新たなる翼
事変から国民党と共産党が我が国に徹底抗戦を宣言して泥沼にはいりこむ、本来宣戦布告をと言いたいがアメリカからの援助を止められてしまう中立法があるためおかしな戦いになっていく、
「我々にも飛行場周辺の防衛をせよと」
この石原は我々を引き込んだ理由はそこにあると、
「物騒ですからね、陸軍も手一杯で運用は任せますが」
「干渉なしで」
拒否できない状況に干渉だけはさけて本国以外に派兵を行うことに厚木へ戻ると中将の元に向かった。
「はめられたと言うことだが」
「戦地での運用経験も必要かと思います」
「実戦あってということか、わかった編成は任せる」
「この際厚木から主力を持っていき防衛と偵察を行いたいと考えており」
機体もだが整備兵もと言うことで小西を呼んだ。
「アメリカが良い顔をしないでしょう、おすすめしませんが補給はこちらで行いましょう、新潟から船で天津へ満鉄でと言うことで」
空路飛ばしたい気持ちもあるが機体の性能差や練度もあり新潟までは飛ばすがということになった。
整備と後方支援の部隊は電車とトラックで新潟に向かう、飛行機は現地で仮設の飛行場を設営後と言うことで移動を開始した。
あれから飛行機に乗り大陸へ飛び石原に満鉄の手配を頼み飛行場周辺の建物を借り上げ受け入れ準備を小西と行う、
「お前さんが小西くんか、今回のことどう思う」
いきなり聞く石原にあきれながら小西の言葉にも呆れる。
「陸軍でも秀才誉れ高い石原莞爾殿でも目の前のことにつられて世界の事を失念されておられますな」
「それは、どう言うことか拝聴したいな」
そう言われて小西がアメリカの対応等が今回の事変で与える影響を話をしてさらに、
「補給を軽視しすぎますな、陸軍の航空隊あれはなんです。人が消耗していくだけの状況に無能としか言いようがない」
それを聞いて石原は怒るかと思ったが鼻で笑い、
「指摘ごもっともだが陸軍の慣例ということだ、言いたいことはわかるが大国でなければ日本は生き残れんよ」
「資源と知識を使い加工して輸出等をすれば10年で日本は世界相手に商売ができますよ」
「力がなければ植民地とされるのは明白であるが」
「そういった意味では軍事は抑止にはなりますが金の無駄です」
「小西くん、君の話は面白かったが極端だと思うがね、まあそのうちわかるだろう」
そう言うと満鉄に命令書を作成して輸送を確保した。
「あれは自分の信じた道を突き進むタイプですな、組織や官僚に縛られず私みたいなと言いたいですが経済を知らなすぎますね」
小西はそう言うと仕事に没頭し始めた。
私は司令だが佐官も尉官も現地に到着していないので厚木との航路の整備隊に手が空けば準備を命令し厚木との往復を繰り返した。
「御廓大佐、ようやくつかまったな」
厚木に到着して翌々日迄フライトが無かったので空軍省に向かい到着すると参謀本部の大佐が現れる。
「貴様大陸で石原と何をしようとしてる」
昔上司だったときにさんざんやらされて上層部には眼をつけられており今回もと思いながら、
「厚木と現地飛行場との定期航路と周辺の治安維持を受けただけですが」
「盧溝橋をおこしたはいいがなにか他にたくらんでいるはずだ答えろ」
同格というか別の軍に対して参謀本部という地位にかっこつけてだろうが、
「大佐、先程から貴様やなんや同格のそれも別の軍の佐官にその態度はどう言うことですかな」
私が急に態度を改めたので、
「参謀本部付きとその辺の佐官を一緒にするな」
「私的にこられたようですね腰巾着が、私は空軍の厚木基地司令部大佐であり付きの大佐にどうと言われる筋合いはないと思うが」
「貴様言うに事欠いて腰巾着だと、おままごとの空軍があんな中将の」
そういわれた瞬間大佐の襟首を掴むと相手をこちらに引き寄せ膝蹴りをお腹に食らわした。
「貴様こそ皇室に対する不敬罪、見逃すわけにいかぬ」
「そこまでだ大佐、長友大佐は戻っておれ」
そこには参謀本部総長が立っており何でこんなところにと思いながら胃液を吐く大佐を離すと黒木参謀長が中に入っていった。
「彼等も国を思ってだが不敬罪は許されん」
何をしに来たのかと思っていると、
「事変が始まり1年がたつが現地の陸軍航空隊の稼働率もだが落ちてきているのだが」
「それなら石原莞爾殿にも伝えましたが整備部品も満足になく人員も不足していると思います」
「現地の指揮官もだが参謀本部でも部品はあるだろうと言っておるみたいだが」
「必要な部品がないのです。消耗が早い部品のストックが足りずに別の飛行機から部品を取り外して共食いさせており稼働率が上がるとは思いませんが」
「そうか、所で厚木の飛行隊を送り込んでいるようだが整備と補給を頼めないか」
「頼むのはよろしいですが予算をふっていただけるのでしょうか」
そう言うと黒木は眼を閉じて、
「予算がそちらまでまわらぬのだ」
小西がいる空軍と違い補正予算は出ているがそれは大陸の広さに飲み込まれつつあり細かいところまで行き渡らないと言うことらしい、
「それでは参謀本部に一つ貸しで、部品などは厚木の工場で作らせ小さい物は空輸させましょう、ただし現地の指揮官が素直に受けるとは思いませんが」
「そこは参謀本部として訓令しておく頼むぞ」
面倒だが同じ航空隊なので顔を売るにはと思いながらたまった書類を片付けると整備班長を連れて大陸へ戻った。
「空軍が我々の手伝いをするだといらんいらん」
まあ訓令をしてもらってもこのていたらくで頭がいたくなる。
「黒木参謀長閣下からの直々の依頼である。速やかに稼働率をあげよと言うことだが」
現地で調達できるわけもなく本国に補給を求めているが直ぐにとはいかず外国に注文をしなければならない部品もあり整備の難しさを考えさせられる。
「創意工夫で乗り切る空軍なんぞいらん」
プライドが邪魔をしていると言うことらしく指揮官をほっといて整備部隊に顔を出した。
「ご苦労、部品については我々が供給する事になったのでうちの可愛い整備班長に依頼をしてくれれば早ければ1週間で届くようにする」
そう言うと皆は喜び早速早川曹長に部品を見せて発注をかけている。
「貴様ら勝手に」
指揮官が顔を真っ赤にして来たので、
「この事は黒木参謀長閣下に伝えるぞそれ以上言うなら」
そう言うとそのまま指揮所に戻っていった。
早川曹長が戻ってきて発注書を持って機内へと座り私の操縦で厚木へ戻る。
「日本での運用と違い長い距離を毎日飛んでいるのでエンジンの消耗が激しいです。機体の個体差やメーカーによって違いますけど」
話ながら工場に入ると女子の旋盤工がメーカー技術者から指導を受けており早川曹長は早速メーカー技術者を集めて部品の素材や加工について話をして作業に取りかかった。
「大佐丁度良いところにいたな、戻る飛行機に私も乗って視察をする。陛下からはお許しが出て現地を代わりに見てきてくれと言われた」
拒否しようにも笑顔でいる密宮照仁中将閣下に陛下からのお許しが出ていると言われればそれまでであり急ぎ新潟にいる成葉大尉に連絡を取り今回は新潟経由で護衛を成葉大尉に任せて飛ぶことになり準備で休むこともできずに当日となった。
「御廓大佐任せる」
軍服を着た密宮照仁中将閣下を乗せたフォッカーF7/3mが厚木から離陸していつもと違う新潟に向かう、
「護衛ということだな、良い経験になるだろう成葉大尉も」
確かにと言いたいが戦闘機の長時間はエンジンに難があり海軍に頼み予定航路上に艦船を配置してもらい非常事態に備え確認後新潟を出発した。
「空軍中将と言いながら航空機に1度も乗ったことないのは問題だったからな」
お付きの者は顔を真っ青にしており機体が揺れる度に悲鳴を小さくあげている。
「しかし布で囲われているとはな」
軽量化のため布でおおわれた機体で初めて見たときは不安があったが民間機ならこれでもと思いながら、
「そう言えば海軍が三井物産にライセンスを取得させたDCー3は」
アメリカ製の民間旅客機用の全金属製双発航空機で核心的な技術満載でこの機体が陳腐に見える程であり中将閣下に厚木での製作の旨をお願いしていたもので、
「小西が話をつけ契約を結んだと言うことだ、それと96式艦上戦闘機も三菱からのライセンスの承諾が出たと言っておったぞ」
「すぐにでも生産を開始して大陸での実戦を積みたいと考えております」
輸送機の方が高性能でいずれこことを結ぶ輸送を担える機体なので急いでもらい、あわせて艦戦だが97式戦闘機よりも先にと言うことで生産を開始した。
日本海を護衛4機をつけて飛んでいる。
「御廓大佐、こう見ると我らの空軍も様になってきたな」
大きな声で副操縦席から中将閣下が話しかけてくる。
「本来は船でしたから良い経験になりました。操縦も様になってきておりますな」
4機のパイロットはこのフォッカーで日本海を数度渡航しており安定しており問題は中将閣下が自ら握ると言うことで私は不足の事態に緊張しながら飛ぶ、
「あれが大陸か」
海の向こうに見えてきた大陸を見下ろしながらゆっくりと着陸した。
「お見事でした」
「御廓大佐もお世辞を言えるようになったな」
このくらいなら十分及第点なのだが自分に厳しいのでそう言うと色々考えて質問をして納得していた。
「無事に海を渡る事が出来ました」
成葉大尉が部下を引き連れて報告時来る。
「しっかり休養をとり出撃に備えること」
しかし未だに本隊が到着していないのでフォッカーの整備で手一杯の整備小隊に任せずに自分達で整備を行うしかなかった。
「本隊は6日後に到着予定」
積み降ろしの港湾の積込クレーンが貧弱でトラックの積み降ろしに時間がかかっていると言うことで頭がいたいが先ずは成葉の3式艦上戦闘機を借りて威力偵察を単独で行う、
「大佐がもしもの事があれば」
「偵察のみだ、中将閣下を頼むぞ」
成葉大尉に言われたが先ずは自分でと敵側に入り込む、
「Pー26か、相手の方が速度は上」
100km近い差がある敵はこちらを見つけて突入してきた。
「旋回はこちらが上だが上下に振り回すと危険だな」
後ろにつこうとするPー26を旋回でまわりこもうとすると速度をあげて逃げ出す。
「撃墜も出来ないか」
機体を反転させ帰投するように見せかけると追ってきておりギリギリで旋回をして火線が横を過ぎていく、
「行くと見せかけ」
そのまま旋回をせずに逆に向けると速度差で通りすぎたPー26を捉えて引き金を引いた。
「エンジンに当たったな」
斜め横から火線にPー26は入ってきて何発も命中するが金属製なのかダメージは少ないがエンジンから白煙が上がり徐々に速度が落ちて地上に墜落した。
「さて戻るか」
下では陸軍が中華民国の軍と戦っておりそれを見ながら基地にもどった。
「悪さした子供か大佐は」
「遭遇で相手が早く逃げられなかったので、撃墜1です」
中将閣下に帰投後報告を行うと空軍の初戦果を喜んでくれた。
「それと空母の改造も後半年後には終わるそうだぞ」
「96式艦上戦闘機の運用を試して見たいですね、、先ずは1隻だけ軽空母に改造で、残り3隻は石油の輸入にと言うことですね」
オランダの石油会社との売買を小西が恐慌の隙をついて買い叩き日夜輸送を続けており運用の経験を積ませるための先ずはと言うことだった。
「海軍も色々言ってきてるが上海に派遣する艦隊に紛れ込ませる予定だ、我々には護衛艦が無いからな」
そう言いながら先発隊と今回の戦闘の事を色々話し合っていった。
「本隊到着いたしました」
報告を受け接種した家に別れて住み翌日から整備用の工場の拡張を行っていく、
陸銀から勝手に現場で受注した部品も到着しており個数を確認して納品をしており必要なものも色々出てきたので成葉大尉がフォッカーの操縦菅を握ると厚木へと舞い上がった。
「先ずは先発隊で偵察に向かう」
成葉大尉がいてくれた方が良かったが恥ずかしがり屋だが芯の強い何故かおかっぱ頭の勝海中尉を副官にして4機で飛ぶ、
高度を高めにとりながら味方の攻撃の護衛をしているとカーチスホークⅡが2機で飛んでおり私と勝海中尉がそれぞれを引き連れて攻撃をした。
先ずは私が囮になり後ろの上月少尉が私を追撃する敵を狙う、
「威勢が良いなこの敵は」
一撃を与えた後私は敵に先行して囮となるが敵は最初ので激怒したのかかなり近くまで接近してきて攻撃を仕掛けており弾が当たる以前に空中で衝突しないかはらはらしながら機体をひねり避けると敵が前に出てしまう、
「練習にもならずか」
私は相手の技量に落胆しながら引き金を引くと墜落していった。
「冷静でなければ結果が教えてくれる」
戻った戦技の集まりで勝海中尉と未だ実戦をしていない彼女達に順次実戦をこなさせるために色々伝えていく、
「こちらは100kmは遅い、先手をとられたら旋回して逃げ回るしかないからな、その場合習ったとおり2機で組み僚機を攻撃する敵を倒せ」
練習でも私を敵として2機で戦い連携を優先するように命令をする。
日に何度も飛び戦技を研究し出撃をするが敵はこちらが出てくると引っ込むようになり戦果が上がらず部隊はいらつきはじめていると96式艦戦の初号機が工場でロールアウトし私が早速受領のためフォッカーに乗り本国へ戻った。
「エンジンはパワーのあるBMWの液冷に換装とプロペラは3枚に、三菱で進めているパイプフレームの現行から外装での補強、後は翼内に12.7mmの搭載を工場で進めてくれ」
三菱の工場よりも設備は段違いに揃っているためメーカーからも技術者が出入りしておりその代わりに出し惜しみ無く技術を投入することになる。
「しかしこれだと製作の単価が」
「かまわない、パイロットを守るためだから、飛行機は落ちてもだがパイロットは易々と補充はできないから」
色々産み出しては商売を小西が行っており予算は今のところ気にせず使え96式艦戦も数年だけで新型に譲ることになるだろうと言うことでライセンス生産を行う、
「それじゃあ行ってくる」
大陸へ向けて初号機を飛ばす。
「戸継大尉、厚木を頼むぞ何かあれば連絡を寄越してくれ」
司令部付の初の士官であり飛行機の適性はなかったが外国語を操り私や小西のサポートをしてくれて助かっている。
「厚木基地をお預かりします」
敬礼して乗り込むと空へ上がった。
「今までのと速度が違うな、これならPー26とどんなときでもやりあえるな」
そんなことを思いながら日本海を飛び越え到着した。
「かまわんぞ交代で乗っても」
新型の96式艦戦の周りは人集りが出来ており成葉大尉気にするので虎の子だが皆に慣熟を交代で行わせる。
「しかし大佐の機体では」
「私が一番技量があって暇だったから乗ってきただけさ、数ヵ月後には改良型も順次生産をされる」
「ありがとうございます。技量順に交代で乗ります」
「水平方向でスピンする癖があるからなったときのことも教える」
実は厚木で飛び上がった後仮想の敵相手に空中戦を行っているときにその症状が出て危うく回避したのでその事を教えるように座学をと言うことを伝えた。
「松野准尉の機体が故障で不時着しました」
毎日出撃していると機体もガタが出始めていていた矢先にと言うことでトラックに兵を乗せて管轄の陸軍に援軍を頼んだ。
成宮少尉がハンドルを握り急ぐ、
「皆にはガーランドを持たせております」
結局ガーランドに決めたが女子には少々重すぎ.308ウィンチェスター弾にして小さく反動も少ないが物に改良し生産しており威力は落ちるが自衛なら問題ないとして採用をし始めており基地警備も同様の装備である。
1時間走り畑の一角に小さいが煙が上がっており飛行機を見つけた。
「敵に半包囲されています。すぐに助けないと」
「焦るな、成葉は半数を率いて林側からまわりこめ、私は真っ直ぐ前進する」
20人を率いて畑の畦道を進み敵の正面に陣取った。
「未だ気がつかれておりません」
「皆はここで待機後、発煙弾が落下後射撃を開始せよ」
私はそう言うと信号銃を持ち出し上へと向けて発射した。
「落ちるまで待て」
そう言いながら自分は気がつかれてないので敵に向かって走り出す。
畑を踏みしめながら駆け抜けててきが丸見えの畔に上がり銃を構えて敵兵に引き金を引いた。
反動が小さい分狙いを外すことなく8発を撃ち尽くし同じ分だけの敵を倒す。
行きなり発砲された中華民国の兵は混乱し逃げ出す。
私はクリップを再装填して射ち続けた。
「松野准尉」
退却先にはまわりこんでいた成葉大尉の隊が側面から攻撃して撃退した。
機体に駆け寄ると血を流してコルトを構えていた准尉が私をみて気絶してしまい軍医の田中少佐を呼んで見てもらう、
「骨折などが見受けられますが命に別状はありません」
「大佐、あせることをしないでください」
見ていた成宮に怒られ頷き、
「陸での実戦を経験しているのは私だけだからな、機体の回収は難しそうだから部品の回収後焼却せよ」
敵勢力圏なので急ぎ撤退の準備を始めた。
「陸軍です」
成宮が指差す方向に駆け足で走ってくる中隊が見えた。
「トラックとは軟弱者め、我が陸軍は歩兵と書いてあるがごとく」
トラックが羨ましいのはわかるがこの陸軍大尉はまくし立て歩兵は道を選ばなくても進軍できると言う、
「しかし進軍速度は圧倒的で100km先にも当日中楽に進めますし、歩兵は戦闘機から守れるすべはありません」
こちらのトラックは対空にも使える機関銃を装備を装備しているが、
「飛行機の1機や2機何者ぞ」
そう言いきるので演習を提案した。
「そちらは実弾で機体に命中したら撃墜で、こちらは演習弾を落としましょう」
「ほえずらかくなよ」
陸軍大尉は捨てぜりふを吐くと三日後に駐屯地郊外の演習場に中隊ではなく連隊規模で待ち構えていた。
「中隊とは言ってないからな」
陸軍中佐と共にあの大尉が現れて観戦席に座った。
「約束通り一度上を飛びます」
成葉大尉に率いられた8機が連隊の上を飛び越えるとそれに発砲し始める。
「着た時点で開始だから、いきなりとか言うまいな」
卑怯だが戦場なので気にせずにみていると攻撃を開始した。
先ずは四方向から1機ずつ連隊が防御円陣をしいている外側を機銃掃射するとそれだけで兵士はあわてて崩れる。
そこに残りの4機が演習弾を円陣に落として離脱をし、入れ替わりに同じように行った。
結果からも明らかで歩兵は一方的であり陸軍中佐である連隊長が苦虫を噛み潰した顔で大尉をにらむ、
「しかし飛行機に命中していればその爆弾は無効判定でしたからな」
私は手旗信号で演習場の端に着陸を指示して皆危なげなく着地を行った。
「命中した穴も傷も何処にも無いですな」
250kmの航空機をボルトアクションライフルで落とすなんて神業は無く必死に傷跡を探す大尉をほっといて連隊長と話す。
「制空権がないと危ういか」
流石は上級の士官であり航空機の有効性を認識して演習は終わった。
「2機で並走した方が面で攻撃が広がるんじゃないか」
「思っていたよりも先に爆弾が落ちてる」
そんなことを演習場で確認しながらその場から離陸をして帰途についた。
「戻ってこいと言うことか」
現地で指揮を執るのは良いが東京に戻るようにと参謀本部等から連絡を受けていた。
成葉大尉の操縦するフォッカーで厚木へ戻り東京に顔を出した。
「この忙しいときに現場に出ているとは空軍はいい気分だな」
戻ってくるなり参謀本部次長に嫌みを言われる。
「私が現場に出てても後方はまわりますから問題はないと」
「我々が用事があるときに空軍との連絡手段がないのは困る」
「中将閣下にお話しすれば私にも伝わりますが」
「わざわざ来ていただくわけにも行くまい」
そう言うと私を会議に参加させた。
「と言うわけで支那(中国)に対する総攻撃を行うことにし天津より第5師団及び第6師団と第10師団を送り込み蒋介石を排除する作戦を決定した」
作戦概要を説明し最後に私に、
「空軍の協力を得ることも出来たので頼むぞ」
こうなることはわかっていたが、
「我々もですが陸軍の航空隊に適切な増員と予算を振り分けていただけませんでしょうか」
大陸へ進出した陸軍の航空隊は疲労困憊で空軍から補給は受けているが人員の補充は急務と言うことでお願いをする。
「十分足りておるとこちらには来ているから問題はない」
現状を話をするが噛み合わず、
「空軍は我らの言うことを聞いておけば良い」
「陸軍ではないのでお断りします。あくまでも要請により出動しますが無理な場合には司令官としてお断りします」
「貴様参謀本部を何だと思っている」
「まあ待て、わかったが極力出撃をしてほしい、これに勝てばアメリカとの戦争になっても勝利ができよう」
アメリカとの戦争は空軍としては反対なのだがここで言い合ってもと思いながら敬礼をしてオフィスに戻った。
「至急永倉技術少佐を呼び出してくれ」
厚木の工場を統括している永倉を呼び出す。
「御廓大佐、急ぎとは」
「DCー3の進捗と、96式艦戦の配備を急いでくれ」
「DCー3はようやく初号機の製作に取りかかっており2ヶ月程でと、96式艦戦は改造が多く直ぐには」
「現行の物で良い、エンジンの換装等は時期をみてで最低20機を送り出してくれ」
無理はわかっているが陸軍の援護で飛び回るなら最新鋭機でと言うのが親心で3ヶ月以内にと約束させた。
「資材や人員や資金は優先させる」
それだけ約束させると報告書を読み長引くだろう大陸に戦いに何か打開策があればと思うが特に思い浮かばず泥沼化しそうな戦況にため息しかでなかった。




