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「反董卓連合軍 〜集結 壱〜」

 現在都では、董卓の悪政のため多くの民衆が苦しんでいた。税は吊り上げられ、払えない者は着る服以外全て取り立てられた。

 そのため都では、道端で餓死している民や、高い税から逃れるため住み慣れた土地をすて移住する民が後をたたなかった。しかし、民に移住されては税が取れなくなってしまうため、都の周りには兵士が配置され、民に逃げられない様にしていた。この事態を見ていた各地の将軍達は董卓の悪政に不満を抱き始めていた。

 そんな中、董卓の悪政に不満を抱いていた将軍の一人、袁紹が各地の将軍達に激励の文を送った。その激励の文は、木葉の下にも届いていた。






「皆、俺達は今まで董卓の悪政を見ているしか出来なかったが、今やっと立ち上がる時が来た」


 そう言って、俺は袁紹から送れてきた文を高く掲げた。


「久々に暴れられるぜ!!」


 待ってましたとばかりに喜ぶ張飛をはじめ、関羽や各将軍達からも長い間待たされた喜びの声が上がった。


「反対する人はいないね。よし、皆、すぐに出発の準備をしてくれ!!」






 その後、袁紹の下に向かった俺達は、目の前に広がる大軍勢に目を丸くしていた。


「なんだ、この数は!?」

「兄者が驚くのも無理ありません。私もこんな大軍勢を見たのは初めてです」


 俺も関羽もあまりの軍勢の多さに暫く見とれてしまっていた。

 ……おっと、こう驚いてばかりもいられないんだった。

 俺は振り向くと、後ろにいた諸葛亮に声を掛けた。


「諸葛亮。俺はこれから袁紹に会いに行くけど一緒に来てくれないか?」

「わかりました」

「じゃあ、すぐに戻って来るから、ちょっと待っててくれ」


 そう言って俺は、諸葛亮と共にこの大軍勢を集めた袁紹に会いに行った。






 そして、袁紹の下にやって来た俺の目に見知った人物の顔がちらほらと飛び込んで来た。


「あっ!? 公孫さんじゃないか!?」

「ん? おお!? これは木葉ではないか!? 久しぶりだな」


 相変わらず綺麗な人だな……

 改めて見ても公孫さんの美しさに目を奪われていた俺の脳裏に、何故か全身を小さく震わせている関羽の姿が浮かんできた。

 ははは…………


「ところで、何故ここに各地の将軍達が集まっているんだ?」

「なんだ、聞いていないのか? これから、各軍の中心人物が集まり、軍儀が行われるんだ」


 なるほど。しかし、周りを見れば見るほど、凄い人達が集まっている。

 乱世の奸雄、曹操。

 江東の虎、孫堅。

 白馬長史、公孫さん。

 涼州の馬騰。

 并州の丁原。

 他にもまだいる。

 さすがに、これだけの将が集まれば董卓にだって、負けはしないだろう。


「大体揃ったな。では、これより軍儀を始める!」


 袁紹は周りを一度見渡した後、高々と宣言した。


「では、まず儂がこの軍勢の総指揮を取る袁本初だ」



袁紹えんしょう字を本初ほんしょ


大将軍の何進と協力して激しく宦官と対立し、董卓の乱の際には首都の洛陽より奔って河内にて兵を挙げた。後に河北四州を支配するまでに勢力を拡大したが、官渡の戦いにおいて自らの優柔不断さが原因で曹操に敗れた後、病死した。




 全員の総指揮だって!? いきなりそんなこと言われて納得出来るか!?

 俺が不服そうな表情をしていると、袁紹はふっと鼻で笑った。


「そこの下郎、何か不服でもあるか?何処の馬の骨ともわからぬ奴がやるより、名家であるこの儂がやるに相応しい」


 こいつ。すっげ~嫌な奴だな。


「ふん! その様なことはどうでもいい。だが、この曹操の軍を指揮するには、貴様では役不足だ」

「無礼な! 名家の私の何が役不足なのだ!?」


 ちょ、ちょっと。これは軍儀の場だろ!?

 あの二人を止めないと、董卓と戦う前に解散にならかねないぞ!?


「貴様の全てだ。家柄など関係ない」


 その瞬間、曹操の首に向かって大斧が振り下ろされた。


「殿への愚弄、許さん!!」

「猛徳!!」


 曹操に向かって振り下ろされた大斧は、夏侯惇の大剣によって受け止められた。


「貴様、猛徳に刃を向けるとは、命がいらないらしいな」


 夏侯惇が大斧を押し返す。


「お前は……そうか!? 曹操の側近に夏侯惇と言う武芸達者な者がいると聞いたことがあるが、お前が夏侯惇か」

「知っているなら話は早い、貴様の命は頂く」


 夏侯惇も、え~と……も、もう一人の奴も本気でやり合う気だ。だからって、俺が止めるのも無理だし。

 俺がその状況にあたふたしている内に、二人の戦いは始まってしまった。


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