表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小さいがいっぱいの短編集

小さい王子様

作者: 夕凪すてら

微弱な寝息が、手に伝わる。


「ねたくないねたくない。せんせいのおてつだいしたいっ!」


男の子は、寝る直前まで駄々をこねていた。

でも、それが嘘かのようにいまはぐっすりと眠っている。


私を慕ってくれる男の子。


片付けや荷物運びをしている私に、


「せんせいは、おんなのこなんだから。ここは、おとこのこのボクにまかせて」


と率先して、力仕事を手伝ってくれる。

それはまるで困ったお姫様を助ける優しい王子様!


でも、小さい身体には荷が重くて、悔しそうに私の背中を見つめる。

落ち込む姿も愛らしい。


手伝うといいだしてくれたことが嬉しくて、ついつい甘やかしてしまう。

普段からいい子だから、なおさら。


――センセー、自慢の園児!


いまはまだ心身ともに未熟な小さい王子様だけど、これからの成長が楽しみで仕方がない。


男の子はどんな大人になるのだろう。

あどけない表情で周囲の女の子を魅力する可愛い系男子?

それとも――


男の子の成長を間近で見守れる。

それがセンセーとしての喜び。


願わくば、大きな王子様になった姿も見てみたい。


そう思わせる、可愛らしい寝顔だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ