話し合いとルルージュ王国
目の前には豪華な食事。
集が望んだ物だが集は来なければ良かったと後悔していた
それは・・・
(クソ、ここに来なければ俺のカグヤが寝取られることはなかったのに)
ということである。
あの後結局カグヤはジュリアと寝ることになってしまった。そしてそのジュリアとユーリ王妃様は一緒に寝るということで収まった。
つまりあの中で集だけが一緒に寝ることが出来ないという結果になった。
さらに、今でもカグヤは主人の集ではなくジュリアのところにいる。
だから今集は料理を前にしても腐っていた。
「クソ、なんで俺ではなくジュリアなんだ!お前はおれのものだろう!」
という主人公にあるまじき言葉を言うほど腐っていた。
「何を言ってるんですか。カグヤちゃんは物じゃありません!」
とジュリアの隣にいるユーリがどや顔で言ってきた。
そしてまた小さい戦争が勃発した。
「一緒に寝れるからって、どや顔しやがって」
「ふふふ、貴方は男ですから一緒に寝ることは出来ませんよ」
「クソが」
「あらあら、王族に向かってそのような言葉遣いはいけませんね~。これは反逆罪で町の外に追い出そうかしら」
(略:カグヤちゃんをおいてお前はどっか行け)
「すみませんでした。王妃様」
(略:そうはさせるか)
「そうそうそれでいいのです。貴方のために用意した料理でもお食べになって今日はゆっくりなさったらいいじゃないの」
(略:カグヤちゃんは私たちのものよ)
「・・・そうですね」
(くそ~女狐どもめ~いつか覚えてろよ)
この戦争は集の負けだった
「いやいやお前ら仲悪くなるの速すぎるでしょ!?」
「「「うるさい!」」」
「はい。すいません!...儂王様なのに・・・」
王様の威厳意味なし
そして料理を余り楽しめなかった集であった。
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次の日
集はまたあのでかい扉の前にいた。
「なんでまたここにいるのかね~。朝になったら出て行こうと思ってたのに・・・はぁ」
そう言いながら扉を開ける。
「おおシュウ殿来てくれたか」
「ええ、何かご用がおありでしょうか?」
皮肉たっぷりに言い返した集を気にもとめずに王様は続けた。
「昨日あまり話せなかったからな。取り敢えずユーリを助けてくれたことを感謝する」
そう言って頭を下げた。
「ああ、その件に関しては別にいいよ。俺はただドラゴンのパートナーつまりカグヤが欲しかっただけだし、そのついでにユーリを助けただけだし」
「それでもだ!本当にありがとう」
「・・・本当にありがとうと思っているならあの二人からさっさとカグヤを返して「無理だ」・・・欲しい」
そうまだカグヤは集の元に返ってきていないのだ。
だから集は王様から返してもらえるように言ってもらえないか聞いたが結果は速攻で無理だった
(いやあんた王様だろ)
(王様だって勝てないあいてぐらいいるのだ)
「もう少しで返してもらえると思うから我慢してくれ。・・・たぶん」
「いや!たぶんってなんだたぶんって。さったと返してくれ」
そう集が言うと王様はあからさまに目をそらした。
「・・・」
「・・・」
だから集もじっと王様をにらんだ
「・・・」
「・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・そんなことより」
「おい話変えんな」
「そんなことよりおぬしは何であんなところにいたのだ。あそこはギルドに所属している腕利きのハンター達でも絶対に近づかない森なのに」
「それは・・・」
集は口ごもりした
(取り敢えず違う世界から転移してきたことは話さない方がいいかな)
「言えないのか?」
「・・・いや、正直あまり分からないんだ。国の策略で転移したのがあそこだったということしか」
「そうか・・・おぬしには悪いがその国には感謝しないとな。シュウ殿が転移してくれなければユーリが死んでいたかもしれないからな」
「まあそうだな」
「それでおぬしはこれからどうするのだ?」
「・・・取り敢えずは家族や友達との再会かな」
「そうか・・・我が国がなんとかその国に接触を試みてみるか?」
「いや、やめてくれ。たぶん戦争が起きるだろう。俺を転移した国で呼んだ本やメイドに聞いた話ではこの国を最大の敵と認識しているみたいだし」
「それは・・・ルルージュ王国か?」
「そうだ。よく分かったな」
そう集達を召喚したのはルルージュ王国という今集がいるエデルリート帝国の隣の国である。
そしてルルージュ王国はあまり資源が少ないため隣の国つまりエデルリート帝国の領土を奪おうとするために、俺たちをこの世界に呼んだのである。
ちなみに集がルルージュ王国の名前を知っているのは隠れて王女の名前を鑑定したからである。
「そうだなあの国に接触するのは危険だな。ただでさえ勇者召喚してい・・る?」
そこまで言って王様が何かに気づいた顔をする。
「・・・もしかしてだがおぬしも勇者召喚された内の一人か?」
(あ、気づいた)
「だったら?」
「そうか、もっとややこしいことになったな」
「というのは?」
「勇者はこの世界に来るときに加護を貰うはずなのだ。そんな勇者をみすみす逃がすのか?いや逃がさないだろう。それにおぬしほどの力を持っているんだ余計手放したくはないだろう」
「ああ、それはあの国の目的は分かっていたし、俺のスキルは超鑑定だから手放したということだ。それにダンジョンのトラップで転移してきたからそれを理由に利用してこの国に敵意を向けさせる目的もあるだろう」
(それに本当の力は誰にも見せてないからな)
「ふむ、それでは困ったな。ユーリを救って貰ったお礼がしたかったのにな」
「まあ、お礼は十分貰ったからいいけど・・・そうだな確かさっきギルドと言ったな、そこに案内してくれるだけでいいよ」
「それではお礼には釣り合わないだろうが、それでいいのか?」
「ああ、それがいい」
「そうか・・・」
(ぶっちゃけ王様にお礼を言われるだけで十分だけど、この人何かしないと気が済まなそうだしな)
「では、だれか案内役をつけるから1時間後ぐらいに正門のところで待っていてくれ」
「了解~」