5話 運営の罠
4/16:ナイフについての説明を追加。
勿論、見た目通りの使い方もできますよ☆
4/20:手榴弾についての値段や種類についての記述を変更。
4/27:←これを一部、入れ忘れてましたてへっ☆
正式名称……ごめん、比で使うことしかわからないし、対って呼んでます☆
てか星多い☆
5/29:ちょっと装備について変更。
端的に説明すると、各部オプションは無制限で大体何でもありだけど、付けすぎると装備重量オーバーで能力下がっちゃうかもよってことになりました☆
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PN:ましろ
HP:100/100
Str:20
Vit:10
Dex:20
Agi:10
Luk:10
Sen:30
メインスキル
『銃マスタリ』Lv1
『狙撃術』Lv1
『応急処置』Lv1
『器用上昇』Lv1
『感覚上昇』Lv1
装備
頭:迷彩帽
メインハンド:BGNライフル
サブハンド:(BGNライフル)
腕:迷彩グローブ
上:迷彩服・上
下:迷彩服・下
腰:革のベルト
足:革のブーツ
各部オプション:無し
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PN:ウォータム
HP:200/200
Str:25
Vit:20
Dex:10
Agi:25
Luk:10
Sen:10
メインスキル
『剣マスタリ』Lv1
『速度上昇』Lv1
『近接術』Lv1
『戦兵の雄叫び』Lv1
『生存本能』Lv1
装備
頭:軍帽(黒)
メインハンド:光剣BEGIN
サブハンド:空き
腕:白い手袋
上:軍服(黒)・上
下:軍服(黒)・下
腰:革のベルト
足:革のブーツ
各部オプション:無し
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ここで、少し装備について説明を挟もうと思う。
装備欄については、基本的に自由である。
事前に決められた部位、すなわち頭や腕などに装備することができるのに加え、無制限に『各部オプション』として装備することができる。
例えば手袋を二重に付けたり、体に簡易的な防具を装着したりすると『各部オプション』欄にアイテム名が記入される。
別にそこに入ったからと言ってこれといった制限もないし、むしろそれがないと装備重量に余裕ができやすいので、積極的に装備していくのがいい。
何かを着て死亡率が高まるなんて言う事態はそうそう起きないからな。
ちなみに、『装備重量』と『携行重量』は、別物だ。
簡潔に言うと、『装備重量』は『恒久的に装備し続けても能力の低下が起こらない重量』のことで。
『携行重量』は、『アイテム欄に入る限界重量』のこと。
装備重量は多少オーバーしても、すぐに影響が出るという訳でもないから、装備が整ってきたら皆普通にオーバーするはずだ。
……また、短期決戦用か籠城戦用に、装備を変更するプレイヤーも現れるかもしれないな。
影響出ても基本Agiだから、移動しなければ問題ないしな。
ちなみに、初めてのスキルの内容を解説すると、
『狙撃術』:遠距離からの攻撃の精度と威力の上昇。
『応急処置』:接触している対象を回復する。回復量はDex依存。
『~上昇』:~に関係するステータスを上昇させる。ステータス画面には反映されない。筋力=Str、耐久=Vit、器用=Dex、速度=Agi、運気=Luk、感覚=Sen
『近接術』:狙撃術の逆バージョン。近距離からの攻撃の精度と威力の上昇。2つの間、つまり中距離用に『射撃術』というのもある。
『戦兵の雄叫び』:大きな声で叫び、自分のステータスを上昇させることができる。場所が完璧にばれるため不人気。ちなみに戦兵というのは造語なので悪しからず。
『生存本能』:HPが一定以下になると、5分間のみステータスが爆発的に上昇する。銃の威力にはまっっったく関係ない。
……光剣、普通に強くないか?
なんかそれ用っぽいスキルいっぱいあって、正直ショットガンとかよりも魅力を感じるんだが。
言ってみると、
「ああ、ショットガンはショットガンで威力と命中高いから、少し遠くから撃たれると案外簡単に逝くらしい」
更に言えば、敵は動かない的じゃない、後方に下がることもできる。
つまり剣の届かない位置から一方的に撃たれまくり、蜂の巣になることが多いとか。
……よく考えたら当たり前だな。
スキルの感じに騙されていたが、銃も基本的に威力高いし、射程も長いのだ。
……そんなの相手に、果たして生身1つで生き残れるのだろうか。
俺も、お前も。
……いいや、違うな。
1対1で勝てないのなら、2対1で勝てばいい。
もしくはこちらの方が数が少ないなら、チームワークで勝てばいい。
幸いこの3人、意外と相性は悪くない。
俺がちゃんと動けるなら、むしろきっと、無敵のチームになることも可能なはずだ。
……そのためには俺が、頑張らないとな。
「2人とも、もうステータスの確認はいいか?」
「ああ、大丈夫だ」
「わ、私ももんだいないでしゅ」
俺はパンと手を叩き、言った。
「よし、じゃあまずは買い物からだな」
「おーー!」「お、おー!」
――――
ということで、ショップにやって来た。
ここではある程度のグレードまでの武器や、手榴弾や薬などのアイテム類を買うことができる。
また魔物の素材を売ることもできるという。
まだずぶの素人である俺達は、足繁く通うことになりそうだ。
「ふわぁ、明るいですね!」
「ふうん……なんかいいな、こういうの」
「だなだな、俺も好きだ、こういう近未来的なの」
あ、金銭に関してここで一度軽く説明しとこう。
単位はGで、初期資金として普通1000G渡される。
これは薬や手榴弾、銃弾一式を買い揃えられるくらいの金額だ。
ちなみに初期武器貰っていない俺には、3000Gが初期資金だった。
くくく、3倍だぜ。
ってことで、手榴弾手榴弾、と。
ふむ、スタンダードなのは破片手榴弾という、破片を飛ばして対象を傷つけるものか。
他にも熱と爆風で攻撃する衝撃手榴弾、煙で周りを覆い隠すスモークグレネード、光と爆音による非殺傷手榴弾であるスタングレネードというのもある。
値段的には、高いのか安いのかわからんな。
初期資金1000Gだったら、きついものがあったくらいか。
それで――お、こんなのもあるのか。
ふむふむ成る程──
────
ということで、選び終えました。
破片手榴弾、衝撃手榴弾という殺傷に長けた手榴弾を中心に、スモークグレネードやスタングレネードも念のため多少買った。
他のに比べ、比較的安めである破片手榴弾は、1つだけ高いグレードのものも買った。
『M67破片手榴弾』というらしいが……お金がもったいないし、そうそう使わないだろう。
保険だ、保険。
締めて2900G。
……うーん、少々選択を間違えたような気がしないでもない。
……まあ、なんとかなるでしょ。
ちなみに100Gは保険のため取っておくつもりだ。
「お前薬買わずに手榴弾ばっか買うとか馬鹿じゃねーの!?」
案の定、ウォータムに怒られてしまった。
だがこう俺は思うんだ。
「……むしろお前らたった1000Gでどうやりくりしてんだよ!?」
「そんなに手榴弾要らないんだよ、普通はな。薬も1ストックあれば所持制限だ、後は弾やパックだな、それでも100Gくらいは残るぞ」
……ぐむむ。
正論過ぎてぐうの音も出ない。
てかそのために所持制限があるのか、少し納得。
「わ、私が手当てするので大丈夫ですよっ!」
「あ、ありがとう」
そういえば応急処置を持ってたなこの子。
だけど、俺がダメージ受けて、そこにのこのこ近づいていったらそれこそ蜂の巣じゃないか、なんて口が裂けても言えない、言わない。
「……まあ、初心者セットの中にも多少は薬あるしな」
「そういえば二人とも、これは買わないんですか?」
そう言って彼女が取り出したのは、一本のナイフ。
それはおよそ、刃渡り20cmくらいの、俗に言うコンバットナイフだった。
根元の部分がギザギザと、まるでリアス式海岸を見ているようだ。
……何それ、ただのナイフじゃないのか?
ウォータムもましろの方を向いて、呆けている。
「剥ぎ取りナイフと言うものらしくて、店員さんがお勧めしてましたよ。余裕がなかったので、一番安いタイプにしました」
その言葉を、正確には名称を聞き、理解した。
……間違いない。
これは、魔物の部位を剥ぎ取る、つまり弾以外を魔物からドロップさせるような効果だ。
これが初心者セットに入ってないなんて、なんて不親切なんだ。
……いや、確かに必須ではないけどさぁ。
……これが、説明書に書いてあった罠ってやつか、危なっ。
ウォータムも俺と同じ結論に至ったようで、
「「いくらだ!?」」
「あ、あの……100Gです」
「「ありがとう、ましろ!」」
俺達2人は即効そのコーナーに向かった。
そして俺とウォータムの所持金は、めでたく0になった。
――――
「そういえば、買ったものを試せる場所があるんだっけ?」
「おう、更にそこで使ったアイテムは減らないらしいぞ!」
「そうなんですか、凄いですね!」
地下に続く階段を降りると、そこは射撃場だった。
何人もの人々が、的に向かって銃を撃っている。
どうやら武器種によって的の数や距離が変わるらしく、そこでサブマシンガンを連射している男性が数々の的を穿っていた。
あれはさぞ爽快だろうな。
2人も、その雰囲気に呑まれているらしい。
俺は近くにいた職員さんに、
「あの、手榴弾試したい場合はどこに行けば?」
「はい、手榴弾エリアはあちらのゲートを通った先でございます」
「成る程、ありがとうございました」
そして俺は未だ放心状態の2人の方を向き、
「じゃあ俺は、手榴弾試してくるから。……ついでにスキルもな」
――――
そこは、だだっ広い空間に、案山子が一つ配置されているだけの殺風景な場所だった。
「……てかショップの地下に荒野があるって……」
まあ、そういうこともあるのだろう、科学が今より進んだ世の中なら。
数人が手榴弾を投げているが、やはりスキルを取っていないとそこまで飛ばないみたいだ。
……と言っても実際は、スキルを育てないとそこまで恩恵は無いらしいし、今のは純粋に筋力値の差だろう。
彼等は精々2~30メートル、といった所か。
「じゃあ早速……第一投」
バシュンと風を切る音と共に、手榴弾が飛んで行く。
それはぐんぐんと距離を延ばし――案山子を余裕で通り越し――右奥目算100メートル先辺りに着弾した。
俺としては案山子を狙ったつもりだったのだが、どうやら一筋縄では行かないらしい。
まあ、勿論そうだよな。
だってDex最低値だもの。
むしろ後ろとかに飛んでいかなかっただけましだ。
「とりあえず、スキルレベル上げてからが勝負、だよな」
果たして、レベル上げたときの投擲のDex補正が如何なものか。
そう考えながら俺は、手榴弾を投げ続けるのだった。
スキルレベル上げには、物資が減らないここは丁度良いからな。
……周りの人が、俺を化け物を見るような目でみていることも知らずに。