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全てが異なるのに、周りにいるメンバーだけ全部同じ(一部誤差あり)の世界【1】

 …………。


 ………。


 ……。



 ………はっ!


「うわぁぁぁっっ!」


 悲鳴と同時に目が覚めた。


 ガバッッッッ!……と、上半身だけを起き上がらせた私の視界にあるのは……部屋?


「……なんだ、これは?」


 良くは分からない。

 ただ、死んだ訳ではないと言う事だけは分かった。


 まぁ……なんと言うか、私は一回死んでいるからなぁ……。

 正直、自分が死んだ経験を、そのまんま今の自分に記憶として残っている時点で不思議と言うか、不自然と言うか……何とも妙な気分になったりもするんだが。


 ともかく、かなり曖昧かも知れないが、死ぬと『どうなるのか分かる私』からするのであれば、今の私は死んでないと言う事が分かる。


 まぁ、そこは取り敢えず良しとして置こうか。


 私の知らないパラレル……まぁ、そもそもパラレルと言う存在自体、どちらのパラレルであっても詳細は知らないと言うのが正直な話なんだが、ともかくもう一人いたんだろう並行世界を管理する者が突発的に出現させた、謎のブラックホールみたいな物に吸い込まれしまった所までは、私の記憶にあった。


 ハッキリ言って死ぬかと思った物だが……自分の生存が確認出来たと言う所で、まずは良しとして置こう。

 あの状態であるのなら、無事に生きてて良かったと言うレベルだ。

 

 よって、一応の安寧が私の精神に生まれてはいた……いたんだけど、だ?


「ここは、何処どこだ……?」


 見る限り、私はベットに寝ていた模様だ。

 そして……今、目を覚ました。

 

 これは一体、どう言う事だろう?

 なんとなく、似た様な事が前にもあった様な気がする。


 ……ああ、そうだ。

 確か、私が元の世界へと戻って来た時だ。


 何故か目を開けると眠りから覚めた状態になっていた。

 ……思えば、私がリガーの居る並行世界へとやって来た時も、目が覚めた所から始まっていたなぁ……たしか。

 もしかして、並行世界を移動する時は、決まって目覚めから始まる法則でもあるんだろうか?


 私は、日々の生活に1ミリの役にも立たない、並行世界への法則を見付け出した所で……両腕を組んで小首を傾げた。


 視界にある世界は、明らかに私の記憶にない部屋だった。


 ただ、その反面で……何処か懐かしさの様な物を感じる。


 なんと言うか、この世界は……この部屋の中にある物は、まるで……私が今の世界で生きていた時代の、一つ前を彷彿させる様な? そんな風景が部屋の中に展開されていた。


 ただ、それとなくあった本棚の本を見ると……その文字は大陸共通語だ。

 簡素に言うのであれば、それは私にとって今を生きている自分の知っている文字だった。


 けれど、本棚にあった物は……文庫本と単行本だ。

 

 文庫本はオーソドックスな物で、前世の私辺りであれば好んで読んだんじゃないのかなぁ……と思われる物がある。

 

 元来ある私の世界で考えるのであれば、間違いなく異質な代物であったに違いないのだが。

 単行本の方は……これまたオーソドックスな漫画だ。


 書店に行けば、大抵の店で取り扱っているだろう、全く変哲を知らない単行本だ。


 強いて言うのなら、私の好みが地味に偏っている為、美少年ショタが主人公の漫画が多いのだが、そんな事はどうでも良い。


 現在ある問題の焦点として注視しなければならない物は、一見すると変哲のない代物が、実は思い切り変哲だらけであると言う所だ!


 なんなの、これ?

 私の現世では、間違いなく無い代物ばかりなんだが?


 良く見れば、部屋の隅にある制服も違うな。


 私が良く袖を通していた制服は、ブレザーをメインにした制服だった。


 しかし、部屋の隅っこにあったハンガーに吊り下げられていた制服は、セーラー服を色々と変化させたタイプの代物だった。


 多分、元々はセーラー服の類いだったんだろうけど、色々と変更した結果、その原型をほとんど留めて居ない感じの制服になっていた。

 

 ただ、恐ろしく可愛い。

 改良に改良を重ねたセーラーとか、私の知る世界ではちょっと考えられないレベルだった。


「うぅ〜むぅ……」


 私は眉を捻って考える。


 この時点で、この世界は明らかに私の世界ではない。

 恐らく異世界の類いだ。


 この調子だと、平行世界の類いである可能性すら疑わしい。


 ……ただ、今居る何だか良く分からない世界にいるとして、その世界へと放り込んだのは、並行世界を管理しているパラレルの筈だ。


 ここに関しては、私も良く分かってないので、かなり自分の予測が混じっているのだが。

 けれど、ここは可能性として濃厚なのではないだろうか?


 どちらにせよ、並行世界を管理している者がやった物であるのなら、この世界も並行世界にある何処かである……と、考えた方が理に叶っている。


 だけど……ちょっとばかり変わり過ぎて無いか?

 割と本気でっ!

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