魔法陣と魔法具
閑話みたいな話2です。
これで閑話みたいな話は終わりです。
「さてお宝ならぬ源泉を探しに行くか」
さっさと身支度を整えて出かける準備をする。
「源泉・・・いや魔力のある何かを探すときに使える魔法はサーチと言います。呪文などはありませんが、才能が無ければ発動はしません(まあこの人に限ってはないでしょうけど)才能が無ければあきらめてくださいね」
「もちろん!あきらめん!そん時は自力で見つけるまでだ!」
「・・・はぁ~。取り敢えずはじめましょうか。地面に向かってサーチと言ってください。その時に何か反応があればそれが源泉なのでしょう」
「「「サーチ」」」
(・・・おお~。なにか大きな反応が地面にあるぞ)
「私はダメね。何も感じない」
「私もです」
澪や夏は感じなかったみたいだ。
「何か地中に反応がある」
「そうね。ちょっと街から離れてるけど結構大きいね」
「それでも地表に近いから良かったですね」
冬と優香、美雪は反応があったようだ。
「反応あるのはあるがなんか微妙な感じなんだけど」
「そうですか?結構反応は大きいと思うのですけど」
仁はあまり向かないみたいだけどやっぱり五月は結構感じるみたいだな。
「まあ、反応があった場所に行ってみるか」
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「でここが反応があった場所だけど・・・ここは」
[ごしゅじんさまとあったばしょ♪]
「そうだな。ここはおれとカグヤのあった場所だな」
そう。集達の魔法に反応した場所は集達が出会った場所だった。
ちなみに今はここにいるのは集とカグヤそして仁だけだ。
他の人には違う事をお願いしている。
「なんか運命的だな・・・よしやるか」
「感傷短か!・・・やると言ってもどうするんだ?掘るのか」
「ちっちっちっ、あまいな仁君。ここは異世界だぜそんな面倒くさいことをするはずがないだろう」
「イラっ、じゃあどうするんだよ!」
「それはこうするんだよ」
そう言うと集は地面、正確には源泉のある場所の真上に手をかざした。
すると源泉のある場所に魔法陣が出現した。
この後どうするかというと
「さあ~て~帰ろ」
家に帰ろうとする。
「・・・えっ」
「どうした」
「いや、帰るの?」
「うん帰る」
なにを当たり前のことを言っているんだという顔で仁に言う。
「いやなんでここに来たんだよ!」
「それは家に帰ってからのお楽しみ」
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という事で家に帰ってきました。
集は屋敷に入るなり一階右側の一番玄関に近い部屋に入って行った。
「じゃあやるか」
「何をやるんだ?」
「それは・・・(ニヤッ)」
(なんかやな予感)
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「「ただいま~」」
優香と澪が帰ってきて、食堂に入ってくる。
「お帰り~」
集が食堂で紅茶を飲みながら答える。
「「あれ?」」
集が食堂にいることに疑問を持ったのかお風呂が出来たのか質問する。
「で、出来たの?」
「まだ~」
「なんで」
「仁が遅いせい」
「ふ~ん」
「取り敢えず見に行ってみるか」
全員をつれてお風呂予定の部屋に行く
「おうおう、せいがでるね兄ちゃん」
「集てめ~、覚えてろよ!」
「え~なんで~僕記憶力ないから覚えられないよ~」
「ふざけんな!絶対仕返ししてやる」
そんな茶番(?)を見ていた澪が言う
「ええっと、仁君は何をしているの?」
「穴を掘ったり、壁を壊したり、パイプを設置したりいろいろ~」
「そのことは分かるんだけど何で集は手伝わないの?そっちの方が早く終わりそうだけど」
「そうだそうだ!集も手伝え!」
「分からないかな~。これは俺の優しさだよ」
「どこがだ!」
「仁、考えてみろ。この世界にきて五月にいいところ見せたか?見せてないだろう~。ここら辺でいいところ見せないと愛想尽かされるぞ~」
「それとこれとはべつだ~!」
「・・・確かに一理あるわね」
「えっ」
「そうよ。この世界に来ていいとこないわよ。このままなら本当に愛想尽かされるよ」
「まじか・・・俺頑張る」
「「「頑張って!」」」
(扱いやすいわね)
(確かに)
(これは五月に尻にしかれるパターンだ)
場所を食堂に移して
「であれが終わったらどうするの?」
「まずは魔法で周りを固める。その後にあいつが使っていた魔法を使って温泉を引く。これで完成」
「あいつ?・・・本当に魔法って便利ね」
そんな話をしながら時間が過ぎていった。
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「やっやっと終わった~」
集が指名した仕事が終わったのか仁が食堂に入ってくる。
「ああやっとか。遅えよ」
「集てめ~」
とその時に五月たちが帰ってきて、食堂に入ってくる。
「ただい・・・仁君どうしたのですか!」
「それはしゅ「彼はみんなのために身を挺してお風呂を作ろうとしてくれたんだ!」えっ」
「すごいです。仁先輩」
「ありがとうございます。佐藤君」
「すごいです。仁君!」
「あ、いや、その・・・まあね」
(こいつ本当に扱いやすいな)
「さて最後の仕上げだ。皆でお風呂の部屋に行くぞ」
と言ってお風呂部屋に移動すると思ったが、集が入ろうとしたの食堂側の部屋だった。
「あれ?そこは違うよね」
「いやここでいいんだよ。ほら」
そう言ってドアを開けるとそこには体を洗うためのスペースがあるだけであとは穴が何カ所か空いていた。壁が突き破られているため本当に銭湯に来たような大きさだった。少なくとも元の世界ではあり得ない大きさだった。
「何この大きさ」
「いや、どうせならいろんな風呂を作りたくて~。あ、でも真ん中に仕切りを作るから入れるのはこの半分だよ」
「それにしても・・・大きすぎ。絶対私たちじゃ維持出来ないでしょう」
「うん。できない」
「おい!じゃあ何でこんなに作らされたんだ」
「前提が間違ってるよ。俺たち以外にも入る人がいるから」
「えっ・・・」
「お邪魔します」
「ユーリ姫様?」
「お風呂を作るって聞いたんで入りに来ました。あ、家族も一緒です」
「おおこれがお風呂場か~。でかいな」
「でもまだ湯が張っていませんけどどうするのですか」
「それは・・・こうする」
そう言うと集は手をかざした。すると魔法陣が何個か現れた。その魔法陣からは水やお湯そして温泉が出てきた。
「ああっ、そういうことか」
「そういうこと・・・俺をこの国に転送させた魔法陣を再現してみたんだ。源泉とここをつなぐことでいつでも源泉掛け流し状態。あとはそのうちサウナを作るから水風呂と硫黄のにおいが嫌いな人用に普通のお風呂で~す」
「すごいな~。王城でもこんな贅沢は出来ないぞ」
「まだです。王様交換条件!」
「ああ分かってる。おいあれを持ってこい」
そう言うと王様の近くにいた兵士が走って出て行った。
「交換条件?」
「そう。交換条件。王様たちにこのお風呂を使わせる代わりに魔法具を頼んどいたの」
「魔法具?」
「魔法具は魔法を流すとその魔法具に刻まれている魔法陣が発動し、魔法を使える道具。俺が毎回お風呂を張るのは面倒くさいから水とお湯のところは魔法具を使って利用するの」
「なるほど」
「持ってきました」
「待ってました。これをここに設置して、仕切りを作り、換気用の窓を作って・・・完成!」
「「「おお~」」」
「じゃあ入ろうぜ!」
こうして集達はこの世界に来てお風呂を満喫、今までの疲れを癒やすのであった。