霧島恵と言う名の子の物語、別バージョン
霧島恵と言う名の子の物語、別バージョンになります。
ご都合主義満載なのと、精神的ボーイズラブがありますのでご了承の程よろしくお願い致します。
「お義父様、お義母様、ぜひとも明君をお婿さんに下さい。
必ずや幸せな家庭を築きたいと思います。
ぜひとも許嫁の関係でいたいと思います。
あと、これはきっと私も明君も記憶が残らないかもしれませんが、今の内に述べておきます。」
若干3歳の時の私の言葉になる。
この時の明君の両親、私の両親の複雑な顔が浮かんでいた様な記憶がかすかに残っていた気がする。
一応記録としてカセットテープに録音してもらい、証拠として保存してもらうつもりだ。
この時の明君はなんの事かわからない顔をしていたと思う。
私事、霧島恵とひゅうが明君は偶然にも同じ誕生日で少しばかり私のほうが先に産まれた。
両家の両親が親友であり、なおかつひゅうが君の両親は私の前世の両親であった。
思えば前世の私は男として生を受け、結婚もせず両親に孫の顔も見せてあげれなかった。
今世では女として生まれ、前世では結婚できなかった自分と結婚して苦労を掛けていた恩返しをしたい物であると思う。
いわゆるタイムスリップしており、一応起こる出来事は前世の世界の出来事と同じであり、文化面等私にとっては懐かしい光景である。
良い事は起きてもいいが、悲しい事、不幸な事は今世では起きて欲しくない物である。
家族構成は両家とも今の所3人家族である。
私の所は父が将来は合併をして大手ゲーム企業になるがその前身のとある会社に勤めている。
母は普通に専業主婦である。
対してひゅうが君の家は全国規模の会社で、とあるプロ野球球団を持っている。
現在はその1社員に過ぎないが前世では営業課長になり全国を転々としていた。
単身赴任としてだが・・・。
母親は私の所と同じく専業主婦をしている。
という事で、ひゅうが君には将来ぜひともプロ野球で活躍して欲しいと思う。
なので遊びと言えば、2人でゴムボール投げやビニールバットでふぶりの練習をしていた。
これには両家の父親達も率先して練習に付き合ってくれた。
物心つくまでに自然と野球の練習をするのが当たり前だと思わせる様に仕向け、
将来プロを目指すべく熱心に特訓を繰り返した。
勿論私も身体造りに付き合い、持久力、瞬発力、柔軟性その他もろもろスポーツにのめり込んだ。
冒頭のセリフは私と明君の別れの挨拶の一環で行われたものである。
そして私は別れぎはの時に思い出として接吻をかわした。
明君にとっては突然の出来事でちょとんとしていたが、両親達は違った態度をしていた様な気がする。
いわゆるお互いのファーストキスというやつである。
しばらくしてお互い遠くに引っ越してしまった。
私は東京、明君は東海地方その後は私は知らない。
一応親どうしは年賀状を送りあっていたらしいが、別れたあとも明君は野球にのめり込んでいるらしい。
小学校に入りスポーツ少年団は野球を選択し、日夜勉学は勿論の事没頭してるらしい。
一応写真には2人の遊び風景(練習風景)があるが、本人は私の記憶があまり残ってないらしい。
寂しい事だ・・・。
物心つく前なのである程度は忘れている事は考慮済みだったが、覚えてないと言うのはやはり寂しさを感じた。
肝心の私の事だが、子役の劇団に入り演技力を高めていた。
周りの子達と違い、精神年齢は何十倍も上回っており、難しい演技を難なくこなしていた。
しばらくしてTV出演もする様になり、その時芸名も付けた。
きらびやかな芸能界の荒波は想像以上に厳しく挫折する瞬間が何度も起こった。
私の芸名は如月美奈子になった。
表向きは清純派子役として活躍しており、質素で地味系統を売りにしていたが、内面、外面から伝わるカリスマ性の魅力があふれており、世間では美少女子役として名前が売れていた。
きらびやかな芸能界も事務所の力関係等、私のあずかり知らない所でCM出演やTV、ドラマ、映画もろもろの仕事が増えていった。
小学4年生までは普通に仕事をこなしていたが、5年生になると胸の成長がいちじるしくなり、なぜか身長が130CMぐらいで止まってしまった。
俗に言うロリ巨乳という物になっていった。
この頃からメディアへの露出を減らし、あこがれの職業でもあった声優の仕事を受ける様になり、
遂には世間からはいなくなった説等のとんでも説が流布していた。
当の自分は前世での父の会社でのコンテスト、それにともなう国民的ゲームの発売の時期が近いと悟り、
世間には内緒でコンテスト会場に関係者として入場させてもらい未来の天才達、神と呼ばれる方々との邂逅をはたした。
勿論この時は芸能人如月美奈子ではなく、単なる1一般人を装い歓談をした。
あれよあれよという間に某国産ゲームが発売される事になった。
ゲーム会社の家族という特権をいかして、小学生を集めた実機テストプレイに参加させてもらった。
自分にとっては後世何度もプレイした事がある物の、周りのレベルに合わせないといけないというジレンマもあった。
いくつかの記憶に残っているパスワードを入力してみたがまだ受け付けてない様だったので少しばかり気落ちした。
さすがにテストプレイ版と製品版との違いがあるので、心おきなく意見してもよいとの事でアドバイスみたいな物を書き込んだ。
未来での実際の商品との比較等を記載している内に、開発者の人と個別に話す機会が設けられた。
以前のコンテストの時に顔をみせていたが開発者として関われる事に感謝した。
現在のゲームバランスその他と本来の商品との違いを述べていくといたく感謝されてしまった。
いわゆるタイムパラドックスに陥っているのは内心思っていた。
しかし後世でああすればよかった、こうすればよかった案等述べていき、そのつどデータが色々と書き加えられていき最適化されていく。
ひとまず自分は部外者なので開発スタッフとして名前は残したくないと進言するとしぶしぶ承諾された。
ちなみに構想にはあるのだろうが続編の難しいと言われた部分は一応進言しておいた。
私の干渉により、このシリーズの評価が変わると考えると怖くなった。
時間は少しさかのぼるが、まだTVに露出してた頃仕事を切り詰めて熱心に頑張り2週間ばかり休みを貰った。
休暇先は勿論現在の過去の自分。もちろんひゅうが君の様子を見る為だ。
無理を言い、ひゅうが君の家に厄介する事に成功し、2週間程彼の通っている学校へお世話になる事になった。
無理を言いひゅうが君と同じクラスにしてもらった。
勿論私の正体を知っているのは担任の先生と教頭、校長先生、理事長のごく少数になる。
やはりというかひゅうが君は私のファンになっており、霧島恵こと如月美奈子だと明かすと大層驚きの表情を浮かべ、大変喜んでいた。
いわゆる昔の約束の同棲生活である。
3歳の頃の話である許嫁の話は、案の定覚えていないらしく許嫁がいるとしかわかっていなかったらしい。
大ファンである私が許嫁であると言った時の驚き様と嬉しざまは見ていて気分の良くなる光景であった。
「お久しぶりです。お義父様、お義母様。ご機嫌麗しゅう。
私の事は余りおおっぴらに存在をばらさない様にしていただきたいのです。
折角の休暇を邪魔されたくありませんから・・・。
ちなみに明君は野球にのめり込んでいるでしょうか?」
「うん、問題ないよ。」
「それは良かった・・・。
今度キャッチボールをいたしましょう。」
「別にいいけど目立たないの?
そういうのいやじゃないの?」
「普段の私でいたらめったに目立たないだろうと思います。
なんだったら化粧して別人になる事も考えられますが・・・」
「いや、メイクするより自然体の姿が似合っているよ。」
「まあ、お世辞でも嬉しいわ。」
「いや、お世辞じゃないんだけどね。」
私の夢は明君がプロ野球選手になり、そのデビュー戦の始球式に登場する事。
そして試合に勝ち、私は勝利の女神になる。
壮大な夢を心に秘めながら2人してキャッチボールをした。
しばらく学校に通う事にしたが、案の定明君と同じ屋根の下で過ごしてる事を聞きつけたクラスメイト達に質問攻めにあった。
私としては隠してる事だったが、他のクラスの人が2人でキャッチボールしている所や明君の家に出入りしている所を目撃したらしく、2人の関係性についての質問がなされた。
「単なる親同士が友人なだけですよ。
それでしばらく下宿させていただいてるのです。」
周りからどよめきが起こった。
「こんな可愛い子と同じ屋根の下とか羨ましい~!」
一応許嫁の関係性は黙っておいた。
だが・・・
「そういえばひゅうが君には許嫁がいるという話だけど、もしかして恵ちゃんの事なの?」
とある女生徒が言ったのを皮切りに更なるどよめきが起こった。
「すげ~初耳だぜ。ひゅうがに許嫁がいたとはな。
今度紹介してくれよ。」
無責任な発言が飛び出してきた。
紹介するもなにも既に今いるわけで・・・改めての自己紹介は控えておこう・・・。
しばらく平穏な時を過ごし、今日で明君の学校最後の日となった。
「そういえば前々から気になっていたんだけど霧島さんてもしかして子役タレントの如月美奈子さんと親族だったりする?
いや、雰囲気とかどこかで観た事あるような気がしていたけど、まさかの本人とか?」
多分冗談のつもりだったのだろう。
だが私は言葉に詰まった。
ここで正体がばれてしまえばいままでの静穏な生活が崩れてしまう。
「そんな事関係ありませんじゃないですか。ただ単に他人の空似でしょ?」
と返答するだけで精一杯だった。
バレた所でクラスメイトは勿論、他のクラス、上級生、下級生、先生達からのサイン欲しさに群がってくるのは明らかだから言葉を濁した。
「そうだよね~まさかこんな所に有名人がいるわけないよね~。」
「そりゃそうだろう?まさかね~。(ちらっ)」
周りがざわめつく。少しばかりの罪悪感がこみあげてくる。
ここで1人のクラスメイトが場の空気を読んでか、
「では先生に頼んで、クラスの集合写真を撮ってもらおうよ。
霧島さん個人にも記念になるだろうからね。」
「「「「賛成!賛成!」」」」
学級委員らしき子が先生にクラス写真の依頼をしに職員室へと向かった。
「では霧島さんを中心に皆集まって!」
明君との距離は少し離れていた所にいる。
私は少し寂しげな表情を浮かべていたらしく、周りの生徒が気を使って隣にしてくれた。
「じゃあいくよ!はいっ!チーズ!」
集合写真の顔ぶれは明君のクラスメイトを筆頭に、私の正体を知る理事長、校長、教頭、担任も写っていた。
「この写真は額縁に入れて後生大事にするぞ。」
と、学校関係者の面々は言っていた。
別途、学校関係者から霧島さんの1人だけの姿の写真が欲しいと頼まれた。
普通ならマネージャーを通しそれ相応の額を請求するべきなのだが、学校生活の便宜を図ってくれた恩もあるので相談してみると言いその場を逃げた。
しばらくして写真を撮らされた。
マネージャーと相談している内に数か所の撮影ポイントが決められていて、色々な仕草を要求された。
後でフィルム確認をしなければならないと心に誓った。
後日マネージャーが来てフィルム確認をしてネガはこちらで管理し、希望番号制にして学校に渡したらしい。
生徒達からも購入希望者が続出してるらしいのは後から聞いた話である。
私と明君との再会の日にちの残りもごくわずかになり、明君の家の近くのテーマパークに行こうという話になり、デート気分でその日を満喫し楽しいひと時を過ごした。
その時の周りの来場者達のいくにんかは周りの景色を写すフリをしてあきらかに私を写す様がたびたび見られた。
明君と私は絶えず離れずに行動した。
さいわいして、おっかなびっくりイベントは起きず実にまったりと1日を過ごした。
そして別れの日が来た。
「またいずれ逢いましょう。
お互い夢に向かって頑張りましょう。」
「ああ、そうだね、いつの日か君を迎えられる様な立派な男になるよ。」
別れぎわ私は彼のほほに接吻した。
彼はひときわ驚いていたが、喜びが勝っていた。
彼は忘れているかもしれないが、お互いのファーストキスは3歳の頃に既にすましている。
だが彼は忘れているかもしれない。
否、物心つく前だから忘れているはず。
だからこそ改めて、今度こそファーストキスを認識させてあげる。
そっと明君の唇に接吻した。
より一層の驚きと戸惑い、しかしそれに勝る喜びの表情を浮かべていた。
別れぎわ、父の会社並びに今後のゲームの展望を述べた。
今後こういったゲームが出るからね。と。
「この話は内緒にしてね。」
「ああ、わかってるよ。」
彼は半信半疑の表情を浮かべて返してきた。
そして数年後、私は売れっ子声優になり、先輩、後輩、前世の時の有名声優がまだ卵状態の時から色々と面倒をみてあげて、業界ではロリ巨乳姉御肌声優として名前が売れていた。
彼、明君も昔の約束を果たすべく甲子園に出場、優勝してその存在感を十分にアピールしていた。
そして驚くべき事に全球団からの1位指名を貰っていた。
彼の本音は彼の父が務めている企業が良かったのだろうが、結果はどうなる事やら・・・。
結果を述べると見事希望通り彼の父の勤める会社の球団に入る事ができた。
19歳を過ぎてまもなく私と明君は電撃結婚をした。
前々から明君には許嫁がいる事は知れ渡っており、相手が誰なのか争点になっていた程だ。
明君の母校の小学校ではごく当たり前の様に納得された。
今でも理事長室には私達の集合写真が飾られている。
そして当初目的である結婚して、両親を喜ばせるという関門は果たせた。
次は、明君のデビュー戦の始球式に抜擢されるという事である。
なんとかコネで始球式にでれるのはありがたいが、旦那のデビュー戦を華々しく幕開けする為にも陰ながら久しぶりに投球練習をした。
遂に来た始球式の場面、外見からは届くかどうかも心配されたがどうにかストレートを投げてど真ん中に命中した。
その時の周りの驚き様は見ものだった。
しかし、その驚きも旦那事明君の投げる球が皆の度肝を抜いていた。
まさに夫婦共同作業というやつであった。
結果は華々しくデビュー戦を飾れてヒーローインタビューに旦那が出て、奥様紹介という事で始球式を終わった後も関係者席で観戦していた私が出てきた。
翌日のスポーツ新聞には私の写真を採用してる会社もあるらしく1面を飾ってしまったのは気恥ずかしいながらも感慨にみちた感情があふれた。
それからしばらくホームゲームでの旦那の時、それ以外での始球式を何度かさせてもらっていたが、なぜかはわからないが私が始球式を担当すると勝利してしまうのだ。
これに目をつけた他球団は私に始球式を担当させようと策を講じるががんとして断った。
全く関係ないゲームならまだしも、旦那がビジターとして訪れる試合の打診まできた。
いつのまにか私が勝利の女神に祭り上げられている事に気付くのはさほど時間はかからなかった。
あれよあれよとペナントで優勝し、日本シリーズでも優勝した。
ちなみに私の仕事柄マスコットの声優を担当した。
そして優勝記念に球団ソングが作成されることになり、歌手は私がなる事になった。
そして翌年、2人の20歳の誕生日に新たなる息吹が誕生した。
まさに奇跡と言える物で、夫婦、子供3人が同じ誕生日になったわけである。
これで前世での心残りであった自分の結婚と両親に孫の顔を見せる事ができた。
あとは旦那事明君の球団が常勝チームになる事を願うばかりである。
まさにこれからが大事なのだと思う。