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全てが同じなのに、性別違いの私がもう一人居る世界【18】

 こう言った、実に親しみ易いリガーだけに……私は思う。


 別れるのは、なるべく早い方が良い……と。


 たった一日。

 そう……たった一日だけと言うのに、早くもリガーが周囲の面々に溶け込んでいるのだ。


 これがもっと続き……一週間とか一ヶ月なんて一緒に居た日には、より強い哀愁を抱く事になってしまうだろう。


 クラスの面々はそこまでは行かないかも知れないが、リガーにとって身近な友達……例えば、フラウやユニクスにとって、確実に心を痛めてしまう結末を生むのは目に見えているだろう。

 

 特にフラウは、別の世界ではリガーを心から愛していた。

 あんなに恋愛について真剣になっているフラウを私は知らない。

 簡素に言うのなら、それだけリガーには魅力があると言う事なのだろう。

 ほんの少しだけではあるが、私も何となくフラウの気持ちが分かった……気がする。


 アリンにしても、父親として馴染んで来て間もなく、永久に会えなくなったら思い切り悲しむに違いない。

 愛娘の悲しむ姿なんて見たくないし、リガーが居なくなった後はしばらく寂しそうな顔を見せるに違いない。


 じゃあ、代わりに私が再婚すれば良いのかと言えば、話はそんなに単純な事でもない。

 アリンの父親は誰でも出来ると言う訳ではないからなぁ……。


 今でも既に溶け込んでいるのに……この上、情まで湧いてしまったのなら、大きな悲しみが待っているのは否めない


 私は友達が確定で悲恋する様を見たいとは思わない。

 私は愛娘が確定で寂しがる姿を見たいとは思わない。


 そして……私自身も。


 …………。


 最後は、ちょっと余計かな。

 けれど、きっと私も私で思う。


 このまま、ずっとリガーと一緒に居ては行けない……と。


 このままズルズルと一緒に居れば、私本人も大きく傷付く。

 リガーが居なくなる寂しさで、思考の全てを持って行かれる。


 自分でも良く分かる。

 そして……何より、リガー本人もそう思うんじゃないのか?

 

 私はリガーであり、リガーは私である。

 だから、リガーが考えそうな事は私も予測が付くのだ。

 よって、これは憶測と言うよりも確定に近い。


 何より、こんな感じで相手の事を誰よりも理解している相手と一緒に居れば、嫌でも居心地が良すぎて困る。


 だからきっと……リガーも思っているだろう。


 このまま一緒に居たら、自分だって大きく傷付く……と。


 ただ、互いに同じ事を思っている。

 自分が傷付くのは良くても……せめて、相手の心に生まれた傷は可能な限り緩和出来ないか?……と。


 そして、そんな気持ちの一つ一つを……相手を思い遣っていると言う事実を、本人が言うよりも先に全てを悟ってしまうから、本気で切なくなる。


 リガーは私を。

 私はリガーを。


 結局は互いに気遣いをしていて……その理由もまた同じで……結局、なんだよ本気でコイツは良い奴じゃないかよと、自分で自分を誉める様な? そんな奇妙な相互関係まで出来上がっていて……。


 極論からすると……本当はこのまま一緒に居ても一向に構わないし、なんならずっとアリンの面倒を見ながら生活しても良いんじゃないかな?……なんて、本気で思えてしまうまでに相性が抜群で。

 その根拠も、相手は自分と同一人物なんだから、結局気が合うのは当然だよな……で、全てが事足りてしまうんだから……もう、ね?


 本来なら出会う事はなく……そして、永遠に会う事もない相手。


 ……でも、出会ってしまった。


 本来なら必要のない葛藤のオマケ付きで、私は早急に今ある問題を解決しようと……心の中で自分だけにそっ……っと誓った。





 ……と、何やら、私の独り言の様な状態が続いてしまったのだが、ここからは話の本筋に戻す事にしよう。


 授業が終わり、即時解散となった私とアリン、リガーの三人は、間もなく廊下で待っていたバアルとアシュアの二人と一緒に、近所にある喫茶店へと向かった。


 もれなく、フラウとルミ、ルゥの三人も着いて来たのだが……まぁ、大人しくしていると言う条件付きで同行を許した。


 予め釘を差していた事もあって、三人は静かに私達の近くに座っている。


 厳密に言うと、四人席であった為……私とリガー、バアルとアシュアの四人がそれぞれ席に座り、余った四人がアリンの面倒を見る形で座っていた為、若干の騒がしさがあったのだが、アリンを構ってくれていると考えれば、それはそれで良い役割を示してくれていると考える事も出来た。


 こう言う時は、フラウやルミ、ルゥの三人が居てくれると助かるな?


 結果的にアリンをフラウ達に任せた状態で、私とリガーの二人はバアルとアシュアの話を聞くと言う形になって行くのだった。

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