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よろしくお願いします
あとはレベルアップしたから<眷属>が追加で召喚できるはずだ。たしか五の倍数ごとに増えるらしいから、いきなり二匹も呼べる。さて、リストを確認っと。お、増えてる。
・陰陽蟲
・土蜘蛛
・双頭蜈蚣
・矢蜂
・盾象蟲
迷うな、ここは上から選んでいくか。ということで召喚しよう。
「眷属、召喚」
地面に魔法陣がふたつ現れた。暗い穴の中から這い出て来たのは、大型犬くらいの黒いクモと三メートルはある双頭のムカデ。
土蜘蛛 LV.1
黒い体表をし、金色の毛を腹部に生やしている
普段は土の中で暮らし地中から奇襲で獲物を仕留める
木の上や地上で素早く移動し、鋭い爪とアゴ、魔術に糸と
多彩な技で戦う
スキル
<土魔術>
<噛み付き>
<軽業>
<奇襲>
<隠密>
<溶解液>
<罠>
<糸>
ステータス
<生命力> 300
<魔法力> 300
<筋力 > 13
<防御力> 8
<智力 > 13
<素早さ> 18
<器用さ> 19
<精神力> 10
<運 > 10
二頭蜈蚣 LV.1
二つの頭を持つ蜈蚣。巻き付きと強力な毒で敵を仕留める
非常に獰猛で何でも食べる
スキル
<威嚇>
<噛み付き>
<捕縛>
<毒>
<気配>
<奇襲>
<頑丈>
<捕食>
ステータス
<生命力> 500
<魔法力> 50
<筋力 > 19
<防御力> 18
<智力 > 5
<素早さ> 10
<器用さ> 16
<精神力> 8
<運 > 10
おおぅ、巨大昆虫に懐かれるのは、少し恐怖を感じる。しかし、よく見ればそのつぶらな瞳が可愛く思えなくもない。というか、そんな厳つい容姿なのに甘えん坊なんですね。
《名前を付けてください》
おっと、名前を付けねば、まずは土蜘蛛から。
《飛梅》
ピョンピョン飛び跳ねてティルダとじゃれ合っている。ホントにじゃれてるだけかなのか、獲ろうとしてないよね、紅い目が怖いのだが。
《名前を付けてください》
次は双頭蜈蚣。
《ギフトス》
ドイツ語で毒はギフトという、英語では贈り物っていう意味なんだけどね。面白い、けど考えようによっては少し怖いね。そんなギフトスは右の頭にリーラをのせて、左の頭ほうは私の胴体に巻き付いている。脚が腋にあたってくすぐったい。
よし、これで壁役、前衛、遊撃、後衛一通り揃ったわけだ。これで安心だね。
再度狩りに行く前に民家の探索をしよう。ありがたく頂戴いたします。何があるかな。
民家なだけに生活用品が主だったが、待望の逸品を手に入れた。
〔中級織機〕
レア度:D 品質:D
若干高級な機織り機
〔初級裁縫セット〕
レア度:E 品質:D
習い始めの人用
これは、まさに天の恵み、かと思ったが糸がない。今まで探してきたが殆どない。〔磔蜘蛛の撚糸〕があるが、太すぎて使えないだろう。
どうしようかと頭を抱えていると、ふと思い出す。
「ティルダ、糸って出せるかな、出せたら出してみて」
頭の上に乗っていたティルダが、ぱたぱたと目の前の机に降り立ち、お尻から白い糸を紡ぎだす。
「おお、その調子でガンガン出しちゃって」
それを見ていた、飛梅も机に飛び乗りお尻から、白い糸を出していく。
「よし、しばらくはお願いね」
糸はあの二匹に任せて、私は武器を作ろうかね。あの〔血狂い蟷螂の棘鎌〕でもう一対の鎌を作って、杖も作ってみよう。
〔血狂い蟷螂の棘鎌〕
素材アイテム レア度:B
血狂い蟷螂の前肢。
このままでも十分武器として活用できそうだが
鎌の刃以外のところには大小さまざまな棘が
生えているため何らかの加工は必要
いつみても厳つい。棘付のメイスに鎌の刃が着いたみたいな。まずは柄の部分の小さい棘をなくそう。あとは、柄にはさっき取った〔林虎の毛皮〕を巻きつけよう。なめしてはいないが、大丈夫だと思う。しっかりと固定して、完成。
〔血狂いの棘鎌〕
フウカ作 鎌 レア度:B 品質:E
攻撃力:28+8 耐久値:90
重量:4
特殊効果:出血確率(中)
気絶確率(微)
血狂い蟷螂の前肢である棘鎌をもとに作られた
鎌ではあるが殴打武器にもなる
《<武器(木工)>がレベルアップしました》
うん、凶悪な代物ができた。品質と耐久値が低いのは、私の腕と毛皮をなめしていなかったからだろう。加護の効果での三割増しを足して攻撃力:37か。初心者が持つような武器ではないよね。さらに五割も加算される。そういえば確認していなかった。早速、装備して確認。
〔血狂いの棘鎌〕
フウカ作 鎌 レア度:B 品質:E
攻撃力:28+26 耐久値:90
重量:4
特殊効果:出血確率(中
気絶確率(小)
血狂い蟷螂の前肢である棘鎌をもとに作られた
鎌ではあるが殴打武器にもなる
おおぅ、合計で攻撃力:55か素晴らしい。何気に気絶確率も(微)から(小)へとアップしている。そうだったね、装備の効果が増加されるんだったね。
よし、もう一振り作ろう。若干重めだから使いどころは限られるが<奇襲>と合わされば相当なダメージが入るだろう。
《<武器(木工)>がレベルアップしました》
順調だな。お次は杖だが、素材屋ではこんなものが見つかりました。
〔枝七節の頭部〕
素材アイテム レア度:F
枝七節の頭部
ただの頭だ。枝という割には太めだ。ぎりぎり指が回るくらい。五十センチはあるな。太めの杖ができそうだ。
「【触媒化】」
【触媒化】は杖などの魔法触媒を作る際に使う技能だ。攻撃力ではなく魔法威力が表示される。七節の頭部に青白いラインが不規則に入っていく。
〔七節の短杖(魔力石・小)〕
フウカ作 杖 レア度:E 品質:C
魔法威力:10+3 耐久値:60
重量:1
少し太めの短杖
魔力石により威力が底上げされている
さっそく装備して、加護の分と合計で魔法威力:19となった。これでも高いほうだと思うのだが、いささか麻痺しているようだ。糸班はどうかな。
糸班はというと双頭蜈蚣のギフトスが手伝っていた。左右に分かれてひとつはティルダ、もうひとつは飛梅の出した糸を器用に丸めている。説明欄には獰猛とか書いてあったんだが、意外といい子のようだ。
〔陽蝶の糸〕
素材アイテム レア度:C
本来陽蝶が敵の動きを封じるための糸
そのため細いが非常に丈夫で切れにくい
〔土蜘蛛の縦糸〕
素材アイテム レア度:C
土蜘蛛が罠を張るために使う糸
伸縮性があり丈夫
結構な量の糸が取れた。これで、上下一着くらいはできるんじゃないかな。染色はできないから白装束になるが。では、織っていきましょう。
ぎっこんばったん、ぎっこんばったん。
集中していると、いつの間にか夜になっていたようで、ティルダではなく見慣れない蛾がギフトスの頭にとまっていた。もう一匹の陰陽蟲で陰蛾と言ったか。体は白くふさふさで触ったら気持ちよさそうだ。翅は黒いが前翅に白い三日月模様があり、黒と白の境目に青白い光が煌めいている。
《名前を付けてください》
《ユエナ》
名前を付けた途端、私の胸に飛びついてきた。ふっさふさのもっふもふだ。ステータスはティルダとは何か違うのかな。
陰陽蟲 LV.13
陰蛾 「ユエナ」
陰蛾は夜にしか呼べない
明け方、夕方に勝手に陽蝶と交代していく
スキル
<鱗粉>
<水魔術>
<闇魔術>
<回避>
<気配>
<魔法力自然回復(小)>
<糸>
<吸血>
ステータス
<生命力> 230
<魔法力> 490
<筋力 > 2
<防御力> 10
<智力 > 27
<素早さ> 18
<器用さ> 11
<精神力> 20
<運 > 16
使える魔術が違うようだ。では夜の狩りと行きますか。
夜の森はかなり怖い。少しづつ少しづつ奥へと入っていく。登りやすそうな木を発見。私とユエナは木の上で待機し、飛梅とギフトスは地中へと潜っていく。さて何が来るかな。
〔オークソルジャー〕 LV.33
オークだ、定番だね。吊り上がった目で周囲を見渡し、フゴフゴ言っている。格上か。速攻でイケるかね。
棘鎌を用意して、そうだ今回は魔法を使ってみよう。では、戦闘開始。
自由落下で落ちていきオークの首筋へと二振りの棘鎌を振り下ろす。斬撃の跡が金色に光る。オークにはギフトスが巻き付き噛み付きまくっている。ユエナは水の槍、飛梅は土の礫を飛ばしている。私も少し距離を取り魔法を行使する。
「ポイズンショット」
約五秒の溜めと詠唱を終えて魔法力のゲージが少し減り紫色の毒の球がオークの顔面へと飛んでいく。うまく毒になったようだ、頭の上に毒状態を示すドクロマークが点滅している。
クールタイムも約五秒、次は雷魔法を試してみるか。
「エレキボール」
野球ボール大の電気の球が命中する。
「パラライズショット」
魔法と毒でかなり削ったと思うのだが、まだ斃れない。しかし、ギフトスの巻き付きとユエナと飛梅の糸で身動きできない状態だ。もう少しだと思うのだが。
「エレキボール」
何度目かのエレキボールが顔面に命中するとパリンと割れるような音。ようやく倒したかと思うと自分の魔法力のゲージはほぼない。ぎりぎりだ。しかし初撃の一発はかなり効いたな。それにうちの眷属たちは捕縛系が多いのもいいな、単体相手には有効だな。
〔豚人の肉〕
食材アイテム レア度:D
オークの肉
とれたアイテムはひとつだった。というか食べたくない。
《レベルアップしました》
《レベルアップによりステータスを任意で2箇所上げてください》
《<鎌>スキルがレベルアップしました》
《<二刀流>スキルがレベルアップしました》
《<隠密>スキルがレベルアップしました》
《<奇襲>スキルがレベルアップしました》
《<軽業>がレベルアップしました》
《<雷魔法>がレベルアップしました》
《<毒魔法>がレベルアップしました》
《<消費魔法力軽減>がレベルアップしました》
《<眷属>の「ユエナ」がレベルアップしました》
《<眷属>の「飛梅」がレベルアップしました》
《<眷属>の「ギフトス」がレベルアップしました》
私と<鎌><二刀流><奇襲>とユエナはLV.15に<隠密>はLV.9に、<軽業><雷魔法><毒魔法><消費魔法力軽減>と飛梅、ギフトスはLV.7になった。
種族
<蟲人(蟷螂)Lv.15>
ステータス
<生命力> 330
<魔法力> 90(+30)
<筋力 > 27(+1)
<防御力> 10
<智力 > 10
<素早さ> 16(+1)
<器用さ> 24
<精神力> 10
<運 > 40
スキル
<鎌15>
<二刀流15>
<隠密9>
<奇襲15>
<鑑定2>
<軽業7>
<看破2>
<雷魔法7>
<毒魔法7>
<消費魔法力軽減7>
しばらくは、魔法力を伸ばしていこう。眷属たちはどんな感じかな。
陰陽蟲 LV.15
陰蛾 「ユエナ」
ステータス
<生命力> 230
<魔法力> 490
<筋力 > 2
<防御力> 10
<智力 > 30(+3)
<素早さ> 18
<器用さ> 12(+1)
<精神力> 20
<運 > 16
土蜘蛛 「飛梅」 LV.7
ステータス
<生命力> 330(+30)
<魔法力> 330(+30)
<筋力 > 16(+3)
<防御力> 10(+2)
<智力 > 15(+2)
<素早さ> 20(+2)
<器用さ> 20(+1)
<精神力> 10
<運 > 10
二頭蜈蚣 「ギフトス」 LV.7
ステータス
<生命力> 560(+60)
<魔法力> 50
<筋力 > 23(+4)
<防御力> 20(+2)
<智力 > 5
<素早さ> 12(+2)
<器用さ> 16
<精神力> 10(+2)
<運 > 10
結構な戦力アップじゃないかな。LV.15になったからまた眷属を召喚できる。
もどって召喚だ。よし帰ろう。