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全てが異なるのに、周りに居るメンバーだけ全て同じ(一部誤差あり)の世界【18】

 ……くそっ!


 これだから、同じ性質を持つ相手との会話は疲れるんだ!


「と、ともかく! だ! その後……私は元の世界に戻って来て、めでたしめでたし……って事になる筈だったんだよ?」


 けれど、そうはならなかった。


 実際に帰って来てみれば、どう言う訳か? 並行世界に居るだろうもう一人の私……リガーはまだ私の世界に残っているし? 結局は、もう一仕事をしないと行けないと言う、面倒な話が残っていたんだ。


 全く……本当に迷惑な話だ!


 ……ん?


「そう言えば……あの世界から、私の世界へと戻ろうとしていた時……あっちの世界にいたパラレルから、何か特殊な能力を貰った気がするな?」


 確か、パラレルの加護だったか?


 まぁ、どんな効果があるのかは知らん。

 ともすれば、何からの理由で戦闘とかになれば、パラレルの加護とやらのご利益に預かれるのかな?……程度の感覚だ。


 もっとも、現状で戦闘が必要になる事はないだろうし、今の所は無用の長物かも知れないのだが。


 こんな事を考えていた私ではあったのだが、


「特殊な能力だと?……なるほど、そうすると……だ? ソイツから力を貰った訳だな?」


 リガーは、まるでそこに希望でも見出みいだしたかの様な顔になっていた。


 ……?


 今一つ、良く分からないのだが?


「もし、ソイツの加護とかを貰っていたのなら、お前の中にソイツの能力が……力が眠っていると言う事になる。そうなれば、大なり小なりの共鳴を起こすんじゃないのか?」


「……ふぅ〜む」


 リガーの言葉を聞いて、私は一応の納得めいた声を返した。


 言いたい事は分かった。

 実際、リガーの言う事は一理ある。

 確かに、能力の共鳴は、可能性として存在するのだ。


 これは、私なりの体験から来ている。

 私も、呪いに近いレベルながら、相手に加護を与えると言う事が出来る。


 一例からすると、ユニクスにやっている呪いなんかがそうだ。

 ……まぁ、結果的にそうなったと言うか、ポイントは呪いの部分ではなく、多少ながらも能力が上昇する加護が付いている所だ。


 アメとムチ……とでも述べれば良いのか?


 私に絶対服従を誓った場合は、私の加護を受ける。

 その為、能力が幾らか上がる。

 ……まぁ、段違いに上昇する訳ではなく、ないよりはマシ程度の上昇なんだがな?


 けれど、もし私を裏切ってしまったのなら?

 ソイツの髪は白くなり……やがて真っ赤に染まる。


 そして、最終的に身体の全てから血を流して……絶命してしまう訳だ。


 よって、呪いの一種ではあるのだが……要は、私を裏切らない限りは、むしろ能力が上昇する為、加護としての効果が存在するのだ。

 ここらの関係がある為、私はユニクスにこの呪いを施したのだが……同時に加護でもある為、ユニクスの中にある私の力と私本人が近付くと、ほんのわずかではあるが共鳴現象が発生する。


 その時に発生する共鳴の力は、本当に本当に極々わずかな力でしかない為、意識してしっかりと共鳴を感じようとしない限りは、そこに能力の共鳴が発生している事に気付く事が出来ないレベルではある。

 だが、確かに共鳴は発生しているのだ。


 ……つまり、私がパラレルから貰った加護が、どの程度の能力があるのかは知らないが、共鳴を起こす可能性はそれなりにあると考えて良かった。


 もっとも? それは飽くまでも共鳴をする……と言うだけの話だ。

 簡素に言うのなら、そこに本人が存在しない場合は、そもそも共鳴する事などあり得ない訳で……。


「役に立つのかどうかまでは知らないが、パラレルの加護があると言う所も加味して行動して置こうか」


 色々と考えつつ、口を動かした私が居た頃、


 キーンコーン・カーンコーン♪


 校内の予鈴が鳴る。


 ……ふむ。

 この世界の学校も、やっぱり予鈴が鳴るんだな。


「もうすぐ、昼休みが終わるな?……じゃあ、取り敢えず続きは放課後にしようか?」


「そうするか」


 その後、私とリガーの二人は教室に戻った後……ルミやフラウの二人が見事に言いふらしてくれた結果、クラス内にいる色々な生徒から『彼氏出来たんだってね? おめでとう!』とか言う、妙に下世話な祝福を受ける羽目になって行くのだが……余談だ。




        ●●●●●




 そんなこんなで、放課後。


 私はリガーと二人で、学校の近くにある商店街へと向かおうとしたのだが、


「……あ、姉さん! おっそぉ〜い!」


 校門の前で、少し快活な顔をして声を掛けるアリンの姿があった。


 ……あ、いけね。


「そう言えば、今日はアリンと一緒に帰る約束をしてたんだった」


 校門の前にいたアリンの姿を見て、私は思い出す。


 ……うむ。 

 ……どーしよ。

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