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全てが異なるのに、周りに居るメンバーだけ全て同じ(一部誤差あり)の世界【8】

 もう……ね?

 穴があったら入りたい気持ちで一杯になってしまったよ!


 この世界の私に会う可能性は、今の所皆無に等しい状態なので、会う事があるのかまでは定かではないが……もし会ったら、もう少し学生らしい生活をしろと小一時間は説教してやろうと心に誓った!


 フラウの声が私達の耳へと転がって来たのは、ここから間もなくの事だった。


「……あれ? 二人して、校門の前で何やってんの?」


 物凄く不思議そうな声音で言うフラウ。

 見れば、顔でもやっぱり不思議そうな表情を作り出していた。


 まぁ、そうだよな。

 普通に考えて、雑談をするにしても、普通は自分の教室でやるだろうし。


 ……と、そこまで考えた所で、私はハッとした顔になった。


「そうだ! ルミとフラウは、何年何組だ?……いや、学年は私と同じか? クラスも同じか?」


「何年何組……って、あんたと同じじゃないの? 寝ぼけてるの? 二年一組。三人揃って同じクラスじゃないのよ……?」


 私の問いに、フラウは片眉を捻って言う。

 そんなフラウからすれば、私の問いが異様に映ったらしい。


 まるで、それは……


「どっかに頭でもぶつけて来たの?」


 ……と、思っているかの様だ。


 そして、当たり前の当然の様に、しれっと口にまで出して来た。

 こう言う所を見ると……ああ、やっぱりお前はフラウで間違いない! と、珍妙な納得の仕方をしてしまうよ!


 何にせよ、そうであるのなら私にとってかなりの幸運だ。

 これで、自分のクラスはもちろん、下駄箱の位置もしっかりと分かるからな!


「よし、それなら安心だ! 早速、私達の教室に向かおうか!」


 私は、意気揚々と二人に答えた。


「……? 本当に変だね? マジでどっかに頭でもぶつけて来たんじゃないの? 脳神経外科の診察券はある? 今日は一回、病院に向かった方が良いんじゃないの?」


 フラウよ! お前もか! 

 私はカエサルにでもなった様な気持ちで大きく嘆いた!


「……あ、フラウもそう思う? さっきからリダがね? 物凄くおかしいの!『コミケとか興味ないし?』……って感じの台詞を言うの! 信じられる?」


「……えっ⁉︎ マジで⁉︎ どうしたのリダッ⁉︎ いつものアンタは何処に行ったのっ⁉︎」


 本当にこの世界の私は何処に行ってるのかなっっっ⁉︎


 ルミの言葉を聞いて、フラウまで真顔になって驚いていた。

 もう、その話をするのはやめてくれませんかねぇ?……割と、私の精神がガリガリ削られるんだよっ⁉︎


 私的に言うのなら、本気で勘弁して貰いたい、謎の腐ったトークを炸裂させて来た二人に辟易しつつも……どうにか教室へと辿り着いて行くのだった。




           ◯◯◯●●




 本当に、この世界に住む私は何者なんだろう……?

 一応、前世の記憶が曖昧ながらも存在していたので、地味に二人の言っている意味が理解可能な分、物凄く恥ずかしい!


 ただ、先に言って置くと、私はオタクを非難するつもりはない。

 それはそれで、個人の趣向であり、好みの問題だ。

 むしろ、自分が好きな物をしっかりと『大好きだ!』と言える人間の方が、見ていて清々しい!


 よって、私は否定的な態度を取る様な真似はしない。

 ……が、それが全く身に覚えのない物であれば、話は全くの別になる。


 いやね?

 確かに、だ?

 私はショタを好むよ? うん……そこは否定しない。


 だけど、腐の領域にまで足を踏み込んだのか? と言われたのなら、実はその限りではないんだ!

 そもそも、私の世界にはそんな物なんぞない!

 この世界にやって来て分かったが……ここの文明は恐ろしく進んでいる!

 それこそ、私の知る前世の世界と同等レベルだ!


 挙句、それだけ文明が発達していると言うのに……ちゃんと魔導まである。

 ……と言うか、科学よりも魔導が発展した末に、この世界が成立している様に見える。


 例えば、電車と表現していたけど……エネルギー源は魔素の類で動いているんじゃないかと思われる。


 理由は物凄く簡素な物だな?

 電車なら、高架線があるだろ?……それがない。

 じゃあ、ディーゼルの類なのかと言うのなら、エンジン音がしない。


 そうなると、後に残されたエネルギーは水素か魔素か、私も知らないエネルギーか?……まぁ、そこら辺になる。


 ここは異世界だから、私も知らないエネルギーを使用している可能性も否めないが……水素を使う電車が走っている所まで文明が発展しているとは思えない。

 同時に太陽光もないだろう。

 あんなデカイ乗り物で、一度に何百人と言う人間を乗せるとなれば、かなりのエネルギーを必要とするからだ。


 そうしたら、私にだって直ぐ分かるレベルのソーラーパネルを設置しているだろうしな?

 そんな類の代物は、私の知る限りで全く見る事は出来なかったぞ。


 すると、消去法で残された物となれば……魔素だ。


 この世界にも魔素があるのなら、最も加工しやすいお手軽な資源であり、エネルギー源でもあるだろうからな。

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