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美女が魔蟲  作者: 森山明
7/33

よろしくおねがいします

 ご飯を食べしばらく病室の中をうろちょろしてリハビリとしよう。補助をもらい歩こうとするがなかなか思い通りに動いてくれない。もどかしい。歩くのがこんなに大変だったなんて、新発見だね。


 寝たきりではいけないので軽く上半身は筋トレをする。思い切り動き回りたい。こんな時はどうしましょう。うん、こうしましょう。


「オモイカネ、起動、ブレイブソウル」


 現実世界で一時間ほど過ごしたから、ゲームでは四時間ほど過ぎている。早速リーラが左腕へとしがみつき甘噛みしてくる。寂しかったのか。かわゆいやつ。


 さて、そろそろ外の様子でも見てこようか。モンスターの強さが分からないのでは、これからの指針が立たない。状況次第では引き籠りもありうるのだ。それだけはなんとしても避けたいがね。


 早速、〔首切りの鋸鎌〕を装備して、スキルも戦闘用にセットする。いざゆかん。



スキル

 <鎌1>

 <二刀流1>

 <隠密1>

 <奇襲1> 

 <鑑定1>

 <軽業1>

 <毒魔法1>

 <雷魔法1>

 <消費魔法力軽減1>

 <看破1>


 控え

 <刺繍1>

 <弓1>

 <武器(木工)3>

 <防具(布)1>

 <機織り1>


装備

 武器

  右1<首切りの鋸鎌>

   2<初心者用枯れ木の杖> 

   3< >

  左1<首切りの鋸鎌>

   2< >

   3< >



 スキルセットのためにステータスを開いて気付いたが、まだ<眷属>を試していない。うかつ。


「【眷属召喚】」


 そう言葉を発すると、目の前にウィンドウが現れた。どうやら召喚可能な眷属のリストのようだ。


 ・陰陽蟲

 ・土蜘蛛

 

 今はこのふたつのようだがどうしようか。土蜘蛛は蜘蛛だと分かるが陰陽蟲ってなんだ。能力的なものは見れないらしい。うん、陰陽蟲、キミにしよう。何が出るのかなぁ。


「陰陽蟲、召っ喚っ」


 両手を空に掲げ大袈裟に言ってみる。なかなかどうして気持ちのいいものだ。


 地面に魔法陣が浮かび穴が開く。すると何かが飛び出してきた。そいつは私の目の高さ位をパタパタと翅をばたつかせながら飛んでいる。アゲハチョウかな。あ、リーラも飛んでいった。遊んでる間に能力を確認せねば。



陰陽蟲 LV.1

 陽蝶と陰蛾の一対の魔物。

 日中は陽蝶、夜は陰蛾と行動時間帯ははっきり分かれている

 そのため、同じ場所で暮らし共存している


 陽蝶

  陽蝶は日中にしか呼べない

  明け方、夕方に勝手に陰蛾と交代していく

スキル

 <鱗粉>

 <火魔術>

 <光魔術>

 <回避>

 <気配>

 <魔法力自然回復(小)>

 <糸>

 <吸血>


ステータス 

 <生命力> 200

 <魔法力> 400

 <筋力 >   2

 <防御力>   7

 <智力 >  20

 <素早さ>  13

 <器用さ>  11

 <精神力>  19

 <運  >  10



 ほう、昼と夜で違うのか。経験値とかはどうなるんだろう。レベルは陰陽蟲のところにあるから同じなんだろう。


 この陽蝶は見た感じアゲハチョウなのだが体は黒いが翅は白い。その白い前翅にはひとつ黒い斑点がある。よく見ると、黒い斑点と白い部分の境目にオレンジ色の何かが揺らめいている。綺麗だ。


 だが、デカい、翅を入れたら一メートルはある。気になるところと言えばスキルの<吸血>だが、いったいどうやって。その口吻でチューチューと吸うのだろうか。


《名前を付けてください》


 どうしようか、名前はこの陽蝶だけのようである。


《ティルダ》


 よし、これでいいんじゃなかろうか。太陽っぽい名前だ。


 よろしく、ティルダ。キミは頭の上が気に入ったのか。


 門につきやっとフィールドに出ることになったのだが。リーラはここまでだ。左腕から飛び立ち、飛び回っている。キューキューと鳴き、応援しているようだ。ありがとう、待っててねリーラ。いってきます。



 壊れた門を抜け、背の高い草をかき分け進むと急に視界が開け、そこは深い森の中だ。


『深森』


 どうやら名前付きのフィールドではないらしい。それだけでも助かる。


 うろうろするよりも、隠れてじっと待つほうが良いだろう。木に登るのなんて何年振りだろうか、ワクワクしてくる。さて、なにがくるかな。


〔グロウブタイガー〕 LV.38


 私の真下に来たのはこいつだ。動物園で見たトラより少し大きい。勝てるかね、レベル差かなりあるけど。まだ気づかれてはいないから、<奇襲>に種族特性の<不意打ち時クリティカル率上昇>が重なれば結構削れるはずだが。クリティカルはあまりあてにしないほうが良いかもしれない。杖は腰にささっている、奇襲後は距離を取って毒魔法を使うか。いや、そのまま攻撃しよう。詠唱がどのくらい掛かるか分からないし。まあ、ティルダもいるし魔法は任せよう。死んでも大丈夫、痛いだろうけど本当に死ぬわけではない。これは、威力偵察だ。よし、では戦闘開始。


 静かに深呼吸をし一旦呼吸をとめ首元に狙いを定める。自然に落ちるかのように枝から飛ぶ。左右の鎌を振り上げる。まだ、グロウブタイガーは気付いていない。袈裟ぎり振り下ろされる二振りの鎌。すんでのところで本能が危険を察知したのか、右へ跳ぼうとする。がしかし、遅かった。


「ンッシャーッ」


 二振りの鎌がグロウブタイガーの首へと食い込む。それと同時に息を吐き出しながら力の限り引き切れば、首から大量の血の霧が噴出し消えていく。斬撃の跡が金色光ってグロウブタイガーが怯んでいるいる。クリティカルが出たようだ。休んでいる暇はない。追撃だ。


 スピードは低めだからどっしりと腰を据えて鎌をぶん回す。心は熱く頭は冷ややかに。きちんと刃筋を立てて引き切る様に、切り刻む。ティルダはというと上空から<糸>と<鱗粉>を使って動きを封じようとしている。現在は<鱗粉>による効果からか麻痺状態だ。状態異常攻撃らしい。ナイスだ、ティルダよ。


 もはやサンドバッグ状態のグロウブタイガー。陸からは翠の翅を広げたカマキリ美女に切り刻まれ、空からは毒の粉をまき散らす蝶に炎の矢で穿たれる。麻痺が解けたら糸が絡まり、糸を無理矢理切ればクリティカルで怯まされ、その隙にまた麻痺に掛かる。しかも、出血状態による俊敏性の低下と継続ダメージつき。始めの一撃がモロに入ったのが痛かった。完璧にハマってしまった。


 唐竹に首を切りつける。斬撃の跡が金色に光ると、パリンッと何かが割れる音がした。どうじに目の前のグロウブタイガーが一瞬、ピンッと体を硬直させた後力なく倒れていった。


《レベルアップしました》

《レベルアップによりステータスを任意で2箇所上げてください》

《<鎌>スキルがレベルアップしました》

《<二刀流>スキルがレベルアップしました》

《<隠密>スキルがレベルアップしました》

《<奇襲>スキルがレベルアップしました》

《<軽業>スキルがレベルアップしました》

《<看破>スキルがレベルアップしました》

《<眷属>の「ティルダ」がレベルアップしました》


 レベルアップか、妥当だよね。いや、しんどかった。ってまだログが続いてる。レベル差を考えれば当然かな。どれだけ上がるのだろう、なんせ、LV.38だったのだ。


《レベルアップしました》

《レベルアップによりステータスを任意で2箇所上げてください》

《<鎌>スキルがレベルアップしました》

《<二刀流>スキルがレベルアップしました》

《<隠密>スキルがレベルアップしました》

《<奇襲>スキルがレベルアップしました》

《<眷属>の「ティルダ」がレベルアップしました》


 よしよし、ってこれってひとつに上がるごとに出るのかな。


《レベルアップしました》

《レベルアップによりステータスを任意で2箇所上げてください》

《<鎌>スキルがレベルアップしました》

《<二刀流>スキルがレベルアップしました》

《<隠密>スキルがレベルアップしました》

《<奇襲>スキルがレベルアップしました》

《<眷属>の「ティルダ」がレベルアップしました》


 うん、わかった。どれだけ続くのだろうか、うれしい悲鳴だ。終わるまでティルダを愛でよう。


 ………………。


《レベルアップしました》

《レベルアップによりステータスを任意で2箇所上げてください》

《<鎌>スキルがレベルアップしました》

《<二刀流>スキルがレベルアップしました》

《<奇襲>スキルがレベルアップしました》

《<眷属>の「ティルダ」がレベルアップしました》


 ん、終わったみたいだ。結局自身のレベルと<鎌><二刀流><奇襲>、ティルダはLV.13まで上がった。<隠密>はLV.5まで、<軽業>と<看破>はLV.2まで上がったのだが、上がり過ぎではないかな。一戦でレベルが二桁行くとは思わなんだ。


 あぁ、思い出した。【初心者経験値ボーナス】というものがあったんだ。ゲーム時間でキャラ作成後七日間だけ、レベル一桁のプレイヤーに適用されるものだが、今回はそれが功を奏したのだろう。


 とりあえず、アイテムを得ないと。斃れているグロウブタイガーに鋸鎌をあてると、光の粒子になって散っていく。さて、なにがでるかな。


〔林虎の毛皮〕

素材アイテム レア度:D


グロウブタイガーの毛皮

毛皮のみの姿ではあるが、森の狩猟者

たる威厳に満ちている

なめす前のもの



〔魔力石・小〕  

触媒 レア度:E


加工すれば魔法の威力上昇や

魔法力の貯蔵タンクとなる



 うん、〔魔力石・小〕は嬉しいな、魔法力が少ないからね。〔林虎の毛皮〕は必要ないからいつか売ろう。いや、絨毯にしてもらうのもいいな。ぜひ暖炉のまえに置いておきたい。


 よし、帰って里長の家にてゆっくり確認しよう。


 ただいま、リーラ。よし、帰ろうか。その前に、リーラとティルダよ、私の頭の上でじゃれ合わないでね。


「よおし、まずは自分のステータスから上げましょう」


 悩む、長所を伸ばすべきか短所を補うか。最低でも二桁にしよう。


 とりあえず、上げてみました。


種族 

 <蟲人(蟷螂)Lv.13>


ステータス   

 <生命力> 330(+30)

 <魔法力>  60(+30)

 <筋力 >  26(+6)

 <防御力>  10(+1)

 <智力 >  10(+5)

 <素早さ>  15(+6)

 <器用さ>  24(+2)

 <精神力>  10

 <運  >  31



スキル

 <鎌13>

 <二刀流13>

 <隠密5>

 <奇襲13>

 <鑑定2>

 <軽業2>

 <毒魔法1>

 <雷魔法1>

 <消費魔法力軽減1>

 <看破2>



 よし、結構上がったね。<運>は勝手に上がっていくようだ。生命力と魔法力はひとつにつき(+15)となる。できるだけ、長所を伸ばすことにしよう。あのグロウブタイガーがここでどういう立ち位置かは分からないが、強いことにはかわりない。魔法はあくまで補助みたいなものだ。


 次は、ティルダの確認をしよう。


陰陽蟲 LV.13


 陽蝶 「ティルダ」


スキル

 <鱗粉>

 <火魔術>

 <光魔術>

 <回避>

 <気配>

 <魔法力自然回復(小)>

 <糸>

 <吸血>


ステータス   

 <生命力> 230(+30)

 <魔法力> 490(+90)

 <筋力 >   2

 <防御力>  10(+3)

 <智力 >  27(+7)

 <素早さ>  18(+5)

 <器用さ>  11

 <精神力>  20(+1)

 <運  >  16


 よし、これでいいだろう。魔法は大事なダメージ源だ。積極的に伸ばそう。


 あとは、<眷属>の追加だ。なにを召喚しようかなぁ。




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