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全てが異なるのに、周りに居るメンバーだけ全て同じ(一部誤差あり)の世界【3】

 ……言われて見れば、確かにこの子は大平原を連想させる様な状況ではない。


 まぁ、大山脈と言う程のレベルでもないのだが。


 し、しかし……Cの65と言う時点で驚きだと言うのに……まさかのDだと? もうすぐDに行ってしまうとっ⁉︎

 お前、幾つだよっ⁉︎

 私の妹……とか言ってんだから、私よりも最低でも一歳は下だよな?


 すると、一歳下だと仮定して、15歳で……Dっ⁉︎

 巨乳域へと片足突っ込む領域ゾーンまでやって来ているなど、もはやドーンテン一族の風上にも置けないヤツめっ!


「なんか、お姉ちゃん……地味に怖いんだけど、大丈夫? それと、胸はどーでも良いと思う。なんならこれ以上は要らないわ。割とマジで」


「そんな贅沢は認めない!」


 少し根負けした顔になって言う、やや日焼けしている美少女に対して私は即座に反論した!


 貴様……黙って聞いていれば……許せん!


 お前には分からないんだよ? 

 世の中にはな? どんなに望んでも得られない大切な物があるのだ!


 それを、なんだ?

 貴様は、これ以上要らない……だとっ⁉︎


「お前だって、言う程大きくないじゃないかっ! それなのに、これ以上要らないとか? どの口がそんなクッソ生意気な口がきけるのだっ⁉︎」


「いや……別に、胸とか欲しいとも思ってないし……私、陸上部だから、むしろカップで言うならAとかのほーが、身体的に楽だし? それに、最近はスポブラ付けても胸が揺れてさ?……そこを男子に見られてイラッと……って、お姉? ねぇ、待って? その右手は危険じゃない? うん、待つべきだと思うの? ちゃんと冷静になって聞こう? お姉……いや、お姉様の話なんてしてないよ? 普通に話を聞いて? お願いだから聞いてっ⁉︎ 朝から爆破とかマジ勘弁だよっ⁉︎ 爆発するのは芸術と青春だけで十分! そう思うでしょ! リダおねーさま!」


「ついでに胸も爆発しとけ!」


 ドォォォォォォォォォンッッ! 


 巨乳予備軍は爆発した。


 ……くそ。

 本当に朝から嫌な気分にしてくれる!


「はわぎゃっ! マジで胸まで爆破して来たぁぁっ!」


 爆破された巨乳予備軍は、口から煙を吐き出してバッタリ倒れた。

 中々にコミカルなやられ方をするな。

 ……てか、火力が足りなかったのか? それとも、咄嗟に魔導防壁でも張って来たのか?

 そこらは分からなかったが……そこまでダメージを受けている様には見えない。


 ……ふぅむ。


「なるほど……どうやら、やっぱりお前は私の妹で間違いはなさそうだな」


 私は誰に言う訳でもなく呟く。

 バッタリ倒れてはいるし、身体のあちこちから黒い煙を無駄に上げては居る物の……生命力的な物とでも言うべきか? ともかく、コイツから感じる事の出来るエナジーは全く減っている様子がない。


 つまり、コイツは『やられている振り』をしているだけに過ぎない。


 その気になれば、一秒を必要とせず、むっくりと起き上がる事が出来るだろう。


 しかし、そうしなかったのは……まぁ、今度は更に火力を上げた爆破魔法を、私にお見舞いされるのが怖かったから、わざとやられた振りをしているのではないかと予測する事が出来た。

 軽くセコい。


 しかし、これら諸々の事情を加味するのなら、この巨乳予備軍が持つ戦闘的な能力ステータスは、間違いなく私に近い物があった。


 結局、本気で戦う様な事はないと思うので、何処までの能力を保持しているのか?……そこまでは、私にも分からない。


 ズバリ言って、まさに未知数。 

 それだけに、この巨乳予備軍の能力に少し驚きを隠せないでいた。

 

 ……と、その辺りでもう一人の子……私の精神衛生上、好ましい方の美少女がやって来る。


「おねーちゃん、診察券と保険証は持って来たよ? あと、学校には電話もして置くから、今日は病院に行きなよ?……そして、どうしてカリンは黒こげになっているの?」


 色々と用意してくれたのだろう美少女は、最寄りの脳神経外科の診察券っぽい物と保険証を持って来ては、私へと声を掛けて来た。


 そして、床に転がっては、プスプスと煙の様な物をくすぶらせていた巨乳予備軍を指して不思議そうな顔になっていた。


 どうやら、名前はカリンと言うらしい。

 そう言えば、自分の事を差す一人称で『カリン』と言ってた気がする。


 なるほど、カリンと言うんだな。

 巨乳予備軍と言う名前ではなかったか。


「カリンは、ドーンテン一族が持つ先祖代々の悲願を踏みにじった大罪を犯した為、私が粛清して置いた。贖罪しょくざいには足りない部分も間々あるが、今回はこれで許してやろうと思っている」


「え? リダお姉ちゃん……もしかして、記憶喪失が治った?」


 私の言葉を耳にして、美少女はちょっと目をパチクリしながら声を返した。

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