家族と仲間
皆自分たちのステータスを見て思い思いにしゃべっていると
「皆さんとりあえず明日詳しい話をしましょう。お部屋の準備ができましたので今から案内しますね」
とお姫様が言ってお開きになった。
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ところ変わってここは集に与えられた部屋。
「いやはや、一人でこの部屋はないだろう」
この部屋は一人では大き過ぎるのである。ちなみにこの部屋の大きさは地球で言うと某国の某リゾートホテルの二倍以上の広さである。
そしてそんな所で集は何をしているかというと・・・
何もせずに与えられた部屋のベッドの上でゴロゴロしていた。
(いや、だってやることないし)
そんなこんなで時間を潰していると部屋の扉をたたく音がしてその後に
「集、入るわよ」
といって姉の澪が入ってきた。
「どうしたの?姉さん」
そう言うと、姉さんは部屋をぐるりと見渡して満面の笑みになった。それに対し集は
(怖い。本能が逃げろと言っている)
と少し引いたが、そんなことはお構いなしに、
「ねぇ、集。私達どうなるんだろうね~」
そう言いいながら姉さんはベッドに・・・いや俺に近づいてくる。
(本能が逃げろと言っているのに、恐怖で足が動かない)
「うーん・・・それはわからない。」
そう言うと、姉さんは俺の隣に座って
「皆楽しみにしているけど、私は怖いよ」
と言って俺に抱きついてきた。なぜか少し震えているような気がする。
(姉さんがそんな弱気になるのは珍しいな~)
「大丈夫姉さんは・・・いやみんなは俺が守るよ」
そう言ってかっこつけた時にまたドアが叩かれた。
「集入るわよ~」
そう言って優香、美雪、夏、冬の双子コンビそして、仁と五月のリア充どもが入ってきた。
そして入ってきた人たちの第一声は・・・
「何やってんのよ集「集先輩」!!」
だった。
「いやいやいや、なんで俺なの!」
お約束である。
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「まあそれは置いといて……澪さん泣いてないよね?さっさと退かないと力ずくで引き離すわよ!」
(なん、だと・・・泣いてないのかこれ。長年一緒に住んでる俺でさえ気づかないのによく気がついたな)
そう言われると澪姉さんは
「嘘じゃないよ~。泣いてるよ~」
と言った。
うん、絶対に嘘泣きだな。
「そう、意地でも離れない気ね。いいわ、そっちがその気ならこっちだって考えがあるわ」
そう言って優香も澪姉さんと同じように俺に近づいてきた。違うのは、目の前まできてしゃがんだところ
「ねぇねぇ、集知ってる?」
「何を?」
「澪さんはねぇ~集が学校行っている間にねぇ~集の部屋に忍び込んで・・・もが」
急に澪姉さんが立ち上がって優香の口を塞いだ。
「分かった分かったから、離れるからそれ以上言わないで」
「えぇ~これから面白くなって行くところなのに~」
ここで俺も一言
「えぇ~俺も聞きたいな~。俺がいない間に澪姉さんは何やってるのかな?」
そう言うと『うゎー集ひで~』という声が聞こえてきたけど無視
「あ、やっぱり。集も気になるよねぇ~。えっとねその続きは・・・」
「わあわあわーーあんたなんでそんなこと知ってんのよ!」
「それはねぇある筋の情報家から買ったからよ。」
「・・・覚えておきなさいよ!絶対泣かしてやるから」
そう言いながらちゃんと離れて行った。
(あ~あせっかく気持ち良かったのに~)
密かに少し楽しんでいた集であった。
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「で、なんでここに来たの?皆で」
そう聞くと皆はそうだったそうだったと気を取り直して
「集『集先輩大ニュースですよ」・・・」
おいおい優香が睨んでるぞ夏。
まあそれはそれこれはこれで
「何が大ニュースなんだ?」
「それはですね「ここの世界聖霊とかもいるんですよ。つまり想像の動物達にも会えるんですよ。それに一夫多妻なんです!!」・・・」
今度は夏の声に美雪が被せた。
ちなみに美雪は非の打ち所がないと先生たちに言われていたが・・・そんなことはない!こいつは相当のゲームオタクだ!それもゲームの世界に入りたいと常々言うほどの筋金入りだ。
(まあ、それがきっかけで知り合ったんだけどな~。)
まあそれよりなんか後半の方が強調していたような気がするが・・・まあいいか。そして君たちの間では声を被せるのが流行なの?
「へぇ~それで」
「それでって・・・驚かないんですか?」
おっ、今度の冬の声には誰もかぶせてないな~。
ちなみにこの冬と夏の双子コンビは4月に生まれ、姉の方が冬、妹の方が夏と全然生まれつきが関係ない名前なのだ。
「だって、俺たちをこの世界に呼んだのも魔法だろ。だから想像上の動物がいてもいいはずだろ」
そうさっき言ったとおり美雪とはゲームがきっかけで出会った。
つまり先生達の受けはともかく、集も相当なゲームオタクである。