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同一人物の筈なのに、何故か別の人間として存在している世界【19】

 ……何にせよ、これで私達がこれからやらなければならない事が明確になった。


 まずは、私達の所からも見える混沌龍を元の場所へと戻す事。


 次に、ナンバー・パラレルの妨害に警戒し、混沌龍を押し返す魔法をパラレルが無事に発動出来る様にサポートをする事。


 混沌龍を戻す為には、その抵抗力を下げる必要があるので、混沌龍をある程度まで弱らせる事。


 今の私達がやらなければならない事を簡素に述べると、主にこの三つだな。


 それ以外と言うと……。


『暗黒色の竜が動き出しました! ちょっ! これ、本気で危険です! ちゅ、中継は以上です!……と言うか、すぐに避難しま……』


 ザザァッッ!


 ……と、まぁ。

 丁度タイミングよく砂嵐になってしまった中継を見て分かる通り……なるべく、街に被害が及ばない様に努力する必要がある。

 ここに関しては、余り責任が持てないと言うか……本当になるべくって形になってしまいそうではあるんだがなぁ……?


「マエノさん……凄いね。あれ……もしかしたら、死んだんじゃないの……?」


 テレビ中継が数十秒ばかり砂嵐状態になってしまった光景を見て、アリンが苦々しい顔になって口を開く。

 ……可能性はある。

 私的に言うのなら、普通の精神を持っている人間なら、絶対にやらない行為だとさえ思う。

 

 本当、テレビ局の人間ってのは、とんでもなく怖い者知らずが多いんだな。

 私だったら、どんなに高い給料を貰っても、あんな所へと取材に行きたいとは思わないぞ。


 何にせよ……マエノ・アナの命運に関しては、祈る事しか出来ないだろう。

 自分から無謀な事をしていたんだから、流石の私もフォローし切れない。

 でも、何となくマエノ・アナは普通に生きてそうな気がする。

 だって、悪運だけは無駄に強そうだもの。


 閑話休題それはさておき


「……よし、目的は決まった。あとは行動に移るのみだ! みんな、準備は良いか?」


 私は真剣な顔になって、リビングの周囲にいた面々へと声を掛けた。


「うん、もちろん。カリンがピンチなら、私が助けるのは当然だし……混沌龍だっけ? ともかく、そんなおかしな龍が、街で大暴れしちゃったら困るからね! 全力で頑張らせて貰うよ!」


 私の言葉に、誰よりも早く答えたのはアリンだった。


 正直……私は、この世界のアリンを巻き込んでしまう事に、胸を大きく痛めていたりもする。

 全く別の所に生きる、並行世界の人間が持って来た厄介事を、アリンが背負い込む必要なんて……ない。


 けれど、この子は全く気にする事なく引き受けてくれた。

 本当に頭が上がらない。

 やっぱりアリンちゃんは、私にとって自慢の子だよ。

 この世界では妹かも知れないけど……それでも、やっぱり同じ家族の一人として、胸を張って自慢出来るだけの人物であると、私は心の底から思えたよ!


「ああ、やろうぜ? 俺も、そろそろマジで身体を動かしたいと思っていた所だ。ある意味、都合が良い」


 程なくして、リガーが爽やかな笑みを作りながら私へと答えて来た。

 ……うむ! 頼もしいな!

 リガーは、もう一人の私だ。

 大きな違いがあるのは性別のみ。

 つまり、私と同等の能力を持っている!


 こう言う時は、リガーが居てくれて、本当に良かったと思うよ!


「ええ、行きましょうか。胸の大きなマエノ・アナを助けるのは、紳士たる私の役目。もちろんやらせて頂きます!」


 お前の行動判断は、胸で決まるのか?

 それ以外の判断材料はないのか?

 もし無いと言うのなら、その場で爆破してやりたいのだが?


 ……はぁ、やれやれ。


 私としては、もっと色々な事を言ってやりたい気持ちもあるのだが……きっと、余計なツッコミをすると、想定外の変態発言を臆面もなく言って来そうで怖い。

 取り敢えず、コイツの言う事はスルーして置こう。

 そっちの方が、私の精神衛生上好ましいと思うからな!


 ……よし! やろうか!


 かくして。


 私とアリン、リガーと変態パラレルの四人は、こうして混沌龍を元の世界へと戻す為の行動を開始して行くのであった。



 ……と言う所で、今回はここまで!


 次回に続く!



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