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日本空軍  作者: まうりあ
2/8

農村と少女達

「御廓大佐、小西と言うやからはけしからん奴だ」

これで何度目なのかと思いながら陸軍の参謀から言われる。

世界恐慌が広がり我が祖国でも議員の不用意な発言により銀行が休業に追い込まれてしまい政府は恐慌を早々に静めたいがため大慌てで動いている。

空軍の大蔵省と言って良い小西はヨーロッパでの世界大戦後に買い漁った船舶を投入して海運を握り船成金と呼ばれる様にもなり白金に大きな屋敷を構えているのだがそれが妬みとなり私の所へ暇な参謀がわざわざ怒鳴りこんでくる。

空軍の会議やその他との調整があるのでここ最近厚木から離れており日比谷の一画に小さいながらも空軍省を構えてそこでディスクワークにいそしんでいる。


「予算を十分満たしておりその中から別枠で成功報酬を支払っておりそれは上も認めておられます。誠に申し訳ありませんが」

資金は金に変換しており支払いはそれで行うため各国のメーカーに対して歓迎もされており小西の商談でかなり安く機械を輸入しており人手がほしい、

「成金の空軍に何の意義がある」

何時ものように意味のないことばを吐かれ顔色を変えずに頷きながら見送り席へと戻る。


「なぜ抗議なさらないのですか」

司令部付きと言うか私の副官として戸継中尉が配属されておりそれも陸軍や海軍から軍を何だと思っていると批判を浴びるが優秀なので気にはしてない、

「抗議しても、まあ発足が異例だしおままごとの軍と影で言われているからね、気にしても仕方がないよ」

私は新型機の導入の報告書や小西からドイツの技術者の引き抜きの件等を目を通しながら、本年度の師範学校と高等からの女性徒の入学希望者が激減しているのを中尉に聞く、

「本人は希望していますが父親が許さないと」

「出る杭は打たれるか、小西殿への妬みと陸軍や海軍との絡みか」

この世界恐慌の影響は我が国にも大きくのしかかり、大震災で海外からの復興のための輸送と品物の輸入を小西がそつなく手配しさらにそれに参入した他の商社が多量に輸入して品物の在庫を抱えてしまい恨みを買ったのも要因となる。

半地下の試験的コンクリートで建てられた工場にはドイツなどから精密旋盤等が輸入されているが工員は女性であることと初期の段階で決められており、研究所では男性の研究者がいたが工場にもと交渉したが参謀本部から却下と言われてしまっている。

「せっかくの機械が、メーカー連中が教えるためと言いながら色々自分達の造りたい部品を製作しているが」

そんなことを言っていると電話が鳴り戸継が受けると美しい顔が厳しく眉間にしわがよる。

「成宮準尉の飛行機が会津(福島)で墜落したと」

3期のトップの優秀な士官であり訓練の単独飛行後に少尉に認可される予定であり、夜間の星による測量で目的地まで向かうことになっているはずで今回は福島に新規で仮設された飛行場に明朝到着のはずが到着せず飛行機が落ちたと村の駐在から連絡があったと言うことですぐに汽車に乗り現場に向かった。


「大佐申し訳ありません」

先に到着していた成葉が疲れを隠しながら出迎えてくれ墜落現場に向かう。

猪苗代湖の北西側の田圃に不時着しており成宮は頭を計器にぶつけて意識が無いと報告を受け墜落した飛行機の現場検証をそのばで始める。


「潤滑不良による発動機(エンジン)の焼き付きです。メーカーから改修を依頼されて行ったのですがそれでもこの現象が起きるとは」

整備員の頭である早川曹長が厳しい顔で言うので飛行禁止を命じメーカーともう一度対応する事を命じた。

「部下を危険な目にあわせて申し訳ありません」

成葉が成宮の事で謝罪をしてきたのを側についておくようにと言い親御さんに連絡を指示した。


「あの列はなんだ中尉」

駅に戻る途中少女が列をなして引率している男達がおり部下に聞いたがわからずすぐに東京へ戻り小西を呼んだ。


「台湾などから米が輸入され価格が下落をしてしまいさらにアメリカ向けの生糸が売れずに繭を収入の柱にしていた農民に直撃して食うに困り娘を売ったと言うことです」

「政府は」

「それどころではないと言うことですが、大佐どうされますか」

人身売買は政府が禁じているが貧困に耐えられずにと言うことで、

「彼女達を保護して教育を受けさせ工員として働いてもらう」

「生糸の生産とは上手くいきますか」

富岡製糸工場では上手くいっているが機械ではどうかと言うことを言っているがどちらかと言うと挑発されている。

「教育させれば、不向きもあるがそれは別の働きができる」

「わかりました。直ぐに手配をかけますが兵を動員してもよろしいですか手荒にせざる終えないと」

「任せる。死人は出すな」

そう言い戸継中尉に厚木に対して直ぐに小西の指示で動くようにと言い、

「それと彼女達の住む場所と学校を手配しますので追加予算を」

「密宮照仁中将閣下に伝えて直ぐに承認をえる。手配は頼んだぞ」

そう言うと小西は戸継をつれ出ていった。


「大きな騒ぎになるな、中将にうごいてもらわねばなるまい」

直ぐにあ皇居に向かい密宮照仁中将閣下に面会を求める。

「御廓大佐が慌てることもあるのだな」

事後承諾になるので早めの対応をお願いしたくそれが顔に出ているのか指摘されて耳が赤くなる。

「実は人員不足の解消のためある行動に出るので一言御口添えをお願いしたく」

経緯を話し騒ぎを起こすことになるというと嬉しそうにいたずらっぽい美しい顔で待っていろと軍服から和服に着替えその美しさに見とれながら馬車に乗り移動する。


「先日は部下が世話になった警視総監」

役所を次々と訪問して世間話がてらお願いをすると中将の美しさに見とれたお歴々が協力を申し出てくれ部下に命令をしていき最後に中将の父である陛下に内々でお願いを行い、

「御廓大佐を困らせないように、国民がこの様な事になっているのは朕の不徳のいたすところ頼むぞ」

そう言われ最敬礼で礼を伝えて中将の私室に何故か戻ってきた。


「楽しかったぞ、普段は軍服しか着てないからな大佐、どうじゃ」

いきなりふられて苦笑いしながら、

「何時でもお美しいのは空軍として誇りにございます」

そう言うと少しすねた顔で、

「誤魔化されたか、まあよい何時ものことだからな、ところでどのくらいの規模になるのかな」

少女をどのくらい小西が連れてくるのかと聞かれ、

「500名程では、空軍は倍になります」

「倍か、わかった予算を承認しよう」

そう言って忙しい1日が終わった。



「何名だって」

数日後、戸継と共に小西が報告に来る。

「名簿は作成中ですが3005名となります」

予想よりはるかに多い少女達に何も言えずにいると、

「小西殿から、食料は豊作でだぶついている米を格安で購入し建物も30人収容の兵舎を100棟手配して工場に程近い農民が離散した農地をただどうz3んで接収しましたので、これも密宮照仁中将閣下のおかげにございますとの事です」

あのやろう人数を少女を奪還するのにすでに場所などを把握していたと言うことらしい、

「今回の作戦は小西殿の指示によりわが空軍総動員で憲兵及び警察の協力を得て死者も出さず完了しました」

何も言う気にならず戸継に促すと、

「本日の新聞各紙で大々的に国民に知らしめ空軍の認知をすることができ、同時に教育のため大卒無職の募集をかけました」

そう言いながら新聞を並べて机におき、追加予算の金額の詳細をまとめたものが出され判子とサインをすると密宮照仁中将に送るように言うのをやめて直接皇居まで向かった。



「予算の件了承した。しかし御廓大佐はしてやられたと言うことだな」

成宮は目を覚ましたと報告を受けてはいるがこれも小西のと考えたくもなるのをため息で振り払い、

「農村の現状を見せて私が命令するように仕向けたと言うのも否定は出来ませんが終わり良しと言うことでしょう。厚木に向かわれますか」

「そう言ってもらえると助かる」

空軍のトップとは言え皇女であられる中将が気軽に出掛けることは出来ないが今回の事で視察にと言うことで自動車を直ぐに手配して向かう、


「資材の備蓄も世界恐慌で需要が落ちたので現地で小西が買い叩いて大量に輸入しているようだな」

震災で資材を輸入していた船舶を大手の商社がのりだして来た時点でやめてしまい買い叩いたポーキサイトやニッケルやマンガン、ゴムやガソリンを輸送してきており茅ヶ崎沖にタンカーの接岸場所を造り燃料管で送り込んでおり余剰は陸軍や海軍に購入をしてもらい備蓄を進めており小西の商才にただ驚くしかない。

「メーカーにも少しずつながら供給をしておりこれで生産が整えばと言うことです」

少しと控え目な言い方、上記の資源は最近10倍にも輸入が増えそれは我々が増やした分がほとんどである。

「それと中津川で造られている宮ヶ瀬ダムの建設も順調であり3年後の完成を目指しており今回の視察の1つにございます」

「皆が喜んでいるぞ、治水も含め洪水の反乱を抑制すると大臣からも言われたぞ」

工場を動かすのに大量の電気が必要でありそれを賄う一環として厚木からさほど離れていない宮ヶ瀬に巨大なコンクリートダムを造成中であり電力も800kw以上はかたいと言い小西の手配で海外の技術を取り入れながら空軍発足当時から計画を進めてきたと言うことで中将の希望で視察に組み入れた。


厚木に到着すると訓練をする余裕が無いのと1面にテントが展開されておりすでに少女達も含め整列をしている。

衣服もカーキ色の少しどころではない服を渡され小綺麗にしており不安な顔で見上げていたあ。

「空軍の密宮照仁中将である。諸君らは身を売られてしまったこと国を統べる者として謝罪をする。しかしこれからは衣食住不充なく暮らせるようにはかるので諸君らも勉学に勤しみ1日でも早く空軍の力となってくれる事を期待する」

中将の美しさに見とれ、皇室の1人が自分達の目の前に現れ上官として直接話をしているそれだけで感動をしており皆ほほを赤くしている。

「基地指令の御廓大佐である。皆の適正を含め工員や後方要員等に振り分けていく、上官の命令は絶対であり諸君らのミスは私を含む士官が負うものであると言うことを忘れないでほしい、階級も初歩の教育を終えているものから二等兵として扱い俸給を支払う。全員一丸となり皇国のために尽くしてほしい」

中将と私が発言を終えると空軍の兵達が所属の「桜5のい1」と所属と自分の番号を知らせて書いた紙を渡していく、その間に中将が見廻りながら時には声をかけていき歓兵式が終わった。


「通常業務どころではありませぬな」

柏木少佐が苦笑いで中将と私に会いに来る。

「大変だろうが連度を落とさずに頼むぞ」

「わかっております。しかしあの小西殿は魔法のポケットでも持っておられるのかと、少女達の移送の手配や資材などの事前の搬入等が滞りなく終わり士官達も開いた口がふさがらぬ状況です」

そんなことを言っていると本人が入室してくる。

「噂をしていたところだ小西、今回は色々ご苦労だったな、しかし御廓大佐を動かすためとは言え福島はどうかと思うぞ」

中将が言うと私に頭を下げて、

「私だけではどうすることも出来ない事があり今回は大佐に動いていただき礼を申し上げます」

「結果がよければと言うことだが成宮の件は二度とないようにな」

そして今回の計画の話しになる。

一貫の教育と現場での工員の育成と特殊な民需製品の作成で利益を出してそれを予算に当てていくと報告されていく、

「毎月テストを行い年齢に関係無く特進させていき優秀なのは飛行兵や司令部に配属するつもりです」

柏木少佐から小西と話した計画を説明され承認していく、

「しかし士官及び準士官の数が足りません、師範学校の生徒はやはり必要かと考えます」

そう言われて中将が、

「それは東京に戻ってから新聞社を集めて今回の件の事と共に国益のためと国民に伝えるつもりだから任せておけ」

そう言い皆で自動車に分乗して宮ヶ瀬ダムの現場に向かった。


正面に造りかけではあるが白い壁が立ちふさがりその大きさに中将も私も驚く、

「我が国はこれ程の物が造れるようになったのか」

「外国からの技術が無ければ未だに難しいですし、我々だけでは完成までの日数がかかりすぎます」

そう言って小西が政府の力を借りれば工事日数を大幅に縮められると言い中将の約束を取り付けていた。

側道からダムの上部に上がるとそこには村があり生活している人々がおり保証で農地を与えられるか、農民を廃業して基地周辺で新たに職を与えられて働くと説明を受ける。

「ここすべてが水に沈むと言うことか」

設計図と水が満たされたときの想像図が書かれており山々の間のかなりの土地がと言うことに想像をこえており、

「ダムの水量調整のためあそこに小さなダムを完成させております」

報告を受けて厚木へ戻った。


「ところで輸入等は小西殿が不在でも良くまわりますな」

柏木少佐が聞くと、

「現地にそれぞれ信頼する幹部をおき独自に購入させております」

発足前から育てた者達が育ち現地で指揮を執っていると言うことでさらに、

「大幅に利益が出たらあその文は彼等の給金に反映されており失礼ながらほとんどの者が大佐の給料の数倍を稼いでおります」

小西の邸宅からもわかっていたがぶかもと言われて苦笑いするしかなく、

「我々は決められた俸給をいただいておるからな、成果が反映されるのは民間だからと言うことだからな」

「そこで士官、下士官の俸給をあげてはと考えます。税金ではない別格の予算なので、他と違い未だに大佐1名少佐2名尉官25名程で財政的には倍にしても問題はないと考えます」

「よかろう私が許可する。御廓大佐の俸給は4倍、少佐の俸給は3倍、尉官は2倍で上げよう」

他の軍の将官以上の俸給にその値段だと大将の2倍以上、文句がまた出るなと思いながら頷いた。


人手が足らないので中将を含めしばらく厚木で勤務することになり兵舎の設営状況の確認や各種教育についての新卒の教師に対する打ち合わせ等次々とこなしていき3ヶ月不眠不休で対応に追われた。


「会津出の子女が成績優秀か」

「政府との戦いに破れ士族は農民に落とされましたが教育だけはしっかり続けていたようですね」

長野出身等と共に会津(福島)出身も多かったが教育はされており高等にすぐに上がっていく二等兵もおり卒業と同時に1等兵に上がり飛行兵となるものも出てきており活気がある毎日で教練がきつく脱走と言うのも実家は食うにも困る場所だったので極楽と言っていたぐらいであった。

「5回連続特進等の生徒もおり、難点は発育不良で現在は十分に食べさせておりましたが、高等学校の生徒に比べれば小さいです」

「小西殿が色々手配はかけておられますが3005名分ですからな」

「兵舎周辺でも畑を作らせてみたらどうかな、元々は農家の子だろうし」

「勉学に影響がでないようにですな」

軍の倉庫には玄米が次々と運び込まれ他にも長野などで農家を借り上げ牛を提供して増産なども始めていると言うことで、牛も育てて動けなくなると厚木へ連れてきて彼女達の腹へとと言うことになった。


私は陸軍で採用された91式戦を空軍で採用するかで暇があれば厚木に行っていると海を越えた満州で事変が起こる。

「例の陸軍の大尉殺害の件もありましたが工作が稚拙すぎます」

成葉が大尉に昇進し空軍の大隊指揮を正式に任される事になり海軍の檜山少佐は海軍から呼び戻されることになり頭がいたいが、この事変で諸外国が介入してくるのは目に見えており徐々に戦争の影が迫ったと皆で認識している。

「ところで大佐は91式戦の導入を見送られたと」

「あの不安定さは設計の何処かに間違いはあると考えている、売り込んだ中島には悪いがな」

「水平飛行でスピンするのは経験の浅い飛行兵では確かに危険ですね」

ようやく落ち着いて来て窓の向こうでは何十機と戦闘機を飛ばして練習に励んでおり皆忙しく働いている。

「それよりもBMWの92式戦を導入したいのだが整備の経験もかねて、ただしエンジンは我々で改良を加える。研究所からも可能と回答を得たからな」

「確かにエンジンの信頼性を上げれば時速350kmはかたいと、迎撃には十分だと思われます。それと九二式車載十三粍機関砲を改良して軽量化し航空機に搭載できるようになったのでそれを搭載させてみては」


かねてから戦闘機相手もだが爆撃機相手に7.7mmでは威力がと言うことで陸軍が対空戦闘用に開発したのを余分な装備を取り払い研究所が完成させた機関砲であり連射速度も倍の850発まで上げてあげ、携行弾数も300発まで可能と言うことだった。

その他にも将官と飛行兵には護身用としてM1910を持たせており小銃の話しに、

「我々は体力で劣る子女で編成されており内地ならいざ知らず外地では38歩兵銃では火力不足なのでアメリカでピダーセンT1とガーランドT3と言うのが競合されており半自動の銃と、それを小西殿が数丁入手してきて研究室で長所と欠点を洗い出して新型の半自動小銃を作成中ですが」

「陸軍が色々か」

「どのみち戦争となれば生産も手工業で平坦も馬な陸軍では破綻してしまいますからこちらから言わずに、車両について陸軍採用の6輪トラックを改造したものを制式化でよろしいでしょうか」

今あるのは色々なメーカーのを中古で購入してきているのでこの際新規と言うことでいすゞのを制式採用と言うことで落ち着き満州での火種に注意しながら独自路線を進む事を再度確認した。



陸軍の参謀本部から呼び出されお歴々に相変わらず言われ満州での空軍の軍事行動を求められる。

「首都圏防衛についてもこれから模索をしていかなければならないので」

「これだけ領土が広がり敵が遠方にあるのにどの様な危険があるのか」

領土は広がったが目の前は大海原であり空母があれば侵入もできる。

しかしそれを言っても想像つかない堅物に視察団の派遣を約束されてしまった。


「流石に私が出ることは出来ないが、御廓大佐に任せる。彼女達を引率して戦場の雰囲気を体験しろ」

中将は笑いながら正式な命令をだし翌月には成葉の指揮の元、士官下士官と兵員に優秀な成績を修めている女性徒100人を引き連れ小西の手配の船で大連へと向かった。

 船で移動して今度は占領した奉天へとへと向かい到着する。

飛行場は前の政府が造ったものがありそこに陸軍の司令部も含め駐屯していた。


「空軍の御廓大佐です」

「参謀の石原(莞爾)です」

この男が今回の事変を起こした張本人であり陸軍内では私と同じ鼻つまみものだった男で一時期上官として共にしていた男、

「張学良にそっぽを向かれて急ぎすぎと思いますが」

父親を殺された満州を統治していた張学良は反日本となり大陸と結び付こうとしておりそれが諸外国の介入原因になると考えている。

「大国しか生き残れない、日本に満州は必要と言うわけです」

その言葉のやり取りで理解はしたが肯定は出来ずに実務にうつる。

「フォッカーF7/3mを導入するつもりだが内地と行き来をするのにパイロットを提供しては貰えないだろうか」

奉天からなら経由地を設定しないでも飛べる距離だが陸軍もパイロットが足りないと言うことだろう、

「経費はそちら持ちで1日2便で良いなら受けましょう」

それで話が決まり直ぐに航空機の手配をすると言い私も了承した。

「先ずは1ヶ月間厚木と往復して完熟飛行を行う、整備の小ー3小隊をここに常駐させる」

それを決めて内地の中将に事後報告を行いこちらの整備宿舎を手配していき一度厚木へと戻った。



3か月後、フォッカーF7/3m輸送機が到着する。

3発の発動機で乗員は12名で布製の機体で厚木周辺で完熟飛行を行い整備小隊を乗せて私の操縦で奉天へと飛んだ。

「1700km程か10時間程だな」

気流の関係もあるのでもう少しかかるが時速170kmで北西へと飛び日本海を抜け半島を飛び越えて朝出発して夕方に到着をした。


「自ら操縦とはな相変わらずだな」

石原大佐が自ら出迎えてくれてる。

「根っからの飛行機乗りですからね、後は部下である彼女達に任せますよ」

そう言っていると成葉を含め整備小隊が降りてきて早速メンテナンスを行う、

「能力があるなら歓迎はする。まあ内地よりも働きやすいとは思うがな」

「ところで満州鉄道の傘下と言うことか機体の名前をみるに」

機体には満州鉄道航空事業部と小さく書かれており陸軍が隠れ蓑にしているこちらの会社の名前が気になる。

「表立ってはだし問題はあるまい」

それだけ言うと石原はいってしまった。


「大佐、戻りは私の操縦でよろしいですか」

成葉が言うので、

「今は表立っては会社だ、御廓で良いぞ」

そう言うと少しだけほほを赤くしながら頷いた。

整備を終わりこちらから出発をする。

こちらには責任者として成宮が整備小隊と残り毎日飛んでくる航空機の受け入れに忙しく動き回ることになった。


「方位3度ずれ修正を」

夜間の好天観測を星で行いずれを修正しながら飛ぶ、

「修正します。エンジン温度問題なし、日本海へ出ます」

下は真っ黒な海であり空と対照的であり飲み込まれれば死をも連想させられながら天候が悪いアルプスを迂回しながら朝をまわった頃に厚木に到着した。

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