王城と現実
ギルドでずっとしゃべっているのも迷惑というクリフさんの一言で王城に皆を連れて行くことになりました。
(クリフよ、もっと早く助け船をよこせよ!)
道中集の腕には澪と優香が笑顔で抱きついている。
(ジャンケンに勝ったんだと)
他の面々(特に双子と美雪)は温かい目で見ている。
(王城についたら今度は私たちが・・うふふふ)
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・・・いつまで抱きついているんだ?もう王城だぞ。
「ちょっと!城についたら交換でしょ!」
「そうですよ!いつまで抱きついているんですか!」
獲物を狙う肉食獣のような目で双子と美雪が見ている。
「私は代わってあげたいけど、集が離してくれないのよ」
(何ですと~!俺が離したくないだとなぜ分かった。この腕に当たる柔らかい感触!ここには男のロマンがある!)
「ちょっと!なんで集先輩は鼻の下を伸ばしてるんですか!」
「そんな女より私の方が胸がありますよ。私に変えたらどうですか」
「お前はちょくちょく入ってくんな!余計話がややこしくなる!」
なんでややこしいときにこのお姫様入ってくるんだよ!
(転移した当初はかわいいお姫様だったのに今じゃ残念姫様だな)
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「やっぱり城はどこもでかいね」
やっとの事で?離れた澪が王城を見上げて言った。
「まあそりゃそうだろう。大きくない王城なんて何の威厳もないからな」
(まあ王城の規模とその国の王の威厳とは関係ないけど。まさか王様だしカグヤを取り返してくれてるよな?)
「取り敢えず王様のところへ行こう」
そう言って王城に入っていく。
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謁見の間に行く途中にこの国の姫様に会った。
会った瞬間ににらまれた
(俺嫌われてるな~何かしたっけ?)
「ああ帰ってきたんですか。そのままいなくなっても良かったのに」
「ああカグヤをおいていくことは出来ないからな」
「残念です、誠に残念ですが。カグヤちゃんは私たちの元で預かることが決定しました」
「なんだと!カグヤはそれを承認したのか?」
「ええ、快く快諾してくれました」
(そんなことはあり得ないはず・・・まさか!)
そんなのあり得ないと思う集はあることを確認するためにカグヤに念波をとばした。
<<カグヤいまどこにいるんだ?>>
<<あ~ごしゅじんさまだ~。いまはね~しょくどうというところでおかしたべてる!>>
(やっぱりな)
「・・・どうせ食べ物で釣ったんだろ」
「そんなことありませんよ?」
「なぜ疑問系、そしてカグヤが快諾したというがどうやったんだ?会話も出来ないのに?」
「そ、それは・・・」
「どうせカグヤがお菓子を食っているときに聞いたんだろう。[不審者ごとくお菓子あげるから]とかなんとか言って」
「うっ・・・」
「論破」
(うわー気持ちいい!)
そう言った瞬間ユーリは泣きそうな顔をした。
集だけならいいが、ここには集の仲間(女の子達)がいた。
「論破じゃないよ集?女の子を泣かそうとしてなにが論破なのかな?そしてカグヤってだれ?もしかして私たちがいない間に集は女の子に手を挙げたのかな?」
(いやいや怖いよ澪姉さん・・・てゆうかなんで後ろの方が強めなの)
「こいつはこういう扱いでいいの!カグヤは俺が転移した後にティムしたドラゴンのこと」
「ドラゴン!やっぱりティムしてましたか。さすが集さん、わかってる!」
(さすがゲームオタクの美雪わかってる~♪)
美雪にサムズアップする。
「あの~。私のことをほっとかないでくれますか」
「あっ、忘れてたわけではないのよ。ごめんね」
「「「・・・で、何の話だったけ?」」」
「やっぱり忘れられてる・・・」
そういって落ち込んでるユーリにアリスが近づく。
「まあまあ集様達はこういう人達ですから」
「そうですね。・・・それでなんで貴方がここにいるのですかアリス・ルルージュ」
「あっ、やっと突っ込んでくれましたね。もう集様達がなかなか突っ込んでくれないからユーリ・エデルリートに突っ込まれたじゃないですか!どう責任とってくれるんですか!」
「いやしらねーよ!どうせお前のことだからこっちの方が面白そうとかそういう理由だろ」
「げっ、鋭い」
(なんか俺の会う姫様ってこんなのばっかだな~。デンプレだともっとこう可憐なお姫様なのに)