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美女が魔蟲  作者: 森山明
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21

よろしくお願いします

 武器制作後に少しお茶をした後に『深森』を西方面に進んで、弓のスキルレベルを上げている。基本は最初に一射放ちすぐさま接近して仕留めるのだが、レベルが上がるにつれて一撃で仕留められる回数が増えていった。


《レベルアップしました》

《レベルアップによりステータスを任意で2箇所上げてください》

《<弓>がレベルアップしました》

《<奇襲>がレベルアップしました》



 数匹グロウブタイガーを仕留め、自分のレベルと奇襲は一回、弓は八回レベルアップを果たした。ほぼ弓だけを使っていたのでほかは伸びないようだ。


種族     

<蟲人(蟷螂)Lv.31(+1)>


ステータス   

<生命力> 435

<魔法力> 150

<筋力 >  32(+1)

<防御力>  12

<智力 >  12

<素早さ>  20

<器用さ>  30(+1)

<精神力>  12

<運  >  86



スキル

<鎌27>

<二刀流27>

<隠密27>

<奇襲25>(+1) 

<投擲17>

<軽業26>

<看破12>

<雷魔法19>

<弓9>(+8)

<回避2>

<消費魔法力軽減21>


控え

<刺繍5>

<解体1>

<直観1>

<鑑定10>

<武器(木工)11>

<防具(布)6>

<機織り20>

<毒魔法21>




 確認を終えこそこそとリリーちゃんと二人〔中級隠蔽シート〕を被りながら探索を進めていくと川が見えてきた。水場は生き物が集まるというがいくら待っても何も来ない。


「フウカさん、対岸の崖になっている部分に大きな穴があります。何かあるかもしれないですよ」


「ん~確かに怪しい。もうちょっと近づいて様子見てみようか」


 私は穴のほぼ正面にある木の上で見下ろし、リリーちゃんは私の右斜め前の窪地に伏せて穴周辺を警戒していたが、中の様子が見えるわけでもなく何が入っていくわけでもなしで、ここでこうしていても埒が明かない。


「リリーちゃん、そっちはどうかな。私のところは何もなかったけど」


 静かに降りてすぐに伏せる。リリーちゃんの隠蔽シートに潜り込もうとしたが手の甲をつねられた、めちゃくちゃ痛い。


「そちらもですか、こちらから見ても異常はなかったですね、どうされますか?」


「もちろん入りますとも。怪しすぎる、何かお宝があるかもしれないしね」


 その後また少し様子を見て、対岸と言うこともありリリーちゃんを抱きかかえてひとっ跳び。慣れたのか前ほど悲鳴を上げなくなった、つまらん。



 穴の中はどうなっているのか全く分からないのでとりあえず、ティルダと飛梅、ギフトス、グロリア、重位を召喚する。雷電は歩くと五月蠅いからもしもの場合まで待機してもらおう。尚香は飛び回れないところでは不利だから呼んではいないのだが、重位はまだ一回もレベルアップしてないのでかなり心配だ。


『蛇の洞』


 一歩踏み入れたらこんなのが表示されました。どうやらフィールドだったようだ、しかも名前付きの。中の様子は意外と明るい、地面や壁、天井に光る苔や石が散らばっているのでよく見える。


 先頭はギフトスなのだが心なしかいつもより気合が入っているようだ。まあムカデが好きそうな暗くてジメッとした場所ではあるかな。ちなみに殿は重位、硬い甲殻もあることだし大丈夫だろう。


 しっかり確認しながら進んでいくが、敵が全然いない。前々から思っていたがこのゲーム、エンカウント率が低いと思うのだが。とか考えていたらギフトスが突然止まりなにやら警戒している。


 〔イワヘビ〕 LV.35


 イワヘビ、名前の通り表面が岩のようにごつごつしていてとても固そうだ。ギフトスが絡み合っているが長さ的にギフトスには及ばないがかなり太い。締め上げきれていないようだがリリーちゃんと重位が飛び出し滅多切りにしあっという間に戦闘終了、私の出番はなかったな。


《<眷属>の「ギフトス」がレベルアップしました》

《<眷属>の「重位」がレベルアップしました》



 最初のイワヘビ戦から数戦したのだがほとんど私の出番はない、ギフトスがいきなり行動不能に陥らせているのもその一因だが、とにかくリリーちゃんが強いのだ。


 彼女のレベルやステータスを確認したことはないがこうして強さを目の当たりにするとどうしても気になってしまう。これが終わったら聞いてみようかな。


 重位は各戦闘ごとにレベルアップを果たしている。なぜほかの眷属たちが成長していないのかと言うとわざと手を出させないようにしている。一番成長してもらいたいしね。


 ギフトスは一回、重位は十回レベルが上がった。


 <ギフトス(双頭蜈蚣)LV.26(+1)>


ステータス   

 <生命力> 680

 <魔法力>  80

 <筋力 >  30

 <防御力>  26

 <智力 >   6

 <素早さ>  19(+1)

 <器用さ>  20(+1)

 <精神力>  13

 <運  >  27



 <重位(足軽甲蟲)LV.11(+10)>


ステータス

 <生命力> 730(+30)

 <魔法力> 100

 <筋力 >  22(+2)

 <防御力>  22(+2)

 <智力 >   7

 <素早さ>  14(+2)

 <器用さ>  13(+2)

 <精神力>  15

 <運  >  19



 重位の戦いぶりは凄まじく、四つの肢に持った剣で切り刻んでいる。両手剣を片手で振り回していて初めはリリーちゃんやギフトスに当てるんじゃないかと肝が冷えたのだが、よく見ると周りの状況に合わせて上手に使いこなしている。私がいろいろ生産している間にリリーちゃんにしごかれていたが効いたのだろうがレベルでは測れない強さがあるということだろう、これは肝に銘じておかなければいけないね。油断大敵。


 いくらか戦闘をこなしていたはずなのだが未だにアイテムを落としてくれない。<解体>をセットしてないのが大きいのだろうか、なんせ何が起きるか分からないのでいろいろ外すわけにはいかないからだ。もっとスキル枠多くしてもらいたい、切実な願いだ。


 順調に進み少し開けた場所に出た。鍾乳洞のように白い鍾乳石が多く乱立し、地面は水が溜まっている。もしかしてここはボスのお部屋でしょうか。奥にある一際大きな穴に何かがうごめいている。


〔バジリスク〕 LV.42


 デカい、長い、堅そう。見たまんまの率直な感想だが、これに尽きるだろう。十メートルはある灰色の体をくねらせこちらへと近づいてくる、頭はなんだか刺々しい。


 強いな、しかもバジリスクって石化しちゃうやつでしょ。どうしよう、いやまあ、逃げられないのですがね。


「来い! 雷電」


 結構広いので尚香でもいいかなと思ったのだがめちゃくちゃ堅そうな外見だ。尚香の攻撃では通らないだろう。


 前面で雷電と重位が気を引き付けて、ティルダと飛梅が魔法で足止めしている。その隙に私の横へとリリーちゃんが走ってきた。


「くっ、まさかバジリスクの巣だとは思いませんでした。フウカさん気を付けてください、奴の眉間の間にある縦の切れ目、あれが開くと三つめの瞳がありますがそこから出る光に当たると石化してしまいます」


「光ねぇ、見られただけで石化しないだけましかな。避けれる自信はあるけど、雷電と重位は厳しいかもね。ありがとう、リリーちゃん」


 であればあの瞳をつぶすのが急務だが、開けさせないようにチクチクと苦無でも投げていきましょうかね。あとは敵さんの防御力を下げていこうか。


「スポイルミスト!」


 腐敗の霧に体の一部が覆われている。デカすぎてすべてを覆えていないがまあいいだろう。見えないよりはだいぶいいからね。


「リリーちゃんはあの霧で覆われている部分を重点的に狙っていって! 私が敵の目を潰すから! 」


「わかりました! くれぐれも気を付けてくださいっ」


 リリーちゃんの後に飛梅が付き従い駆けていった。私はと言うと苦無を投げつけながらバジリスクへと近づいていく。敵の首元を見るとギフトスが巻き付いているがあまり効果はないようだな、申し訳ないが尚香と交代させようかな。


「お疲れ、ギフトス! 来い! 尚香」


 ギフトスが地面の魔法陣に飛び込んだと同時に別の魔法陣が現れて尚香が勢いよく飛び出してくる。


「尚香はあの切れ目を集注して攻撃して。雷電! とりあえず口吻で叩き付けて押さえろ! 」


 私の言に任せとけとばかりに敵に特攻する尚香と淡々と首に近いところを殴りつけていく雷電。重位はしっぽ付近を親の敵とばかりに斬りつけ、リリーちゃんと飛梅は胴部を攻撃している。ティルダは遠くから全体的に魔術で支援、グロリアはバジリスクの目の前をちょろちょろ飛び回りながらみんなを回復させいる。みんな頼もしいな。


「エンチャントサンダー」


 私は縦横無尽に飛び回りながら頭を重点的に斬っていく、蛇というのは厄介なものでくねくねしていてやりにくい。重位は何度かしっぽに叩き付けられているしリリーちゃんは体当たりされている。まあ、くらった瞬間にグロリアがすっ飛んできて回復させているわけだが。


 顔方面は口を開ければコブラのようにおそらく毒と思われる液体を飛ばしてくる。その液体が当たった壁が煙を上げながら溶けていった、どんな体の構造してるんだろ、牙とか溶けないのかね。


 雷電の攻撃が効いているのか標的を雷電へと切り替えてきた。口を大きく広げ鋭く尖った牙を剥き出しにして噛み付いていった。


「雷電!? グロリア早く回復を!」


 今までどんな攻撃を食らってもびくともしなかった雷電を持ち上げ叩き付けた。生命力を一気に三分の一も削ってしかも毒のおまけまでつけてきた。


 体をくねらせ鍾乳石を弾き飛ばしながらとぐろを巻いていく。鎌首をもたげ口を開き威嚇してるのだが、様子がおかしい。先ほどまでは灰色のごつごつした鱗だけだったのだが、鱗と鱗の間に紫色のラインが浮き出ている。そして眉間の縦に割れた瞼からは白い光の粒子がこぼれ出ている。


「もう少しで終わるのは有難いけど、石化が怖すぎるな」


 にらみ合いが続きどちらとも動けずにいた。先にしびれを切らしたのはバジリスクのほうだ。天上を見上げれば先程から漏れ出ていた白い光がより一層輝きを増していく。


「みんな気を付けろ! あれに当たってくれるなよ!」


 一斉に翅を広げ飛び立つ構えを取る我が眷属たち。雷電は猛烈な勢いで羽ばたかせていた。大丈夫かな? ここは信じていきましょう。


 バジリスクが顔を横へと倒しおそらく瞳が開いたのだろう壁が灰色へと変わっていく。そのまま横へ薙いでいくつもりだろう、ゆっくりと石化の光が近づいてくる。これだったら避けられるだろう。


 意外と隙だらけなのでみんなで一斉に懐へと飛び込んでいく。意外にも速かったのは雷電だ。小回りは効かないが大砲のようにぶつかっていった。その衝撃で石化の光が止まったようだ。


 これはイケるかもしれないと思っていたが、体中にある紫のラインから毒液をまき散らしてくるので近づこうにもなかなか近づけない。


 どうしようか、またもや睨み合いへと戻ってしまった。

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