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それでも君が好き  作者: 紫月旅人
4/11

3

「返事を聞かせてくれ。」

何で、この人には私の居る場所が分かるのかな。

昼時の空き教室。

但し、昨日とは違う教室なんだけど。

あれから1日しか経っていないなんて信じられないくらい、色々考えた。

けど答えは出なかった。

「あなたがどうして私を好きだと言うのか考えましたけど分かりませんでした。

でも自分の気持ちは決まりました。

私は、あなたのことが知りたい。

ですから、友達から始めませんか?」

「無理だ。」

「ですよね。

でも付き合うなら条件があるんです。」

「なんだ。」

「決めてるんです。

結婚するまで処女でいるって。

だから交際中にHはしません。」

「・・・分かった。」

「いいんですか?」

「その条件をのめば俺の女になるんだな?」

「・・・よろしくお願いします。」


それから3年。

彼は社会人になり、私は4年生になった。

驚くことに彼は条件を守ってくれているし、私達の関係は至極良好に続いている。

最初は、彼の強引なところや我が儘なところに振り回されていたけど、私にだけ見せてくれる優しさや甘さに少しずつ絆されていく感覚は決して嫌なものではなかった。

図書館や公園でデートをしたり、古書巡りにも付き合ってくれて、飲みにも連れていってくれた。

私の好みに合わせて毎回デートに誘ってくれていることに気づく頃には彼のことが、とても好きになっていた。

合鍵を貰ってからは、彼のマンションへ行って料理をしたり、掃除をしたり、彼の世話をすることにちょっとした幸せを感じたりもした。

それでも彼の部屋に泊まることはできなかった。

彼は何もしないと言ってくれたが、私は自分が怖かった。

最近では、身体に張り付くような彼の視線や放たれる色香に流されてしまいそうになっている自分がいたから。

彼が社会人になって、会う時間が減っていったけど、その距離感もまた彼への恋心を自覚させた。

会えない時は寂しい。

会っている時も、ずっと一緒にいたくて心臓がギュッと締め付けられた。

そう、私は彼に恋をした。

彼のことをどんどんどんどん好きになって、本気の恋を私はしていたんだ。




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