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全てが異なるのに、周りに居るメンバーだけ全て同じ(一部誤差あり)の世界【14】

 厳密に述べると、そっくりそのまま言った日には、頭の残念な人間と勘違いされかねない。


 だって、リガーと私は同一人物!……なんて言って見ろよ?

 そしたら、この二人は『え? それは、何? 新しい設定とか? もう、やめてよね〜? 高校生にもなって、厨二とか笑えないから!』って感じの台詞を、思いきり嘲笑する感じで言って来るだろう。

 もう、完璧に私を笑い者にする感じでコケにするに決まっている。


 しかし、それでも私の予測的に言うのであれば、まだマシな予測だ。

 最悪の場合、頭のおかしい精神異常者と思われてしまう可能性だってある。


 そうなったら、きっと……二人はドン引きするだろう。


 良い笑い者にされるか、ドン引きされるかの二択であるのであれば……もちろん、言う訳にも行かない!


 ……くそ!

 何か、良いアイディアとかないのか?


 ……と、こんな事を考えている私が居る中、


「実は俺達、付き合ってるんだ」


 うぉぉぉぉぉいっっ⁉︎


 ニッコリと笑顔で爆弾発言をして来たリガー。


 この台詞を耳にしたルミとフラウの二人が、瞳をキラキラした状態で、


『やっぱりぃぃぃ!』


 荒くしていた鼻息とセットで、興奮した己の熱情を言霊に転換していた。


 ……見事な恋愛脳コンビだった。


 やれやれ、だ。


 ……まぁ、な?

 今のルミやフラウぐらいの年齢だと、さ?

 どうしても、恋愛に結び着けたくなるのかも知れないよ?


 ちょっとでも、異性と仲良くしていたら『え? もしかして、付き合ってるの?』って感じの台詞を、とぉぉぉぉぉっても短略的に結び付ける事だってザラだ。

 普通に考えれば、もっと別の理由があったとしても、なんらおかしな事ではない状態であっても、連中からすれば、アレコレこじ付けては、付き合っている……と言う答えへと、強引に持って行きたい心理が働くのだろう。


 そして、友人が異性と付き合い始めたのなら、だ?


「ねぇねぇ、リダ! リガー君と付き合ってるならさ〜? リガー君の友達とかを私に紹介してくれない? 私的には、ラネル君が良いな〜!」


 友人の異性繋がりから、ちゃっかり自分も彼氏をゲットしようと試みる、フラウの様な存在が現れたり、


「私は二人の交際を祝福するよ! だから、二人の恋バナを色々と聞きたいな〜! ね? 良いでしょう? リダ? 次のイベントで、リダの欲しい本が買える様に、先行で入れるチケットを準備しとくからさ!」


 無秩序に友人の恋愛話を聞きたがる、底無しの好奇心を持つ恋バナ大好き女へと変貌するルミの様な存在が出現したりもする。


 正直、二人とも地味にレアなパターンではあるな?

 私的に言うのなら、自分に彼が出来た人物は、これを理由にマウントを取るかの様な勢いで、聞かれても居ないのに、勝手に自慢話をしたりする物だ。


 よって……ルミの様に、自分から私の恋愛話を聞いて来るのはまれと言える。


 まぁ、正直……聞かれても困るレベルではあるんだがな。


「まず、男を紹介されたいのなら、私ではなくリガーに直接言え。私は知らん。それとルミ……私は、リガーと何もない。そもそも、コイツが勝手に恋人宣言してるだけであって、コイツと何か特別な事をしたのか? と言ったら、ズバリゼロだ! なんもない! なんなら、デートに行った記憶もなければ、手を繋いだ記憶すらない! つまり、そう言う事だ!」


「なるほど! つまり、二人の関係はこれから築かれるんだね⁉︎」


「ルミ……お前、少し喋るの辞めてくれないかな?」


 物凄く納得する感じで叫ぶルミに、私は額に人差し指を当てた状態でぼやきを返した。


「直接言うのっ⁉︎ そ、そんな……私って、物凄くシャイなんだよっ⁉︎ 恥ずかしがり屋なんだよっ⁉︎ そんな事、出来る訳ないじゃないっ!」


 そして、フラウはどの口がそんなふざけた事をほざいてんだよっっ⁉︎

 少なからず、私の知るフラウは、シャイな部分なんて欠片も存在しなかったぞっ!

 日々、美形の男子を追い求めては、不毛なばかりの執念をみせた挙げ句、最後は玉砕して行くじゃないか!


「大丈夫だ、フラウ。お前の厚顔さは武器だ。きっとお前を愛してくれる男が一人ぐらいは存在していると、私は思っている! だから、自分で見付けてくれないか?」


「メチャクチャ冷たくない⁉︎」


 私なりに優しく諭す感じで答えたつもりであったのだが、フラウはガガーンッッ! って感じの顔になって喚き声を返して来た。


 冷たい物か……。

 自分の男ぐらい、自分の力で探せ……と言ってるだけだ。

 つか、色恋沙汰なんて、私の知る所じゃないぞ……ったく。


 そもそも、リガーがおかしな事さえ言わなければ、こんな事にならなかったと言うのに!


 思った私は、間もなく正面に立っていたリガーに向かって怒りに満ちた眼光を鋭く飛ばした。

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