表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

初戦闘

黒パンを召喚してから、遠真は召喚リストを読んでいた。召喚リストは、食品や衣服といった生活必需品から、武器や防具、はてはスキルまで、実に様々だった。


「俺のステータスが高いか低いかは分からないけど、戦闘系のスキルが無いのがネックだな。残りWPは9990だし、何かないかな。」


 遠真はスキルや武器のリストを眺めていく。そこで彼はふと思い出した。


「あれ、そういえば、最初のメッセージで、アイテムボックスにアイテムが入ってるみたいなこと言ってたな。」


 遠真は「アイテムボックス」と唱える。すると、目の前に黒い靄が現れ、その横に中に何が入っているかが表示された。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 アイアンソード

 鉄で作られた片手剣。駆け出しの探索者や騎士が使用する安価な剣。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ラウンドシールド

 半球の形に作られた安価な盾。駆け出しの探索者や騎士がよく使用する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 チュニック

 一般的なシャツ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 コットンポーズ

 綿で作られたズボン。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 金貨 ×20

 この世界の共通通貨。1枚で10000ルクスの価値がある。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 となっていた。


「ん~、よくあるゲームの初期装備って感じだな。てか、このルクスって単位、どれくらいの価値の物なのかもわかんねぇ。でもま、とりあえず着替えておくか。」


 遠真は、黒い靄に手を突っ込み、お金以外を取り出そうと念じた。すると、それぞれのアイテムが遠真の手に現れる。アイアンソードは重すぎて落としてしまったが。


「うわ!?剣重っ!!こんなん振れんのかよ?て、そうか。ポイント使ってステータスを強化すればいいのか。それともスキルを獲得するべきなのかな?」


 遠真のスキル、代償召喚には、スキルを召喚することで、自分もしくは、触れている対象にスキルを付与することができる効果があった。これは先ほど、召喚可能リストを見ていて気付いたことだったが。


「とりあえず、剣を持ってるから剣術スキルとかは必須だよな。あとは...」


 遠真は、召喚可能なスキルを確認していく。結果、修得したスキルは以下のようになった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 剣術(1/20)

 剣の扱いに補正がかかる。また、STを消費し、武技を使うことができる。武技は、熟練度を上げることで習得する。

熟練度1 一閃突

 100P

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 気配察知(1/30)

周囲の気配を感じ取れる。熟練度が上がると察知できる範囲が広がる。

熟練度1 半径20メートル

500P

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

薬品生成(1/30)

 素材とMPを消費して薬品を作成できる。熟練度が上がると、生成する薬品の品質が上がり、消費する素材が減少する。

 200P

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 火魔法(1/20)

 火属性の魔法を使用できる初級スキル。熟練度が上がると魔法の呪文を習得する。

 熟練度1 フレア

 200P

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 水魔法(1/20)

 水属性の魔法を使用できる初級スキル。熟練度が上がると魔法の呪文を習得する。

 熟練度1 アクア

 200P

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 風魔法(1/20)

 風属性の魔法を使用できる初級スキル。熟練度が上がると魔法の呪文を習得する。

 熟練度1 ウインド

 200P

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 土魔法(1/20)

 土属性の魔法を使用できる初級スキル。熟練度が上がると魔法の呪文を習得する。

 熟練度1 サンド

 200P

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 付与魔法(1/30)

 自身の所有するスキル、武技、魔法を対象に付与できる。熟練度が上がると、付与できる対象が増え、消費するMPが減る。

 1000P

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 言語理解(人族)

 人間、エルフ、ドワーフ、獣人、竜神、魔人、亜人種の使用する言語を理解し、会話、読み書きが可能になる。

 100P

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 精神負荷耐性(5/30)

 自身の精神に対する耐性を上昇させる。熟練度が上がると、より精神負荷に耐えることができる。

 1500P

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「とまぁ、こんなもんかな。最初から強すぎるのもあれだし、今後何必要になるかもわからないしな。」


 遠真は、獲得したスキルを確認し、鑑定スキルを解除した。もともと来ていた学生服などをアイテムボックスに収納し、アイアンソード、ラウンドシールドを装備し、移動する準備を整えた。


「さて、とりあえず移動しないと。こういう時に定番は、川を探すことだよな。うまいこと見つかるといいが。」


 遠真はそう言って、草原を歩き始めた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「しっかし、見渡す限りの草原、何にも見えやしない。」


 目の前に広がる草原をずっと歩き続けているが、周囲には山や森といった目印になるものがなく、とりあえず太陽の方向に歩いているのだが。


「てか、太陽って動いてるよな。となると、少しずつ方向がずれてるのかな。といってもどうしようもないしな。目印ないし。」


 かれこれ2時間、多少の休憩は挟んだものの、一人でずっと歩き続けている彼は、自然と独り言が増えていた。返してくれる声は聞こえないのだが。


「ん?」


さらに1時間歩き続け、日が傾いてきた頃。ようやく遠真は初めての人影が二つあるのを発見した。が、


「おいおい、こんなところで不用心だな、兄ちゃん。」


 とても友好的に話せるような相手ではなかった。下卑な笑みを浮かべて近寄ってくるその者たちは、薄汚れた服にスキンヘッド、ナイフをちらつかせてこちらを脅しているようだった。


「ま、俺たちも鬼じゃねぇ。下着以外のもんを置いていけば命だけは見逃してやるよ。ハハハハ!」


 男たちは、遠真を無害な相手と思い無防備に近づいてくる。


「なぁ、あんたらは俺を害するってことでいいのか?」


 遠真は、極めて冷静に聞く。その態度が気に入らなかったのか、男たちは語気を荒げて、


「へっ、生意気な小僧だな。むかついたぜ、殺してやるよ。」


 と、ナイフを振り上げて遠真に襲い掛かる。が、遠真は反射的にそれを避けると、剣を抜き反撃する。男は無防備な背中を切り付けられ、その命に幕を下ろした。


「へぇ、これが精神負荷耐性の力か。人を殺しても特に嫌悪感も罪悪感もない。あんたらが悪人だからってのもあるんだろうけど。さて、あんたはどうすんだ?」


 遠間は、剣の切っ先をもう一人の男に向けると、男は恐れをなして逃げていった。


「剣術スキルもすげぇな。剣なんて扱ったことないのに、こんなに違和感なく使えるようになるとはね。」


 遠真は剣を収め、殺した男の死体をあさる。男の持っていたナイフと所持していたお金をとると、その場を後にした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「しかし、やっとこさ出会ったのが盗賊とは。俺も運がねぇな。」


 遠真は、盗賊から奪ったお金とナイフをアイテムボックスにしまうと、再び歩き出した。が、すぐに別の人影が現れた。


「そこの男!ここになんの用だ?」


 現れたのは、軽鎧を装備した女性5人ほどだった。どの女性も、遠真を警戒しているのか、剣を構えて彼をにらんでいる。


「今度は女戦士か。ったく、用も何も、人里探してるだけだよ。今日寝る場所もねぇんだからさ。」


 遠真は、いい加減疲れていたようで、ぶっきらぼうに答えた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ