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「凍結する西御門 襲来! 第二契約者」第5章 その2

しばらくすると座も和んできて、

すっかり酔っぱらった葛葉ねえさまと静葉ねえさまがカラオケに興じている。

音音は、

約束通り二狼にいさまの隣の席にしてくれたんだけど、

にいさまはヒュースケンの取り調べ中とかで、

まだ宴会には来ていない。

私の反対隣りには、三狼がいて、

黙々と食事をしている。

三狼は子供の頃から、ずっと一緒にいる幼なじみ。

だけど、三狼ってば、

鬼化ウィルスに感染してからは、あんまり喋ってくれなくなった。

私は昔みたいにおしゃべりしたいのになぁ……。

「…あぶらあげ、おいしい?」

と唐突に聞いてみる。

「うまいよ…」

「そ、そう。よかったね」

「うん………」

(あんたが何か言ってくれないと、会話にならないでしょ?)

全然会話が繋がらなくて、

心の中で怒っているとこへ、

『♪じゃ、じゃ、じゃ、じゃ、じゃ、じゃ…』

という、賑やかなイントロとともに、

広間のモニターに人魚のアニメのPVが流れ始める。

(あっ、音音がねえさまたちの

ぴちばちびッちメドレーに巻き込まれた…)

このままここにいると、

私もマーメードの一員にされて、

“人魚コスプレ”と”振り”まで強要されちゃうのは時間の問題かも…。

こんな心配をしなきゃけないのも、

宴会が始まってから一時間にもなるのに、

三狼が何時までも食べ続けてるからだよ!

あんたとろくにおしゃべりも出来ないうちに、

宴会芸大会になっちゃったんじゃん。

「ね、もういっぱい食べたでしょ? 

この部屋暑すぎるから、ちょっと涼みに出ようよ」

「あ、もうちょっと食べたら…。

鬼化アレするとすっごくカロリー消費するから

食べないと血糖値が下がっちゃうんだ」

「けっとうち?」

「下がると意識が朦朧もうろうとする」

「…って、糖尿病の患者さんみたいなこと言ってないで…!」

あー、もうイライラするとノドが乾く。

ふと目に付いた

隣の二狼にいさまの席に置いてあったコップを

ぐいとイッキ飲みすると、それはお酒――っ!?

な、なんで~~!?

手で口を押さえて、

慌てて洗面所に行こうとした瞬間、

後ろからガッと肩をつかまれた。

「結繪ちゃ~ん~、

貴女もいっしょに歌うのです~」

ごっくんっ――。

あっ、うー、マズー……!! 

思わず、お酒全部飲んじゃったよっ!!

狼狽ろうばいして振り返ると、

そこにはマーメードのコスプレをした葛葉ねえさまたちが居て……。

……って貝殻のブラはイヤ―――ッ!

逃げようとバタバタするものの、

葛葉ねえさまたちの力にかなうはずもなく…。

「ささ、着替えよっ▼」

そう言って、下から扇で仰ぐと、

何か下から光がわき上がってくる。

一瞬まぶしくて目を閉じると、

もう次の瞬間には貝ブラ&魚しっぽのマーメードにされていた…orz…。

挿絵(By みてみん)

私がこんなことになってるのに、

三狼のバカは一心不乱にまだご飯食べてるし……。

二狼にいさまも来ないし、頭は少しぼーっとしてくるし、

もう、なんだかどうでも良くなっちゃって…。

カラオケがかかると葛葉ねえさまたちに合わせて踊って歌う。

あはは、おもしろーいっ……!

あれれ、なんで天井回ってるの……。


その3につづく

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