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第3話 俺、イライラする。

第3話 俺、イライラする。



 ログアウトしてからは掲示板で色々な情報を集めた。ソロプレイ縛りでやっているつもりはないが現状ソロなので情報収集は掲示板などでしなければおいて行かれる。

 主に掲示板で話されている内容は【草原】【森】【鍛冶】【PET】の4種類である。

草原についての話をまとめると

・PTでの狩場独占しているプレイヤーがいたら全員で潰す

・出現モンスターの一角兎はまれに HP+20,MP+10 の指輪を落とす

・草原のモンスターは全部PETになりやすい

という事らしい。やはり狩場独占は良くないよね。それにしても中々有用な指輪をドロップするらしい。敵が弱いためすぐ人がいなくなると思っていたが案外草原で過ごすプレイヤーはまだ多いのかもしれない。このことに関しては森に向かおうとしている自分にとっては嬉しい限りであるが。最後の情報はPETだが愛玩としてのPETとしては草原に出現するモンスターはいいかもしれないがこの先のことを考えると自分にはまだ関係のない話である。

森に関しては

・ゴブリンは5匹の群れを成している

・スライムは魔法で1発

・MPKしているプレイヤーがいる模様

との事。ゴブリンとスライムについては前に見た通りだったがどうやら迷惑プレイヤーがもう出てきているらしい。MPKとはモンスター(トレイン)プレイヤーキルのことである。モンスタートレインとはモンスターにわざと発見され大量のモンスターを釣り、他の狩りをしているプレイヤーにモンスターを擦り付けて自分は《隠蔽》や《高速移動》などで逃げて他のプレイヤーの邪魔をする行為である。プレイヤーが死ぬと全財産の半分のGがあたり一面にばら撒かれてしまうが、現状そんなことするより普通に狩りをして稼いだ方が良いため、迷惑極まりないプレイヤーである。しかしいくら調べても「スライムの体液」なんてワードは出てこなかった。レアドロップなのか条件があるのかわからないが大変なのは確か見たいだ。


「さてと、」


情報収集も終わったことだし今日の目標は【森】の探検である。できればゴブリンの群れと骸骨軍団で激しい戦いをしてほしいと思っている。ついでに昨日頼まれたスライムの体液も大量に入手たいところだ、まあ1日で到底できるとは思えないため、気ままに構えているが。


 町での移動中、犬や鳥、兎などたくさんのモンスターが人とじゃれ合っているのを見かけた。おそらくPET化したモンスターだろう。今のところ自分は愛する骸骨が20匹いるので必要じゃない。まあモフモフ系が欲しいのも確かではあるが。いざ出陣。


「おらっ」

「<ウィンド>」

「<突き>!」


【初心者草原】は思ったより広かった。しかも初日より増えてるんじゃないかというぐらい人が多かった。掲示板に乗っていた通り序盤としてかなり有用な指輪をドロップするとあって全員血眼になって兎を探している。若干兎もかわいそうである、こういう考え方がおそらく絶滅動物を生み出してしまうんだなと無駄に考えながら自分は自分の目標のために突き進む。リングも欲しいがまずは骸骨軍団の実力調査とユウに頼まれたアイテムの収集という事でここはさっさと【森】へ行くとしよう。


「ここか」


【森】は打って変わって静かで小さなエフェクトと思われる鳥が時々飛んでいた。ここでのモンスターはゴブリンとスライムらしい。さっそくスライムが現れた。


「えい」


うむ、鞭での攻撃はやっぱり吸収されてるみたい。


「<ファイア>」


すると1発で蒸発する。もちろんGは入るが素材となるアイテムは一切入らない。とりあえず《覗き》スキルでスライムを探しては燃やしを繰り返すが20匹狩っても一切素材をドロップしない。困った。さらにもう20匹狩るが出ない。これはどうやら条件でもあるようだ。


「<コール> 骸骨軍団」


憂さ晴らしに骸骨軍団全員召集。行け、我が僕よ、スライムを切り裂いてしまえ。・・・・・・10分後、底には無傷で斬られ続けるスライムと中々死なないスライムにイライラしている骸骨の姿があった。しかもスライムのHPは減っていない。どうやら自動回復が受けるダメージより早いみたいだ。流石の俺もキレる。


「しいいいいいいいいいいねええええええええええええええっ<ファイア>ああああああああああああ」


スライムは一瞬で蒸発し、跡形もなく消えた。全くユウのやつも面倒な仕事を押し付けてきたぜ。しかしおかしい。自分の称号「不運」のせいでさっきまではゴブリンが直ぐに襲い掛かってきたのに今では全然襲い掛かってこない。何かあったのかな?


「ん」


前方でいろんな色の魔法が放たれているのが分かる。《覗き》スキルを使用し目を凝らしてその方角を見るとゴブリンが20匹以上で集まってプレイヤー5人を囲んでいた。PTの構成としてはタンカー1人に前衛に大剣1人、、後衛に魔法使い3人だろう。ゴブリンはリンクモンスターだったのかな?と考えつつ少し近づいて戦闘を見学する。ちなみにリンクモンスターとは近くで戦闘していると近くに寄ってきて戦闘に参加してくる厄介なモンスターだ。タンカー2人で必死にゴブリンの攻撃を抑えて残りの3人で一気に逃げ道を作ろうとしているようだがこのままだと全滅であろう。基本的に放置でもいいがゴブリン20匹が固まったままと考えると【森】の探索に支障が出るため手伝ってやろう。


「加担する!タンカーは前衛の援護にまわってくれ!左半分のゴブリンは俺が受ける! コール ムサシ、骸骨軍団」

「一人で10匹なんて無茶よ、っうわ、」


さてと、さっきまでのスライム戦でストレスをためた20匹のお出ましだ。やっぱり他の5人は驚いてるか、あんまり目立つ行為はしたくなかったんだけどな。


「出撃!!さっきの怒りの全てをぶつけよ!!」


ゴブリン10匹と骸骨軍団20匹が戦闘を開始する。ゴブリンのランクは3~4なので1匹に2匹当たればそれなりに殲滅できる計算だ。一応骸骨のランクは5だったからな。格下相手に2匹がかりじゃ負けないだろう、というか勝ってもらわなきゃ困る。というか恐らく勝てる。骸骨たちはスライムに聞かなかった剣戟を惜しみなくゴブリンに披露している。


「さてと」


PTが対応している右側を見る。どうやらタンカーが戻ったことで魔法使いのうちの1人がヒーラーに回り何とかこなしているようだ。しかしMPも無限ではない。一気に殲滅して下がっている士気を上げなければ。


「<ドロー><バインド><ファイア><ファイア><ファイア>」


《鞭術》がSLv5になったときに取得したアーツ<ドロー>で敵の団体から1匹を引き寄せ<バインド>で縛って<ファイア>を連発する。骸骨よりランクが低いおかげで<ファイア>3発で倒すことができる。ゴブリンの動きは単調で、右手に持った棍棒を振り回しているだけなので通常なら困る相手ではない。しかしこうもゴブリンがたくさんいてはタンカーがいてもやられるのは時間の問題であろう。ここは連携して一気に倒すべきだと判断しPTに協力を求める。


「俺が敵を縛るからその隙に顔面に向けて攻撃してくれ!」

「了解した、すまない恩にきるよ。」

「お礼は後、全部倒してから、ん?」


『シンさんからPT申請がきました YES?NO?』届いたPT申請の画面が目の前に出現し、即座にYESを押す。


「PTに入ってもらえると助かる。ヒーラーの回復もしやすい!」

「了解した。」


PTに入るとその人が自分で登録しているメイン職業が分かる。タンカーのタク、大剣がシン、魔法使い<風>がエリザで<火>がルート、ヒーラーがスイだ。自分はというとしっかりネクロマンサー ノナメ と表示されていた。まあ自分で登録したからな。自分の視界の右上には骸骨たちのLvアップを知らせるメッセージが大量に届く。おそらく次々倒して行ってるのだろう。こちら側も負けてはいられない。


「<こっちだ!!>」

「<バインド><バインド>」

「<ブレイブ>」「<ウィンド>」「<ファイア>」


タクが《挑発》で敵を引き受け、はぐれているゴブリンを自分が<バインド>、動きが止まったゴブリンをシン、エリザ、ルートが潰す。このPT中々強いみたいだ。特にシンの大剣は見たところ店売りではないので恐らく知り合いの鍛冶師に作ってもらった品であろう。ゴブリンをアーツ2発で倒してしまう攻撃力は鞭にはないので少しばかり羨ましい。スイはいざという時のためにMPを温存しながらも様子を見て<ヒール>をかけている。

 順調に相手の数を減らしていき、残り5匹となったころ、骸骨軍団もこちらの応援に駆け付けた。見るとムサシはLvが11まで上がっている。他の骸骨よりLvアップの速度が速いのはなぜだろうか。しかもムサシは剣に薄い黒のオーラを纏わせ、独楽のように回転しながら敵を切り裂いている。どうやらアーツを使用しているようだ。これは素晴らしい発見だ。もっと原因などを調べなければ。骸骨軍団が到着すると後は数の暴力、骨がゴブリンに群がり埋め尽くす。PTの他のやつらなんかポカーンとしながら成り行きを見守り、スイが時々<ヒール>で傷ついた骸骨を回復させている、ありがたい。

 骸骨軍団が到着してからは簡単に殲滅が終わった。やはり数の暴力は偉大である。


「助かった。ノナメさん、おかげで死に戻りしなくて済んだ。改めて礼を言う」

「いえいえ、ところでゴブリンはリンクモンスターなのですか?」

「いいえ、フードをかぶったプレイヤーがトレインをしていて偶々それに引っかかってしまって…」

「なるほど、MPKですか・・・。」

「ところで死霊術って確か《死霊術SLv》-30 = テイム可能モンスターランクじゃなかったか?」

「え?実際テイムできてるしその式は間違いなんじゃ?」

「いや、他の死霊術士も試してみたけどやはり無理でしたわよ」


ふーむ、なぜだろう、思い当たる節が1つだけ『ピンポーン ザッツライト!不運の効果はモンスターに懐かれやすいだからね。隠しパラメータの好感度が・・・・・の問題でテイムできちゃうのです。どうだい?うれsh』なるほどやはりこいつか。つーかこっちはゲームを優雅に楽しんでるのだから隠しパラメータの存在とか普通にばらさないでくれ。はぁ、しょうがないが今は事実を伝えるしかないかぁ。


「あー、この称号のせいだ。これこれ 『不運』 」

「なんだこの称号、なになに? ・・・懐かれやすい?」

「つまり?」

「まあテイムの条件がガクッと下がってるみたい。でも隠れて行動していても壁越しにモンスターには発見されるし、かなりの距離があってもよってくる。おまけに遭遇率3倍のせいで戦闘回数が大変だよほんと。そのせいで昨日は骸骨まみれに・・・」

「へぇ~、、、でもでも!考えようによっては釣り要らずのテイムマスターってことね。それってレベリングにすごい便利じゃない!」

「自分にとっては苦痛でしかないが、、運営はいつか潰そうと思ってるよ。」

「目が怖いわよあなた。」


実際運営は絶対潰そうと思うよ。いかなる手段を用いても『怖~い☆』、勝手に人の心の声すら読むのはいいのか?『特権よ』絶対覚えていろ、いつか殴り飛ばしてやる『ちょっと~ 脅迫さr』さてと、無駄道したけど今日は探索だからな、先に進むか。


「僕たちは一旦町に戻ろうと思うんだけどノナメさんは?」

「俺はもうしばらく探索するよ。ついでにトレインしているプレイヤー見つけたら捕まえて制裁も与えたいし」

「あなたさらっと怖いこと言うわね」

「いや、冗談さ冗談 フフッ」

「・・・。」

「じゃ、じゃあ私たちは帰るわ。気を付けてね」

「うむー、またいつか」

「そうだ、フレンド登録してくれ 俺は大剣使いを目指しているシンだ」

「俺はネクロマンサーのノナメだ。よろしく。」

「僕はタンカーのタクで」「私が風魔法使いのエリザ」「・・・。」「私がヒーラーのスイです。あ、ルートは声小さいけどたぶん火魔法使いって紹介してると思うよ。」

一応全員分のフレンド登録を受ける。


「じゃあね~」「ばい~」

「じゃ」


さて、もう一仕事しますか。



@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

シンサイド


「くぅ・・」


現在の【】の中でも一応はトップ組と呼ばれる中に位置する自分たちのPTではあったがゴブリン相手に苦戦を強いられていた。念のため言っておくが通常通りの5匹程度の群れならいつもの連携で狩ることができる。しかしゴブリン1団体を相手している最中に掲示板でも噂されていたMPKに遭ってしまったのだ。ざっと20匹を超えるゴブリンを連れてきた奴はこちらを見るなり一気に突っ込んで来たと思うと瞬時に身を隠す。おそらく《隠蔽》スキル当たりを使ったのであろう。当然、今まで追っていたターゲットが消えたゴブリン達が現在戦闘中の自分たちのPTに向かってきたのである。流石にこの数は相手しきれない。


「各自回復は自分で!スイも攻撃に加わって一気に逃げ道を作るんだ!」

「俺が左半分を止める。君たちアタッカーで右側に突破口を作ってくれ!」


しかしこれはまずい。アイテムも底をつきMPの消費によりゴブリンに間合いを詰められる。流石に死に戻りか。。と考えていたが一人の乱入者が現れて左半分任せろと言ってきた。現れたかと思うと男の呼びかけに反応し骸骨の軍団が現れた。現れるや否やゴブリンたちはストレスを晴らすかのようにゴブリンに襲い掛かっていったため、タンカーがこちらに駆け付ける。


シン -> 悪い人ではなさそうだしここは素直に助けてもらおう。

タク -> あぁ、俺ももうポーションが切れて死にかけだったから助かった。

エリザ -> それにしても骸骨をテイムしてるなんて異常よね。

シン -> だな、終わったら聞いてみるとするか。

スイ -> 彼もPTに入れれば職もわかるんじゃありません?

シン -> そうだな、入ってもらおう。


彼が鞭を取り出したと思うとゴブリンが引き寄せられ、一気に<ファイア>で燃やし尽くされていた。強い。


「俺が敵を縛るからその隙に顔面に向けて攻撃してくれ!」


彼から指示が飛んできた。現状一番手っ取り早くこの状況を打開できるプランであろう。しかし彼の素性がどうしても気になるので少し嘘をついてPTに入ってもらう。彼にPT申請を飛ばすとあっさりと受けてくれた。どうやら身分を隠したりしないという事は怪しい奴ではないみたいだ。PT欄をチェックすると彼の職業は「ネクロマンサー」となっていた。しかしテイムレベルはどう考えてもおかしいが。そこから先の戦闘はいつものPTと同じような要領でゴブリンを狩っていった。残りゴブリンが5匹になったときには骸骨軍団が突っ込み、ゴブリンが骨埋めにされていたのを見た時には若干引いたが。


「~~」

「~~」


数回挨拶を交わしたのち、彼がなぜ骸骨をテイムできているかが分かった。どうやら運営に嫌われているらしい。運営とリアルの知り合いか?それとも運営側の人間か?とも思ったがリアルを詮索するのはご法度なのでこらえる。と、メッセージが届く。『運営とリアルの知り合いだよ彼は~ まあこっちから一方的に不遇称号を押し付けてるんだけどね☆』。。。らしい。運営からこのような形で返事が来るとは思っていなかった。彼はまだ【森】での探索を続けるそうだ。タフマンである。彼と別れた後はスライム数匹とは遭遇したが無事に町まで戻ることができた。


「それにしても彼は強かったね。」

ああ、骸骨を20匹も使役しているのもあるがPS(プレイヤースキル)も中々なものだよ。冷静に状況を判断して最善の手を常に打っていた。

「ギルド作ったら彼にもぜひ入ってもらいたいわね」

「そうね、今のうちに勧誘しておくかしら」

予想だが彼はソロを貫いていくと思うがな

「とりあえず戻ったら装備の修理をしてもらわないと。俺の盾なんて耐久値が残り10しかない」

そうだな、彼とはまた近いうちに遭いそうだし、今は修行して実力をつけることが先かな。

 その夜、ログアウトしたタクは掲示板に名前こそ伏せたが骸骨を使役するネクロマンサーにMPKから助けてもらった事やチートではないという事を書き込んで寝た。


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「主人公データ」


名前:ノナメ

スキル: 《死霊術SLv9》 《魔術・火SLv8》 《鞭術SLv10》 《覗きSLv15》 《鍛冶術SLv18》


初心者の鞭 ATK+1

初心者の服 DEF+1

初心者のズボン DEF+1

初心者のベルト DEF+1

初心者の靴 AGI+1


力(ATK)…物理攻撃力に影響1+1

防御(DEF)…物理、魔法の防御力に影響1+3

知力(INT)…魔法攻撃力に影響1

敏捷(AGI)…素早さ、器用さに影響1+1


HP…体力41

MP…能力使用に必要なマジックポイント31


称号

・不運…モンスターからの好感度アップ。モンスター遭遇率3倍。

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