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異世界転移を面白くするために(この世の中を楽しむために)  作者: リンと鳴る鈴
第二章 第一部 新たな仲間と帝国
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王様と寝顔


門をくぐるとそこは異世界だった。


(当たり前だけどね)


猫耳や犬耳、それにしっぽがある人(?)がたくさんいる。


(へえ~この世界に来て初めて異世界に来たという感じがする)

と思いながらとてもわくわくしていて、今にも飛び出しそうな集の様子を感じ取りユーリは


「観光は後です。今から王城にいきますから」


と釘を刺した。


「それはいいけど・・・俺たち絶対目立つよな」

「それは・・・すみません」


そう集達は馬車が壊れているため歩いていた。

つまり国のお姫様が道を歩いているということだ。

それはこういう事態になるのだ


「お、姫様が歩っているぞ」

「え、何を言って、姫様だ!」

「マジで姫様だ!こっち向いて」

「まじでかわいいな。一度でいいからデートしてー」

「お前じゃ無理無理」

「なんだと~!」

「なんだやるのか」

「それより姫様の隣にいるあの弱そうな男はなんだ」

「まさか、姫様の婚約者か」

「いやそれはないな。もし婚約者なら王様から何か宣言があるはずだ。おおかた途中で姫様に助けてもらったのだろう」

「そうだな。弱そうな男だしな」


(うるせーな。逆だし俺が助けたんだし)

(まあまあ、ここを通り抜ければ・・・ほら城が見えてきましたよ)


ユーリの言うとおり目の前にでかい城が見えてきた。


(他に言い表せないぐらいでかいな。日本にある某テーマパークの何倍あるんだこれ)


「取り敢えずまずはお父様に会ってからですね」

「・・・えっ。なんで王様に会わなければならない?ただ俺は飯を食べるために来たんだけど」

「だって今から準備させても1時間くらいかかりますよ。その間にお父様に会った方がいいと思いますけど」

「だったらけいた・・・そうかここ異世界か。それよりそれがお前の目的だろう」

「いえ、違いますけど・・・もし会わないというのならもっと面倒くさいことになりますけどいいんですか?」

「面倒くさいこと?」

「具体的には指名手配」

「え、」


嘘だと思って団長の方を向くと黙ってうなずいた。


「王様は自分の娘のことをとても溺愛しているからなそんぐらいすぐにやるだろうな~」


(なに人ごとのように言ってんだよ)


「だって人ごとだし」


(心を読まれた!?)


「いや、シュウさま顔に出てましたよ」

「ということだあきらめて王様に会うんだな」


そう言うと団長は集の肩を叩いて王城の中に消えていった。


その頃集の心の中では

(マジかよ王様に会うのかよ・・・やだ)


そう思っていると誰もが思っているのと反対に

(王様か~。ラッキー。これでカグヤをいじめたやつに報復できる。)

と思っていた


ただ一人ユーリだけは集の考えが分かっていた

(おおかたラッキーと思っているんでしょう。これでカグヤちゃんをいじめた相手をおとしめられると思っているのでしょう)

大当たりである。




長い廊下を抜け、他と比べるとでかい扉の前に来た。

(いよいよか。ちゃんとあいつに報復できるようにしてもらわないと)


「おい!王様の前では礼を尽くせよ」


そう言われると扉が開いた


そこにいたのはこちらに全力疾走してくる中年のおっさんだった。

その中年のおっさんはユーリを見つけると、抱きついた


「ユーリ大丈夫だったか!お前がドラゴンに襲われた聞いて気が気じゃなかったぞ」

「お父様痛いです」

「あなた。ユーリが痛がってますよ。放してあげなさい」


そのおっさんの後ろからだいたい二十代前半ぐらいのきれいな人が来た。

その人もおっさんがユーリを放すとすぐに抱きついた。


「お母様!」

「ユーリ無事で良かったです」

「はい。私は彼のおかげで助かりました」


そう言うとユーリは王様達に集を紹介した


(どうでもいいけど、この中年のおっさんのことをお父様って言っていたからこのおっさんが王様なんだよな?こういう世界の王様って意外と若く見えるもんじゃなかったっけ)


「お父様お母様こちらが私たちを救ってくれたシュウさまです」

「ほう、お前が私のかわいいユーリを助けてくれたのか礼を言うぞ」

(今「私の」ところだけ強調しなかったか?)

「いえ、当たり前のことをしたまでです」

「ドラゴンから助けてくれたんです。そんな謙遜しなくても大丈夫ですよ」

「そうだぞ。してどうやって助けたんだ。失礼だがお前はそんな強くは見えないが・・・」

「ティムです」

「「・・・は?」」

「だからティムです。シュウ様はドラゴンをティムして助けてくれたんです」

「そんなことが出来るのか」

「実際見た私たちが証明するので本当です」

「しかしな・・・」

「だったら証拠を見せれば信じてくれますね。シュウさまお願いします」


「・・・は?」


途中から面倒くさくなって聞いていなかった集は急に呼ばれて驚いた


「だからカグヤちゃんをお父様に見せてください」

「え~~~カグヤ寝ちゃてるからやだ」


そうカグヤは城に入る頃から疲れて寝てしまっていた。

起こしたくないから見せるのを渋った集に対してユーリは


「起こさないようにしますから見させてください!」


さらに迫った

(カグヤちゃんの寝顔見たい!)


「なんか鼻息荒いからやだ」

(カグヤの寝顔を見ていいのは俺だけだ)


「見せてください」

「やだ」

「見せてください」

「やだ」

「見せて」

「やだ」

「見せろこのクソやろう」

「!?」

「あら~私としたことが」


そんなやりとりをしている集達に対して王様は

「シュウ殿だったなティムしたドラゴンを連れてきているなら見せてくれないか。娘のことを信じてはいるがこれまでに例がないことなのだ実際に目で見てみたい」

「カグヤを起こさないようにしてくれるのでしたら」


王様に言われて渋々アイテムをいれるバックの中から毛布に包んだカグヤをとりだした。


「ほうこれがそうか」

「「「「・・・」」」」

(なにこの生き物かわいすぎ!)

(ちょっとずるい私ももっとみたい)

(ちょっと触らせてくれないかしら)

(カグヤちゃんやっぱり寝顔もかわいい)


感心している王様に対して、近くにいた王妃様や侍女たちは鼻息を荒くしてカグヤを見ていた



「そんなに見ても絶対あげないからな!」

本当の敵は意外と近くにいるということだ。

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