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ドーンテン一族なのに、何故か胸元が大きい女性がいる世界【7】

 ヒュゥゥゥゥゥゥンッッッ………ッ!


 再び自由落下を始めた混沌龍は、物凄い勢いで地上へと落下して行く!


 はぅわっ!

 これは、ちょっと止められそうにない!


 ヤバイぞ、私!

 これ……事故原因を聴取とかされたら、なんて言おうっ⁉︎

 スマホを取り出して、妹に電話を掛けようとしたけど、左手だと使いにくいから右手に変えようとしたら、うっかり手を滑らせて地上に混沌龍を落としてしまいました!


 テヘペロ☆


 ……で、許してくれるかな?


 ………。


 む、無理だろうなぁ……。


 せめて、ポリスメンからの聴取を受ける時は、精一杯可愛いくウインクしようと心に決めていた……その時だった。


 返還魔法ハンドオーバー


 地上の方から魔法が発動された。


 きっと、変態パラレルからの魔法だ!


 そうか! そろそろ十分が経過しようとしていたな!


 次の瞬間、混沌龍カオス・ドラゴンの姿が真っ白い光の様な物に包まれ、一瞬でその場から姿を消した。


 マジか!

 こんな魔法……初めて見たぞ!


 流石は、並行世界を管理する、特殊な存在だけある!

 これで変態じゃなかったのなら、ちょっと尊敬したぞ!

 変態と言う部分がマイナス過ぎるから、やっぱり尊敬の念なんて欠片も生まれて来なかったけど!


 ともかく、自由落下そのままに地上へと落ちていたのなら……落ちて来た混沌龍の下敷きになったビルが、とんでもない事になっていたに違いない。

 危うく大惨事になってしまう直前の所で、パラレルの魔法が間に合って……本当に良かった。


 ホッと安堵の息を漏らす私が居る中、


『き、君は何者だね! 正体をあらわせっ!』


 みたいな事を、拡声器の機能を使って叫んでいる戦闘機の人が居たけど、聞かなかった事にして置いた。

 

 取り敢えず、さっきのドラゴン・ブレスによって、何機か撃墜と言うか……消滅したっぽいのだが、そこも見なかった事にして置く。

 だって、私がやった事じゃないもの。


 戦闘機の方から聞こえて来た言葉は無視しつつ、私は地上にいるだろう三人の元へと降りて行った。


「凄いな、変態パラレル! お前、やれば出来るヤツだったんだな!」


 地上に降りて間もなく、私は開口一番に変態パラレルを褒めてやった。


「そうでしょう、そうでしょう! 私はこれでも、並行世界を管理する特務を持つ者ですからね!……でも、リダさん? 私の名前を呼ぶ時、妙な言葉の悪意を感じる様な気がするのですが、気のせいですか?……なんと言うか、こうぅ……アニメとかだと表現する事が難しいんじゃないのか? と言いたくなる様な? 小説だからこそ出来る悪意的な表現が、私の名前を呼ぶ時に含まれている様な気がして、仕方がないのですが?」


「気のせいだ!」


「いや! 私は騙されない! リダさんは、こう言っている! 変態と書いてパラレルと呼んでいる! こんな、ルビ機能を使ったおふざけめいた悪態を吐くのはやめて貰っても良いですかっ⁉︎ 私だって感情があるのですよ! 悲しいと言う気持ちはあるのですよ? せっかくクッソ真面目に仕事して、かなり疲れる魔法まで発動してたのに、それでも変態呼ばわりされたら、やってられないではありませんかっ⁉︎」


 パラレルはこれでもかと言うばかりに、己のフラストレーションを言霊に込めて叫んで来た。


 そう思うのであれば、私達に見せるセクハラ紛いな言葉や態度をつつしめと言いたい。


 ……まぁ、変態パラレル戯言たわごとはよしとして。

 まずは、無事に混沌龍を元の世界へと戻す事に成功したな。


 私的に言うのなら、大きな妨害がやって来るとばかり思っていたのだが……混沌龍を戻そうとしていた変態パラレルへと妨害をして来る事は無かった。


 正直……ちょっと嫌な予感がする。


 思うに、混沌龍を出した者は、これを奥の手とは『考えていない』んじゃないのか?……と、予測する事が出来たからだ。


 混沌龍なんて物騒な代物を召喚している訳だから、相応の実力がある事だけは確かだし、私も一筋縄で行くとは最初から思っていない。


 だけど……もし、混沌龍のレベルが単なるデモンストレーション的な感覚で、気軽に召喚していた程度の代物であったのなら……どうなるだろう?


 相手の実力は、私の予想を遥かに上回る、とてつもないモンスターである可能性だって否めない。


 そして、その可能性を示唆するかの様に、混沌龍を返還する魔法を一切邪魔して来なかった。


 ……ぐ、ぐむぅ。


 考え過ぎだろうか?

 だけど、予測と言うのは、常に最悪の事態を想定した上で考えなければならない。

 その可能性だってある事を、肝に命じて置く必要だけはありそうだ。

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