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カリンと言う、地味に憎たらしい特殊な巨乳予備軍がいる世界【2】

 ……うむ。


 エナジーの位置から考慮すると、四人は近所にある森林公園に集まっている感じだな?


 そして、お互いに攻撃段階にはまだなって居ない……と、予測する事が出来る。

 攻防をしているのであれば、激しい動きをする筈だからな?

 エナジーを辿って行くと、四人の動きは落ち着いている事が分かる。


 ここから加味すると、まだ戦闘には至らないと言う答えが、私の中に出来上がる……ん?


 そこまで考えた所で、四人が居るだろう森林公園に到着する。

 同時に、四人の姿を肉眼で捉える事が出来た。


 ……そして、私は眉をひそめた。


 どうもおかしい。


 何がおかしいか?

 まず、立ち位置がおかしい。


 カリンを前に、リガーとアリンの二人が立ち塞がる形で変態の前に立っている。


 簡素に言うのなら、敵は変態一人であり……それを『三人掛かりで倒す』と言う構図が出来上がっていた。


 ………。


 確かに、ヤツは全ての女性を敵に回すだけの変態ではある。

 だが、今は変態である事に目を瞑り……お互いに共闘して行くべき状況だ。

 ヤツを仕留めるのは、それからでも遅くはない。


 しかし……だ!


 上空から見る限りだと、アリンは元よりリガーまでパラレルに対抗しようとしているではないか!


「……どうなってるんだ?」


 眉をよじりながら、私は地上の様子を見据えた。


 ……うむぅ。

 もしかすると……私の仮説は、外れているのか?


 ……まぁ、私の考えている事は仮説に過ぎない。

 必ずしも、全てが大当たりであるとは限らないのだ。


 ……ぐぅむ。


 すると……もしかして……これは、リガーも『操られている』と言うのか?


「なんでそうなるんだよ……?」


 苦い顔になる。

  

 こうなると、訳が分からない。


 つまり、私は大丈夫だけどリガーはちゃんと操られてしまう……と言う事になってしまうからだ。


 そうなれば、実力に関係なく、無条件で管理下の人間を操る事が可能となる。


 ……ぐむ。

 

変態パラレルの言う事は、嘘じゃなかったのか……」


 私は誰に言う訳でもなく独りごちた。

 

 正直……私は、今の今までパラレルの言う事を疑っていた。

 

 理由は簡素な物だ。

 私はN65……つまり、カリンによって操られる事がなかったからだ。


 そこから導き出した仮説が『カリンの能力を上回れば、N65に操られない』だった。

 そして、この部分を敢えてパラレルは隠して居たのではないか?……と考えた。

 そう考えなければ、そこに大きな矛盾が発生してしまうからだ。

 しかし、どうやら……私の仮説の方が、間違っていたらしい。


 その答えは、間もなく現実としてやって来る。


 ドンッッッッ!


 次の瞬間、リガーが私の眼前まで飛んで来たからだ。


 そして、おもむろに攻撃を仕掛けて来る……クッ!


 スーパー攻撃力上昇魔法オフェンス・アップレベル99!


 スーパー防御力上昇魔法ディフェンス・アップレベル99!


 スーパー身体能力上昇魔法スピード・アップレベル99!


 スーパードラゴン呼吸法ブレイズレベル5!


 リガーの攻撃を避けた瞬間、私は補助スキルと補助魔法を同時に発動させ、一気に戦闘モードになって行く。


 相手はリガーだ。

 生半可な気持ちで挑めば、こっちが瞬殺されてしまう!


 ……と、言うか、だ?


「オイ、リガー! お前! どうしたって言うんだよっ⁉︎」


 私の眼前までやって来たリガーに向かって叫んでみせる。


 ……だが、


 ドンッッッッ!


「……くぅっ!」


 返って来た返事は言葉なんかじゃなく……鉄拳だった。


 クソッ!

 

 これは間違いない!

 コイツも操られている!

 

 寝室で寝ていた私がコイツらに殺されなかったのは……どうやら、色々な奇跡が起こっていた模様だ。

 どんな奇跡が起こっていたのかは、寝ていたから分からないけどなっっ!


 ……そうなると、あの時パラレルが咄嗟に私を抱きかかえて外へと飛んで行った行為は、まさに間一髪の救出劇……と言った所だったのだろう。


 ここも、やっぱり実感が湧かないけど、現況を加味すれば……それ以外しか考えらないレベルだ!


 ともかく、色々と考えたい所ではあるが……今はリガーとの戦いに集中しよう。


 鉄拳を受けた私は、両手でどうにかガードをして見せる。


 ……否、そうじゃない。


 しっかりとガードが出来た。


 ……?


 違和感がある。


 この拳は……リガーの一撃は、なんと言うか……軽い!


 威力がないと言えば嘘になる。


 なるんだけど……なんと言うか、


「リガー……お前、手加減しているのか……?」


 私は大きく眉を捩った。


 すると、


「……ぐ、ぐぅ……っっ」


 リガーは突然苦しみ出し、自分の頭を押さえて来た。


「オ、オイッ! しっかりしろ!」


 明らかに様子のおかしいリガーを見て、私は声高に叫びながらもリガーへと近寄ろうとすると、


「来るんじゃないっ!」


 怒号にも近い叫び声を上げて、私を遠ざけようとして来た。

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