、こんな時間か。


「あ、もう十時か……うん、ありがとうリダ姉。異世界のリダ姉もやっぱり頭が良いし、教えるの上手いね? あっちの世界に行ったら、先生を目指しても良いんじゃないのかな?」


「はは、それはどうだろうな?」


 ニコニコ笑顔のまま、手放しで私を褒めて来るカリンに、少しだけ照れてしまった。

 自慢にもならないのだが、決して私は教え方が上手と言う訳ではない。


 そして、カリンもカリンで勉強が出来ないダメな子と言う訳でもない。

 むしろ、かなり頭が良い部類だな?

 流石は進学校に通っているだけはあるのか?

 私が教えた部分も、式を解く方法を軽く教えただけに過ぎない。

 簡素に言うのなら、最初の部分を軽く述べている程度のレベルなのだ。

 しかし、その程度であっても、カリンは全てを理解し……そして普通に解いてしまう。

 つまる所、カリンその物が優秀であるからに他ならない。

 きっと、成績も優秀なのだろう。

 これで陸上部と兼任していると言うのだから、中々の才女であり、文武両道の優等生なのではなかろうか?


 うむっ!

 やっぱり、私の妹だけはあるなっ!


「……あ、やっぱりこっちのリダおねーちゃんも頭良いのか〜。それじゃ、期末とかも常に首位とかだったりするのかな? 凄いね〜!」


 こっちの私はそうなんだな。

 変な趣味を無駄に持っていても首位になれるんだな。


 ……そう考えると、やっぱり私は天才なのかも知れないなっ!


 ……と、クソ甘い自己評価をするのはともかく。

 

「アリンの勉強も見てやろうか?」


 私は笑みのまま、ちょっとだけ得意気になって言うと、


「アリンはやらなくて良いよ!……だって、この子……こないだの全国模試でトウキ一位だった物。こんなのに勉強を教えるとか、リダ姉だって馬鹿らしいでしょ?」


 カリンが苦い顔になって言う。

 ……まさかのトウキ一位!

 

「アリンって、こっちの世界でも天才なんだな……」


 私は苦笑いのまま肩をすくめた。


 こっちの世界のアリンは、まだ三歳ではあったが……三歳にして高等学校の授業に余裕でついて行けている。


 そこらを加味するのであれば、こっちのアリンも類稀なき天才であっても、なんらおかしくはなかったのだ。


 でも、トウキ帝国内で一位とか……メチャクチャだな。

 現役時代の私だって無理だぞ、そんなの。

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