表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1051/1397

ドーンテン一族なのに、何故か胸元が大きい女性がいる世界【5】

 戦闘開始から五分が経過。


 厳密に言うと、私の方は完全なる防戦一方だったりもするんだけどな?


 因みに、攻撃が出来ないと言う訳ではない。

 混沌龍の攻撃は余り燃費の良い代物では無かったが故に、攻撃を受け止めるだけで一定のエナジーを消費してくれる為、敢えて防御に徹していたのだ。


 簡素に言うのなら、スタミナ切れを狙っていた訳だな?

 私の方から攻撃を開始するのは、それでも足りないと感じた時で十分だと判断していた。


『オイ、聞いてるか! 危険だと言ってるだろう! 早く避難しなさい! 繰り返すぞ! 早く避難しろと、何回も言わせんじゃねーよ!』


 他方、その頃……相変わらず戦闘機がワンワンと吠えるかの様に、喧しく私へと警告を繰り返していた。


 どうやら、私が居る事で混沌龍へと攻撃をする事が出来ないが故に、多少のフラストレーションが蓄積されているんだろうなぁ……と、曖昧ながらも考えていた。


 私としては、お前らが攻撃すると混沌龍の攻撃がそっちに飛んで行きそうだったので、敢えてやっていると言う側面もあったりするんだけどな!


 どちらにせよ、戦闘機の拡声機能を使って、無駄に喚き散らしているだけの存在であるのなら、そろそろ本気で帰ってくれないかなと思う。

 もう良いだろ? 気が済んだろ?


 100マール上げるから、帰ってくれないかなっ⁉︎


 ……ああ、そう言えばここの世界は貨幣が違った。

 100円だったな?


 ……うむ。

 そう言えば、私の前世でも貨幣単位が円だったな。

 こんな所に共通的があった事に、今更ながら気付いたぞ。

 気付いても、何の得にもならない話だけどな!


 一方的に攻撃していた混沌龍だが、ここに来て強力な攻撃を余りやらなくなって来た。


 ……? おかしいな?

 まだまだ、エナジーが有り余っている様に感じるんだけど?


 もしかして……私のやろうとしている目的に気付いたのだろうか?


 なんとなくではあるが、空中にいる私よりも、地上にいた変態パラレル達の方を気にする素振りを、時折みせている様にも感じる。


 ……まぁ、何となく程度ではあったんだが。


 しかし、混沌龍が変態パラレルの方に向かってしまうと、私的には都合が悪い。

 地上には沢山の建物が林立しているのみならず、かなりの住民が近隣エリアへと避難しているからだ。


 一応、これまで戦闘していたエリアには、人はもう居なくなってはいるとは思うんだが……それでも、近隣エリアの公民館とか、学校とか……ともかく、その程度の距離しか離れていないのでは無いのかと予測している。


 実際にその様子を見ていた訳ではないので、どの程度の距離を避難したのかまでは分からないし、ちゃんと全員が避難を完了しているのかも分からないが……何にせよ、その程度の距離では混沌龍の攻撃を完全に避ける事が可能な距離であるとは、到底思えない。


 得にドラゴン・ブレスの射程距離はエゲツないな。

 飽くまでも目測になってしまうが……恐らく、百キロ以上はあるんじゃないだろうか?


 尤も? この世界は天体だ。

 言うなれば、地球と同じ状態と言える。


 よって、真横に向かってドラゴン・ブレスを吐いたとして……それが放物線を描く事なく真っ直ぐ飛んで行ったとするのなら、数キロ程度で上空に消えて行くだろう。

 この世界が丸くて良かったな!


 ここらを加味するのであれば、現実的な射程距離は数キロ程度と言う事になるのだが……それだって数キロもある。

 近所の学校や公民館と言うレベルの避難であったのなら、間違いなくドラゴン・ブレスの射程圏内に入ってしまうのだ。


 地上でドラゴン・ブレスなんぞ吐かれた日には……それだけで何万人と言う死者を出す大惨事になってしまう事は、もはや予想するまでもない話であった。


 もちろん、そんな危険な存在を再び地上に下ろす訳には行かない!

 何としてでも、私の方に注意を向けて、混沌龍のエナジーを削らなければ!


 ……思った私は、

 

「少しは攻撃をした方が良いのかも知れないな」


 ゆっくりと口を動かし、攻撃を隙を伺い始めた。


 この数分間による攻防……と言うか、防戦をした事で一つ分かった事がある。


 どうやら、私の戦闘能力は混沌龍すらも大幅に凌駕してしまった様だ。


 ……うぅむ。

 これは素直に喜ぶべき事なのだろうか……?


 最近は、ちょっと人間を捨てて来た様な気がして仕方ないぞ。


 どちらにせよ、混沌龍を上回る能力を得ていた事は、決して嫌悪の対象にはならない。

 むしろ誇るべきだな! うむ! ここは『私TEEEEEE!』って事で、単純に喜んで置こう!


 何となく、昨今ではこのフレーズが時代遅れになってる気がするけど、素直に喜んで置こう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ