弩級戦艦と航空機
「成葉大尉以下6名、96式艦戦を受領します」
工場が急ピッチで対応してくれ6機が先ずは引き渡される。
「航空機は整備を行いながら連続で作戦に投入しても良いが搭乗員は最低でも半日休息を取るように、人員に余裕がないと時は空軍として断っても良い、消耗戦だけはするなよ」
念を押して大陸へと羽ばたく銀色の翼を見送る。
「石原大佐殿がおこしです」
会いたくない人が来たなと思いながら出迎える。
「逃げ回っているから会いに来たぞ」
大陸でもだがこちらに戻ってきた理由のひとつなのだが行動力に呆れながら、
「向こうを離れても良いのですか」
「その辺は軍規だからな」
そう小さく笑うと参謀本部での作戦の内容批判と新たな作戦の立案を準備中であり、
「空軍にも一つかんで貰えると助かる」
「参謀本部にただでさえにらまれているのにそれは」
「このままいけば終わりない戦いに引きずり込まれていき対米戦に支障が出る」
「それならば撤退をすれば未だ救いようがあるのでは」
「それでは満州が維持できん」
話は平行線でどうにか断ると、
「わかったがあきらめんよ、それとDCー3の量産始まったそうだがフォッカーと入れ換えでの運航を頼む満鉄にはこちらから伝えておく」
これに関してはすぐ同意して今現行の2機から一気に6機の運航を認めてもらい補給も兼ねた航路の拡大をすることになった。
「しかしすごい機体ですなこれは」
全金属製の機体にはフォッカーと違い多数の人員や荷物を乗せることができ熟練してないパイロットでもフォッカーに比べて安全に飛ばすことができる。
「いずれエンジンの換装も国産を視野に入れてと言うことだ」
先ずは私がDCー3の処女飛行を行う、
「すごいな噂に聞いてただけのことはある」
傑作機と言っても過言ではなく、フォッカーでは採算が取れない旅客機だったがDCー3なら黒字にもできる優秀な機体であり金属の重さでずぶい時はあるがフォッカーと違い安定性があり時間の許す限り新米パイロットである准尉を連れて飛び経験を積ませる。
「私達も習熟したいのですが」
成葉大尉から言われて准尉達と共に陸軍の援護と厚木との運航を指示した。
「6機がプロトタイプですがこの1機はエンジンをBMWの液冷に換装したタイプで翼内に12.7mmを装備しております」
横からみてもエンジンの細さの延長に機体があり全体的に細くすきっとした外観に思わず頷く、
「プロペラも指示通り3枚で少しだけ大きくしております」
すぐにチェックを始め飛び立っては戻り気になる点を伝えていくが、
「96式艦戦よりもさらに100km以上は早いな、足が引き込みならもっと出るな」
時速470kmを出したが同時に高速域での舵の利きぐわいが悪くなり基礎設計の限界を示すもので急降下でも振動が大きすぎて分解する危険があった。
「後は耐久性か」
エンジンブロックを削り出すのにドイツ製の旋盤でないと削れずに故障してしまうもので耐久性はあるがライセンス生産を排気量のアップをしたもので耐久性がどのくらいかと思いながら天津へ飛んだ。
「美しいですね」
96式艦戦とは思えないすらりとした機体に成葉も含めうっとりと見ておりすぐにでもと思っているので、
「この機体は試作機の域を出てない、エンジンの耐久性と速度が上がった事による機体の空中分解の危険性があるからしばらくは私専用機となる」
一応に落胆するので、
「そんなに落ち込むことはあるまい空冷の96式艦戦でも十分以上に戦える。慢心しないように頼むぞ」
翌日から作戦に参加をした。
「この機体は60kg爆弾を2つつけているが96式艦戦についていけるか」
この機体は公式上10式試作戦闘機と呼ぶことになり96式艦戦のさらに上空を飛び周囲の警戒をする。
「最近は96式艦戦に恐れて出てこないとは聞いていたが」
眼下では戦いが始まり友軍が攻撃を開始している。
「さて後方の野砲陣地にするか」
友軍の陸軍は勇猛果敢だが装備はアメリカからの援助で敵の方が良く砲撃で釘付けになっているので機種を向けた。
「速度に注意しながら、投下」
旋回しながら戦果を見ると野砲のすぐそばに本来なら禁止だが弾薬を集積していたようで次々と誘爆して弾が空に上がり落ちて爆発しており混乱する。
「突撃」
そう聞こえるような錯覚を受けながら歩兵は敵陣地に肉薄、突破をはかっていた。
「良い判断だ」
成葉大尉の96式艦戦が機銃掃射を行いそれが終わると上空警戒のと交代していく、
「あれは敵機だな」
警戒している更に上を飛んでおり近づいてくる。
「BMWエンジンの力を見せてもらおう」
出力をあげてどんどん上に上り敵が成葉達の上をとる前に下ばかり見ている敵に引き金を引く、12.7mm機関銃は弾道も素直でカーチスに吸い込まれ炎上して落ちていき他のは後ろの味方が落とされたのに気がつかず更にもう1機を落として追い抜くとあわてて逃げ出した。
「速度に注意しながら」
出しすぎると機体はきしみぶれてくる怖さを覚えながら次々と後ろにまわりこみ落としてく、
「最新鋭で一撃離脱が正解か馬力があれば」
加速をつけて降下する敵に軽々と追い付き気がつけば6機全てを落として制空権を確保した。
ゆっくりと成葉達の所に降りていくとこちらを見て驚いており弾薬が心細いので先に帰投する事を手旗で知らせ基地へと戻った。
「御廓大佐申し訳ありません」
「油断大敵だな、敵がいないので機銃掃射を行うのは良いが高度が徐々に下がりすぎていたから気をつけるように」
戻ってくるなり成葉大尉達は青い顔で謝罪をしてきたので気を抜くなと言い改めて10式で96式艦戦と戦うことも必要だなと思いながら戦果を確認して解散した。
夜、日本酒を久しぶりに飲みながら過ごしていると飛行服を脱いでシャツとズボンで私の自室に現れた。
「珍しいなこんな夜更けに」
「ご迷惑でなければ」
思い詰めた成葉に席をすすめる。
部屋に入ってきて立ち尽くすのでコップを取り出し注ぐと飲めとテーブルにおく、しばらくすると意を決したようにコップを取り一気飲みしてしまった。
「おぃ」
思わず声をかけたがすでに飲み干しており顔色が赤くなり始めているがコップを付きだし催促されたので注ぐとまた飲み干してしまう。
「失礼します」
席に座りこちらを真っ直ぐ見た成葉が、
「大佐はずるいです。何時もさっそうと現れてやってのけてしまう、それに比べ私なんか」
これでも努力してるんだがなと思いながらも、
「成葉がいるから部隊を任せているんだ、問題があれば私も気づくし今回も報告書を読んで地上の戦果が増えたので10式の初陣も兼ねてだっただけだ、経験を積めば私を越えられる」
「本当ですか」
目を潤ませ絶対酔ってると思い、
「間違いない、ところで酒を飲むのは」
「始めてです。本当ですよね」
顔を体を徐々に近づけて酔っぱらっている成葉を止める手だてはなく乗り出した拍子にバランスを崩して私の胸の中に飛び込んできた。
「大佐、私大佐の事が好きです」
嬉しいが30を越えた独身に毒だと思いながらも、
「気持ちはわかるだが部下だ」
「また逃げるんですね、逃がしませんよ」
すでに成葉の美しい顔が目の前に迫り唾を飲み込みながら唇が目の前まで来て触れる、
「って寝落ちか」
安堵と落胆の複雑な気持ちに私に胸で寝息をたて始めた成葉を抱き上げるとベットに寝かせて私は夜空の下、月に杯を重ねながら飲み続けた。
「御廓大佐、この様な所で寝られると風邪を引きます」
少し肌寒さを感じながら目を覚ますと椅子に座って寝ており夜明けまでもう少しで司令部付きの如月軍曹が衛兵で見回って来たらしい、
「すまんな起こしてくれて助かった」
そういった瞬間兵舎で声が上がり私の私室から成葉が飛び出してきた。
「御廓大佐私」
「成葉大尉が御廓大佐のお部屋から」
「誤解なのだが飲みすぎの二日酔いで」
言い訳にもなってないし更に寝起きで前の片方が見えてないがはだけていた。
「軍曹、大尉の服装を整えて水を頼む」
二日酔いで考えがまとまらず椅子に座ると朝焼けに染まる空を見上げ続けた。
「申し訳ありません」
「私も酔っていたから部屋まで運べなかった」
如月軍曹は成葉大尉の様子からそういう関係はなかったと察してくれたようで水をおいて基地の警備に戻っていった。
「私どうしたら良いのか」
「何もなかった、酒はすこしぐらいたしなんでおけ」
そう言うと敬礼をして何か言いたげに戻っていった。
国民軍と共産党が組んで日本との本格的な戦いになりつつあり乗員の疲労もだが機体の磨耗も激しい、
「整備中隊から人員補充か」
航空機は96式艦戦は前期型後期型あわせて48機と水冷式が6機で毎日出撃をしており中隊も大隊規模で整備を行っている。
それでもと言うことで飛行適正は無いが優秀で手先が器用な女学生を組み入れて直接教育させていき厚木の工場も5倍の規模で半地下でつくられ電力の供給を津久井ダムからの給電でフル稼働を始めており、農村で行き場のなかった娘達が定期的に入隊して教育を受け一人前になるため一生懸命頑張っていた。
予算も増えたが小西が稼ぎ余裕をもって運営出来ていた。
「整備の専門の学校を部隊内にか」
「基礎知識と機体別による整備の専門を教える機関です」
早川曹長は士官学校を無事に卒業して整備のトップとして今や大尉であり整備中隊の責任者である。
「整備中隊の少尉を教官にということでの増員か」
「お願いします」
先を見越せばと言うことで了承した。
「上海へ向かえと」
参謀本部に呼ばれ現空域は陸軍航空隊に任せて海軍と共にと言うことでタンカーから空母に改装され名前も発音が同じだが惣流と名前を変えた軽空母での初出撃となる。
「海防艦を3隻だけか」
海軍は協力的とは言えず護衛に駆逐艦でなく小さい海防艦であり不安はあるが96式艦戦と10式を載せて整備と司令部の人員を載せて出港した。
「片桐少佐、艦長として惣流を頼む」
改装が終わり試験航海を重ねて新人の着艦訓練を旧式になった艦戦で繰り返し行っており、教官は成葉以下尉官が交代で行っており何度か海にも落下したが殉職者は今のところ出していなかった。
「32機補助機は4機ですがぎりぎりですね」
中にも半分ほど格納スペースはあるが2万トンの元タンカーではすべて納めると余裕はさほどない、
「しかし船幅が20mとは、速力は出ますが」
片桐少佐は父が海軍中将の片桐英吉であり青葉や榛名の艦長を勤めた人物で晩年に産まれた娘だった。
「あくまで輸送船団の護衛が主任務となる予定だからな」
「父も驚いていました。全面溶接でディーゼルエンジンのイギリス製を」
「海軍は大鯨で相当苦労しているみたいだな」
惣流が就航する前に新しい技術で改装空母にという同じコンセプトで国内で計画されて完成をしたが溶接の未熟さに船体が歪んだりディーゼルエンジンがうまく動かないと言うことがあったらしく呉から海軍技官が視察に来たりと言うことだった。
「合流します」
「あの後ろのは大鯨か、水上機の補給母艦もかねてるとは聞いていたが」
海軍からは知らされずに合流する。
上海沖に到着すると早速偵察をかねて成葉大尉を中心として入れ代わり上海を飛びまわっているといつの間にか大鯨は帰国していて拍子抜けた。
「面子ってやつか」
新興の帝国空軍に空母を持たれた屈辱は耐えがたいらしく片桐の父親も重職ではあるが風当たりが強く、戦艦金剛と同じ英国製のタンカーとは思えない性能に嫉妬もとまらなかった。
「駆逐艦、防空様の発注したいが流石にイギリスも了承しないか」
小西に駆逐艦を2隻頼んではいりが国交の悪化で難しいと思いながら上海で海軍の航空隊との共同作戦を行っている。
制空権は96式艦戦は圧倒的であり上海を制圧下において戦いは推移しており私は上海から部隊が差し向けたDCー3で厚木に戻った。
「96式艦戦は液冷エンジンの196式艦戦として生産を続けてますが」
「海軍は試作12式艦戦を陸軍も97式戦闘機のパワーアップと言うことですが」
「エンジンをBMWの601とか言うのを小西が交渉している。それからだな」
エンジンの600タイプを契約を結ぶと。メーカーからの情報があるが試作で新型がつくられてると聞いてそれのライセンスと新しい工作機械の輸入を小西が行っている。
「小西殿から、トライバル駆逐艦2隻を予算不足から英国が建造を止めていたのを買い取り兵装はこちらでになりますが近日中に回航するとのこと」
いやいやどこからそんなものをと感心しながら艤装を施すのにドックと海軍から防空用の高角砲と思いながら海軍省の山本航空本部長を尋ねた。
「御廓大佐か、あの時はすまなかったな」
空軍創設時から陸軍主導になるのではと一貫して反対にまわっており協力的ではなかったが、軽空母惣流の技術(改装は日本では鉄が固すぎて歯が立たず、それを見越していた小西が購入時に契約を結んでいたのでイギリス領シンガポールでわざわざ行われた)を盗むために小西商会に潜り込ませ知ってはいたが釘を指し支障が無い程度に情報収集をさせていた借りと言うこと、
「そちらと違って我々にはしがらみがなくプライドも無いですからな、ロンドン海軍軍縮会議の様にわざわざ味方を射つ真似はしなくても言いんですよ」
山本はついこないだまでその会議のトップとして行ったが、本国では条約破棄が決定されていて怒りで帰国したら退役すると言うのを聞いていたのできつめに言う、
「全くそうだ空軍が羨ましいよ、海軍の主流は未だに巨砲主義で凝り固まっている」
「何かとてつもない巨艦を造るとニッケルなどが欲しいと」
「小西君か、彼はすごいな次から次へとその件か」
「彼からイギリスのトライバル駆逐艦を購入したと、艤装を海軍でお願いしたいのですが」
「わかった、新しい技術は見てみたいからな話しておく」
そう言うと忙しい山本は出ていった。
「九八式10cm高角砲」
海軍で最新式の高角砲兼主砲で前後に2連装で5門搭載されておりその他は対空機銃となり海軍の技術者からすれば魚雷を搭載しない対空駆逐艦をめずらしがることになった。
96式艦戦の代わりに12式試作艦戦の会議に度々出席するが悩む、
「エンジンも栄ではなBMWは工作が難しいから火星エンジンの改良型か」
1000馬力未満では力不足であり防弾もなく武装は7.7mmと20mmで火力と命中が乏しいと考えられ、
「12式試作艦戦をエンジンを火星18気筒エンジンに、装甲板と燃料はゴムをつけ補強し直す、武装は12.7mmに交換で爆走250kgをと考えている」
「全く別物になりますね、何れにしても三菱の開発が終わる迄にライセンスと一番肝心なエンジンの開発をすすめます」
厚木での空軍内の会議で決められハ42エンジンと呼ばれた新型エンジンの開発を同時に進め航続距離も海軍では2000km以上と言われたが我々は半分で良いと言うことでDCー3の生産に集中して開発を進めた。
「だからニッケル等を融通してくれと言っているのだ」
海軍の古賀次官が現れて強弁に言う、
「無理と申し上げている。海軍と陸軍で国家資源の分配をしており秘匿しているニッケルも全て海軍がと言う話ではないですか、そんなにって巨砲艦を造るというきとですな、なおさら譲れません」
「その情報を、山本航空本部長が言っていたが」
「ここだけの話、飛行機で遠距離から出撃して攻撃すれば沈みますよ6万トンであろうと」
「どれだけ、絶対沈まぬ長門の40cmでも沈まぬ艦を造るのだ協力するのが当たり前でないか」
何を言っても平行せんであり、
「後で吠えずらかくなよ大佐の癖に逆らいおって」
そう言うと出ていった。
「陸軍以上に頭が固いな」
「御廓少将、陸軍以上に海軍はしつこいな」
「中将閣下、少将は」
「わかっておろう実務トップが佐官ではお互いやりにくいと言うことでな成葉少佐に現場を譲りディスクワークに勤しめ」
密宮照仁中将閣下が入ってくるなり昇進と言われ戸惑う、
「パイロットを降りる気もありませんが」
「まあよい、若い者に譲れと言うことだしかし独国と手を結ぶことになり御廓少将が危惧する対米戦略が参謀本部主導で進められていっている」
密宮照仁中将閣下は皇室のため政治的な言動は慎んでおり私の前以外ではそう言ったことを話さず立場をわきまえていた。
「それとようやく戦闘機不要論が間違いだと気付き始めたな」
「支那(中国)の奥地に爆撃をする上で護衛がない爆撃機は落とされます。戦闘機より早い爆撃機など早々ありますまい、エンジンを大型化していけば何れはと言うことで空軍では大型エンジンを積んで爆撃機を迎撃する事が大切と考えております。あと全国に防空監視所をもうけることで侵入を早期に発見して迎撃をする。支那で国民軍が漢口へ向かう爆撃機を知らせて迎撃体制をとっていると小西からの情報です」
運用のしかたであり、卓上でのシミュレーションでは都合の言いように改変しており負けているはずが勝つだけを目的にした物となっていた。
「そこは任せる。我らは首都防衛を目的とした防空軍でありその存在意義があるからな、頼むぞ御廓少将」
最後の言葉にプレッシャーを感じながら空軍としての在り方を考えさせられた。
「これが12式試作艦戦ですか」
木製の原寸大の模型を海軍の連中と見ている。
「小さいがギリギリまで絞り混みすぎだな」
軽量で1000馬力のエンジンと言うことで三菱の堀越技士が限界まで削りこんだおかげだが機体強度と耐久性が支那のような使われ方をすればもたないと思い空軍で改良するにもと言うことであきらめ陸軍のキ44の中島飛行機製を改造することを決定した。
中島飛行機には設計書をライセンス料を支払い貰うと着手する。
「翼はもう少し伸ばして面積を広げる。馬力を見越してだがな、それで12.7mmを4門、出来れば6門防弾は当然でありエンジンは1800馬力でタービン過給機を追加で2200馬力まで持っていければ時速700kmも夢じゃない」
技術研究所の主任技士である圓岡を含めて開発を進めていくことになった。
「資源倉庫を海軍の馬鹿野郎が襲ってきたって」
巨艦を造るのにニッケル等が必要不可欠で空軍が独自に小西ルートで集めて厚木の半地下の集積所を襲ったと、当然すぐに警戒警報が鳴らされ自動小銃を持った衛兵が包囲したと連絡がある。
「抵抗する様ならかまわん反乱罪で処分する事を命令する」
そう言うと山本が古賀と共に入ってきた。
「頼む待ってくれ彼らも皇国の為に思って先走ったのだ」
「基地侵入時に衛兵対して発砲もありすでに反乱と認識をしております」
「それについては海軍から正式に謝罪をさせる」
古賀海軍次官が言う、
「もし勝手に兵が事を起こしたなら反乱でしょう、将官か佐官なら謝罪で済む訳にはいきません」
「御廓少将いい加減にせんか内乱を起こすつもりか」
空軍の敷地内に武装して侵入した海軍が問題であり、
「反乱を起こしたと中将閣下から陛下に御伝えしてもらう」
古賀次官が叩いた机に私も拳を叩きつけると山本航空本部長が、
「古賀次官、我々は話会いに来たのではないですか、御廓少将もここは穏便にお互いのためいや海軍に大きな貸しをつくると思ってくれて納めてはくれないか」
「わかりましたが武装解除を命じていただきたい」
そう言うと直ぐに山本は命令をして私からも投降してくる者は指揮官以外は海軍に引き渡すように命じた。
厚木に向かいながら高熱に強いニッケルはどの分野でも欲しがっておりゴムと並び重要指定している物資なので最近の国際情勢の悪化と日本に対する禁輸措置で徐々に手に入らなくなっておりどこの部署も喉から手が出るほどで今回の事になった。
「兵は海軍に引き渡すが士官は尋問を行う」
80名ほどが武装解除ののち拘束され引き渡される。
「士官は尋問の後引き渡します」
「海軍の士官を空軍がどうこうして良いと思っているのか、直ぐに引き渡せ」
連絡のあった横須賀から鎮守府付きの少佐が兵を率いて到着しており私が到着をする目の前で強引に士官が拘束されている場所に入ろうとして止めた空軍少尉を突き飛ばした。
「少尉、少佐を拘束せよ」
「了解」
直ぐに起き上がり兵士に命じて拘束をしようとすると少佐は兵士に命じて抵抗するように命じたので私は空にコルトを一発発射した。
「少佐、これ以上面倒を起こすなら同じように騒乱罪で拘束をするぞ」
「ならば士官の引き渡しを」
「古賀海軍次官からの命令に背いてもか」
「新造戦艦を造るためお国のために」
秘匿の戦艦の事を話すとは迂闊なと思い再度言うとようやくあきらめた。
「少尉に謝罪を」
そう言うとこちらを見たがコルトを持つ私に仕方なしに謝罪した。
「この事は報告させてもらう、新造艦の事を口外した件もだ」
そう言うと自分の失言にたちまち顔を青くして兵士を収容すると横須賀へと戻っていった。
「さて大尉、今回の件について申し開きはあるか」
そう言うと海軍が勝利するため必要と言う
「大陸にはまともな海軍はない、長門で十分ではないか」
「独国との協定を結んだ事により我らの敵は米英ではないか将官である御廓少将殿」
「ドイツと結んでも大陸が降伏するわけでもない、米国に勝てるとは思わぬ」
「山本航空部長の様なことを、米国に武官と行って懐柔されたな軟弱者が」
山本の名前が出ると興奮して失言を連発しており、
「素直に物資を渡せば見逃してやる」
そう言われて、
「それでは反乱として銃殺にする。無論名誉も全てを無くすようにな」
「きさま死ね」
椅子に座っていた大尉は飛びかかり私が避けると衛兵に取り押さえられ連れていかれた。
私は古賀海軍次官に電話を掛け指揮した大尉が飛びかかり殺そうとしたことを伝え銃殺に値すると伝えると次官が自ら厚木に向かうと電話が切れた。
中将に連絡を入れ経緯を話すと「任せる」の一言で電話は切れた。
この際海軍からは影響力を取り除き名前だけでなく独立した組織で行えるように交渉に入ろうと思い到着を待った。
「御廓空軍少将、申し訳なかった」
「古賀海軍次官殿、大尉といい横須賀の少佐の思い上がり、設計中の6万トン級の弩級戦艦の事を口にしたり独国との同盟で浮かれすぎているのではないですか海軍は」
感情を出さずに目を細めると皆から怖いと言われた顔で次官を見る。
「それは海軍を皇国をおもいばかってだ」
「それで何でも許そうとする事が納得いかないのですよ、やってはいけないことを海軍はしました。我らに引き金を引いたと言うことは密宮照仁中将閣下いや皇室に弾をはなったと言うことです」
普段こんな言い方は嫌いだが主導権を握るなら悪人にもなれる。
「陛下にそんなことをするつもりはない、わかったもう言うまいが考えてもらえないか」
私は少しだけ考えある提案をする。
「それで落とせばニッケルを融通すると」
「その代わり成功させれば海軍からの干渉、士官の引き上げと独立した正式の軍と海軍で公式に認めていただきたい」
こうして同意した。
1か月後、海軍との共同演習と言う名目で軽空母惣流と共に土佐沖に向かう、
「197式艦戦に予定通り250kg爆弾を装着、中身はペンキでありますがよろしいのですか御廓少将」
「成葉少佐かまわない、急降下で長門やその他の艦艇に命中させよ」
「訓練の成果を見せましょう」
順次爆走した197式艦戦が発進して最後に私が飛び立つと編隊を組み進む、予定海域では船をチャーターして索敵をさせており発見の報告はすでにあった。
予定通り進むと煙が見え艦隊を発見する。
「完全な奇襲だな、発見されてないからって」
海軍の怠慢に呆れながら先ずは低空で私が進み成葉少佐の隊は高空から注意がそれているあいだに艦隊上空に侵入する。
私は海面ギリギリを進み艦艇は発砲を始めたが見当違いでそのまま駆逐艦を飛び越えて空母に向かう、少しだけ上昇してたいした対空砲かでないのでそのまま上昇して降下した。
「コースそのまま」
左の引手を引くと機体は軽くなり空母を飛び越えて海面すれすれに長門へ向かう、長門の艦橋横を飛び去り前に出ると急旋回して長門に向かい機体を縦にして艦橋を通りすぎるときに手に持った壺を離した。
艦艇の間を通り抜け狙いをつけようとするのを横目で見ながら上空を見ると成葉達が急降下から次々とペンキの入った演習弾を投下して私に注意がいっていた艦艇に命中して離脱をしたあと私の機だけ改良を受けた試作の排気タービンで出力を全開してループを行い離脱した。
「御廓少将、全員無事に帰還しました」
私が着艦すると成葉少佐とその部下が迎えてくれて報告する。
「命中12、残りは至近弾となりました」
技量不足もあるが満足のいく戦果で実際に確認するため海軍の艦隊に合流した。
「派手に黄色の花が咲いているな」
遠くからでもその命中箇所は黄色く染まり一生懸命磨いているようだがとれないみたいで197式艦戦で上空から戦果を確認して帰還をして横須賀へと入った。
「御廓少将よくやってくれた」
丘に上がると山本航空部長が出迎えてくれる。
「これで巨砲主義の連中も現状飛行機から艦を守ることが難しいと考えるはずだ」
そう喜んだが艦を降りてきた士官達は、
「確かに駆逐艦や空母では損害は出たかも知れないが戦艦では良くて小破、装甲が厚い部分なら爆弾が跳ねて損害無しになっていただろう」
そう騒いでおり卓上のシミュレーションでも大破を小破に代えたりする?ご都合主義であり愚かとしか言いようがない、
「何れにしても今回の演習の結果を討論することになっているから同行してくれ」
山本航空部長に強引に連れていかれた。
「今回の演習の結果は、戦艦長門命中3だが損害なし、戦艦扶桑命中1小破、空母龍驤命中1中破、巡洋艦由良及び香取命中それぞれ1小破、巡洋艦阿武隈命中2発中破、敵戦闘機12機以上撃墜以上」
最初に第一艦隊の近藤少将が発表した。
海軍の士官達は被害が出たことに驚いたが私は過小評価に驚き航空写真を取り出すと、
「我が空軍の発表です。戦艦長門命中5発中破そのうち1発は機関部に命中、扶桑命中3発艦尾に2発により舵が使用不能、空母龍驤命中1ただし飛行機発艦前でその燃料に引火大破、巡洋艦も中破又は大破と判定できます。こちらの航空機は撃墜無し以上」
写真を机に並べて白黒だが命中箇所はペンキでわかるため赤丸をしてそこにある区画の説明をした。
「急降下爆撃による破壊力はこちらでも実験されており説明した通りの破壊力であり、逆に航空機の迎撃は私が囮になり低空でわざと意識させたため上空がおろそかになり命中弾が多かったと考えられます」
私の発言を近藤少将は苦虫を噛み潰したようにしており写真をまわし見している海軍の士官達は驚いている。
「近藤少将、結果はこの様な事になることを考えることも大事だと思うが」
「空軍には空軍のでしょうが海軍には海軍のです。航空部長として肩入れしすぎだと思いますが」
頭が固いのはなおらないと思いながら米英開戦に向け少しずつ歯車は動き出していた。




