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ステータス確認

サラナ達との会議のあと、遠真にはテントくらいの小屋があてがわれた。6畳くらいの広さに、簡易的なベッドと、床には獣の革を敷いてあり、寝起きする分には困らない物だった。


「ごめんね、こんな掘立小屋で。ホントはもっとしっかりもてなしたいんだけど...。」


 サラナが申し訳なさそうに言うが、遠真は首を振り、


「いや、十分だ。いや、この言い方も失礼だな。助かる。これなら、雨風にさらされることもないからな。それに、このエリアもギリギリなんだろう。よそ者の俺がわがままを言うのも筋違いだしな。これから、このエリアをもっとよくしていこう。」


「そういってくれると助かるよ。さて、私はほかの子たちに指示を出さないといけないから、いったんここで失礼するよ。」


とサラナはテントを後にした。


「さて、今日の分のWPで、何か役に立つもを召喚できるかな。」


 遠真は『代償召喚』スキルの召喚リストを広げる。今回は『資材』『武器』『防具』のリストを広げた。


「あ~、どれどれ…。丸太(太さ50センチ、長さ2m)が500ポイント、レンガ(20×10×5センチ)が10ポイント…結構安いのか?だが、これらを活用出来れば、このエリアの発展も可能だしな。」


そう呟きながら、彼はリストを眺めていく。だが、資材のリストは、品質が向上するだけで、大きく変わることはなかった。


「これに関しては、サラナさんと要相談だな。さて、武器や防具はどんな感じかなっと。」


遠真は次のリストを眺めていく。


「って、俺、あの人たちの基本装備やステータス知らねぇや。それを見てからじゃないと、無駄になるかもしれないな。これも保留で...。となると、俺やることないじゃん。みんなの手伝いをさせてもらおう。」


 遠真はリストを消すと、エリアの手伝いをするために小屋を後にした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「あれ、遠真さん、どうしました。小屋、気に入りませんでしたか?」


 小屋を出て少し歩いていると、一人の女性に声をかけられた。


「いや、得にやることもないからね、何か手伝えることはないかと思ってね。えーっと...。」


 遠真が名前を思い出そうとして悩んでいるさまを見て、女性がくすくすと笑い、


「私はレーネです。よろしく、遠真さん。では、私のお手伝いをしてもらいましょうか。

 ここにある荷物をあっちの倉庫に運ぶのを手伝ってください。」


 彼女がそう言って指したのは、1個1個が10kgはありそうな木材だった。


「これは何の木なんだ?」


「これはヒノンという木で、とても丈夫で、さらに油分を多く含んでいるから、燃料にも最適なんです。このエリアでの調理やお風呂、暖房にはこの木がよくつかわれていますね。」


 彼女の説明を聞きながら、彼女に言われたヒノンの木をアイテムボックスに収納していく。


「って、何してるんですか!?木がどんどん消えていく!!」


 その様子を見たレーネが驚いて声を荒げる。


「おっと、すまんすまん。俺の持ってるスキルの一つで、アイテムボックスというのがあってな。上限はあるが、アイテムを収納できるんだ。これくらいの量なら問題なく入るから。」


 そう言ってすべての木材を収納し、彼女に指定された場所に取り出し置いていく。


「あ~、すっかり終わってしまいましたね。どうしましょうか?」


「なら、少し俺に付き合ってくれないか?このエリアの情報を教えてほしいんだ。」


 仕事が終わってしまい、手持ち無沙汰になったレーネに遠真は、先ほど疑問に思ったこのエリアの情報を教えてもらうことにした。


「はい、いいですよ。ですが、教えられないこともあるのでそこは許してくださいね。」


「もちろん、そんなに踏み込んだりはしないさ。さて、どこか話せる場所はあるかな?」


 そう言う遠真を連れて、レーネは話の出来る場所に案内した。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「ここなら、話をするのには問題ないかと思いますが。」


 レーネに連れてこられた場所は、遠真が遺跡と間違えた建物の近くだった。手ごろな岩がごろごろとしており、腰かけにはちょうど良かった。


「そうだな。では、改めて、レーネさん。このエリアの基本的な装備を教えてくれ。」


 と遠真は話を切り出す。


「装備ですか?それは人が身に着ける武器や防具と言ったことでよかったですか?」


「ああ、それだ。俺のスキルで、そういったものも召喚できるんだが、もともとの装備の質がわからなかったんでな。それより低いものを召喚してしまうと、もったいないし無駄だろう。だから、先に知りたいなと思ってな。」


「なるほど、そういうことですか。では、このエリアの平均的なステータスをお教えしますね。」


 そう言うと、レーネは地面に数字を書き始めた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 LV 5

 HP 100/100

 ST 50/50

 MP 50/50

 AT 30

 DF 20

 MA 25

 MD 18

 SP 40

 IN 38

 DX 30

 MI 20

 LU ???

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「こんな感じですね。もちろん個人差はありますし、スキルなんかも人それぞれですが。」


 レーネはステータスを指しながら答える。遠真はその数値を見て、


「え、結構低いんだな。なぁ、この数値って普通なのか?ほかのエリアの人間たちはもっと高いとかあるのか?」


 遠真は自身のステータスを思い出しながら質問する。彼のステータスに比べて、彼女が教えてくれた数値が低すぎるのだ。


「は?いえ、そんなことはありません。世間的にも一般的な数値かと思いますが...。」


 レーネは不思議そうに言ってくる。遠真は自分のステータスを携帯で表示して彼女に見せる。


「これが今の俺のステータスだ。これがおかしいのか?」


 彼女は、遠真が見せたステータスを見て驚愕の表情を見せる。


「と、遠真さん...。このステータスはおかしいです。」


 レーネは、この言葉を絞り出すと、しばらく黙ってしまった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 トーマ・ヒイラギ

 LV 3

 HP 350/350

 ST 175/175

 MP 300/300

 AT 200

 DF 140

 MA 150

 MD 140

 SP 160

 IN 150

 DX 140

 MI 100

 LU 120

 WP 25123

 スキル

 ウォークメーター (MAX)

 代償召喚     (MAX)

 携帯操作     (1/100)

 剣術       (1/20)

 気配察知     (1/30)

薬品生成     (1/30)

 火魔法      (1/20)

 水魔法      (1/20)

 風魔法      (1/20)

 土魔法      (1/20)

 付与魔法     (1/30)

 言語理解     (人族)

 精神負荷耐性   (5/30)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「この数値、スキルの数、どちらも異常です!どうやったらこんなステータスを得ることができのですか!?」


 レーネは沈黙の後、遠真に問い詰めた。


「落ち着け、レーネさん。これも俺のスキル『代償召喚』の効果だ。俺が召喚できるものは、物だけじゃない。スキルも召喚できる。自身、および、俺が選んだ対象にスキルを与えることができる。だから、これだけのスキルを得ることができた。俺の時は4200ポイントを消費したが、俺以外の対象にスキルを与える際は、どれだけのポイントが必要なのかはわからないがな。」


 遠真は、レーネの肩を抑え落ち着かせる。それで、いくらか落ち着いたレーネは、


「すみません。ですが、このステータスにスキルなら、もう少しレベルを上げればザラン一味を一人で制圧できると思いますよ。」


「そうなのか。わかった。とりあえず保留ということにしとこう。また、時間があるときにサラナさんやほかの人たちと一緒に、話を詰めていこうと思う。で、必要な装備はどんなもんだ?」


「そうですね、遠真さんが持ってるアイアンソードでも十分なレベルです。この周辺のエリアで一番強いのはザラン一味ですが、そこの基本装備もアイアンシリーズなので。」


 とレーネが説明する。


「そうなのか。あとはそれぞれの戦闘スタイルってことか。そういえば、ザランの下っ端の持ってたナイフもアイアンナイフだったな。」


 遠真はそう言って、アイテムボックスからザランの下っ端を倒したときに回収したナイフを取り出した。


「これが基本装備なら、これからもう少しレベルの高い装備をそろえて、スキルも付与すれば圧勝できるか?」


「はい、十分です。もとより個人戦力はほとんどこちらが勝っています。さらに質のいい装備があるのであれば、十分に勝機はあると思います。問題は戦闘中に他のエリアがここやザランのエリアに目をつけて漁夫の利を狙ってこないかが心配ですね。」

 と、レーネが不安点を挙げる。ザラン一味はほかの勢力ともいさかいを起こしているので、十分あり得ることであり、それはこのエリアに対しても同じことだった。


「まぁ、そこは全員で相談しつつだと思うぞ。俺のスキルには魔物も償還できるからな。そいつらは俺の指示をしっかり聞くから頭数も増やせると思うし。」


「……遠真さん。それはほんとに規格外ですよ。これ以上はまたサラナ様と一緒に会議で決めるべきです。ここで話していても机上の空論ですし、全体でもっと詰めるべきことです。」


「確かにな。俺からもまたサラナさんに話しておくよ。あ、そうそう。俺のスキル、レンガとか木材とか、そういった資源とかも出せるから必要になったら言ってくれ。」


「はい、その時は頼らせていただきますね。」


 レーネとの会話を終わらせ、遠真はほかのところに行くのだった。


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