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第6話「-暗闘-青木ヶ原樹海」第3章 その3

「も~、しかたないですわ。

今日はわたくしが直々にお相手して差し上げます」

そう言うと、見慣れない刀を2本取り出した音音。

挿絵(By みてみん)

「これは<杏葉螺鈿太刀いちょうらでんたち

と言って、鶴岡八幡宮に収められてる国宝の…」

「えっ!? ちょっ…まっ…国宝っ!?

またそんなもの借りてきて、

万が一折ったりしたら、鎌倉府長に怒られるのは…

まあ生徒会長のQちゃん先輩だからいいか…」

音音の口から国宝という言葉が出て思わず口をはさんだ私。

「いえ、国宝ではなく、

その隣にある無名の古刀ですし、

万が一折れても黙って借りて来ておりますし、

万全を期すと言う意味でレプリカも置いてありますので…。

お疲れのねえさまたちにも

キチンとお休みいただきたいですし…」

「そ、そうだよね…」

音音が単に富士山に登りたいだけかと思った私が間違ってたよ。

と心の中で謝った。

なのに音音は、

「今日の登山は誰にも邪魔させませんわ!

それに鎌倉時代より前の古刀って、

すっごく良いっていうので、

一度使ってみたかったのですわ~♪」 

そう言いながら、

螺鈿太刀の1本を私に渡してくる。

(なんだ、やっぱりそういうことか……。私の謝罪を返せっ)

と刀を受け取りながら、

心の中でブツブツ言ってみるものの、

刀に触れた途端、

なんだか安心感というか、不思議な力が伝わってくるのを感じた。

やっぱり、神域に長いこと置いてある古刀には

霊力が宿るのかな…?

「ねえさまたちを休ませたいもんね」

と刀を抜いてみる。

「ねえさまたちの刀と違って随分反ってる…」

「古刀の特徴ですわ。

それに衛府太刀拵えふのたちこしらえなので、

柄も鮫の皮ですし、鍔も丸くない唐鍔なのです。

私は優美で好きですわ」

愛刀・子狐丸とは重心も違うので、

少し戸惑うものの、使い勝手はよさそう。


第3章 その4につづく

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