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基本設定集(世界観)

この小説を読んで下さる読者様方、毎度ありがとうございます。


色々と考えたあげく、第1部の設定集を盛り込む事にしました。

少しの改訂と捕捉があります。

今までの設定を詰めただけなので、これから出てくる新要素に関してはまた章終わりに追加しようと思います。

まあ、ざっくりとこの小説の世界観が理解して頂けたら幸いです。

◆高次元超級エネルギー空間世界『アビス』

 

現在の人類のいる世界の他に複数の世界が存在し、人が言う神や悪魔、天使はその中でも最もエネルギーが内包された世界に存在している。

その世界の名をアビスと呼び、アビスはその超膨大なエネルギーにより、混沌としていて非常に不安定な世界である。

また、アビスは複数の世界が不規則に散りばめられているような構造となっており、辛うじて連なっている世界は高次元の層構造で成り立っている。

アビスの世界には、神話にあるような『ヴァルハラ』や『エデンの園』、『コキュートス』や『パンデモニウム』などの幻想の土地が実在している。というより、アビスに迷い込んだ(もしくは誘われた)人間がその場所を後世に伝えた。

前述したように、アビスへは人類のいる世界から侵入することが可能である。しかし、一般の人間がアビスの世界へ入れる確率は非常に稀で、入れたとしても短い周期でしか滞在できない。

条件としては、アビス内で極端にエネルギーが減退し、力場が弱まっている状態で、かつ現実世界でも力場が弱まっている状態。さらに、入り込む対象の状態がアストラス(精神のみ)状態であること。以上の三点が最低条件である。

後は、入り込む対象のアストラルと力場の弱まっているアビスの場所が上手く同調すれば、(要するに運次第)一般人でもアビスに現界することが出来る。

しかし、後述する『インカネーター』となれば、その条件が緩和され、アビスへと侵入しやすくなる。



◆アビスの住民


 アビスに住む生命体。またの名を『本神』という。それは、アストラル体で構成され、有機体である人類よりもある程度融通の効く体となっている。人が言う神や悪魔、天使、そして妖怪等の異形の怪物たちもアビスの住民である。

 アビスの住民には階級があり、ある一定の上位に位置する階級のアビスの住民は、他世界にも干渉できる。干渉の仕方は、そのアストラルの一部を『化身』として他世界の生物のアストラルに宿し、精神を支配するという方法で行う。そうして支配した生物を操作、あるいは監視することで自身の愉悦を満たすのがアビスの住民達の娯楽となっている。

 また、稀にアビスの住民は自身の化身を宿した生物に対して敬意を払い、精神を支配せず、その力だけを譲渡することがある。そのような状態となったアビスの住民の化身を宿した生物を『インカネーター』と呼ぶ。逆に、アビスの住民に精神を完全に奪われ、完璧にアストラルを同調したものを『エロージョンド』と呼ぶ。

 さらに稀な例として、アビスの住民の中で階級のかなり高い存在は、その体自身を他世界に現界し、直接干渉を行うこともある。その行為をアビスの住民が行う時は、よほど興味のある対象物がその世界にある時である。

 さらに稀、と言ったが、その他世界によく干渉を行う者は頻繁に現界している。例えば、その他世界を『創造した』アビスの住民またはそれに連なる下位のアビスの住民などである。



◆人間の世界


人間のいる世界は、アビスの住民達に管理された状態にある。

今は科学によって世界の法則が成り立つように管理されているが、以前は錬金術師パラケルススが唱えた四元素説の法則によって世界は成り立っていた。

四元素説とは、世界の源の構成元素として、火、水、空気、大地の四つがあり、その元素によって世界が構成されているという説である。

しかし、その後の度重なる研究および調査の結果、実際は光と闇も存在し、万能の源である『マナ』も加えた七つの元素で世界は構成されていると判明した。

各構成元素は火、水、空気、大地は四界王、光は熾天使長、闇は魔王、マナは『人間のいる世界』を創造した神が各々管理していた。

四界王とは、各構成元素の源とも言える存在で、火は『炎帝』ペイモン、水は『大海皇』アリトン、空気は『嵐王』オリエンス、大地は『伏魔殿君主』マモンと言ったアビスの住民が管理している。さらに、光は熾天使長のミカエル、闇は魔王(その存在の名は謎とされ、一部のものしか知らない)、マナは『人間の世界を創造した神』ヤハウエが管理している。

元々は、ヤハウエに従う、それらの管理者によって世界は統治され、人間の世界はアビスに関連の深い世界だった。

しかし、その世界のシステムもしばらくすると一変することになる。

人間の世界はそのアビスとの関連の深さから、生み出される生物がアビスの住民に匹敵するほどの力を持つ可能性があった。

熾天使長ミカエルは、その生物の中で『悪魔の子』である人間を激しく忌み嫌っていた。

そのため、その可能性に危惧し、世界の成り立ちを歪めようと企んだ。

ミカエルは各々の四界王達を次々に低級の悪魔へと堕天させ、その力を弱めた。

その行為に伴い、世界の法則は揺らぎ始める。

さらに、ミカエルはその揺らぎに乗じて、新たな世界の法則を一部の悪魔の協力の下、定めた。

それは、科学という全ての事象を捻じ曲げた複雑かつ難解な法則だった。

それは、人間の世界に楔を打つように深々と浸透する。

そして、人間はその法則に縛られ、神を超越することができない生物と化した。

その世界の成り立ちを知る一部の人間は、その事実から己の世界を『壊れた世界』と表現している。

一方で、闇を管理する魔王はその事件の際に姿を消し、その後アビスの『コキュートス』で封印されていることが判明した。

それがミカエルの仕業なのか、どのような経緯でそのような状態になっているのかは未だ謎のままである。

また、ミカエルはヤハウエを崇め、自分はその下で世界の管理人(人間を中心とした)を全うすることが存在理由と考えている。

しかし、そのやり方は容赦がなく、人間が害をなす存在と判断した後、ノアの洪水のような一度人間をリセットするようなことも容赦なく実行する。

この事から、この世界の運命はミカエルの意向によって左右されると思うだろうが、実は人間の世界に直接介入していないだけでミカエルに匹敵する様々なアビスの住民がいる。

それらの存在と後述する秘密組織『アダム』が、ミカエルの行動を制限することで今日でも人間は生き続けることができると言われている。

 だが、それも千年以上発見が確認されなかったミカエルの精神波に操られない唯一のアビスの住民、『ガブリエル』を宿した少年が発見された事で変わる。



◆秘密組織『アダム』


 アダムとは、ミカエルの企みによって世界が変容したことに気付き、その『壊れた世界』を元に戻すことを目的とした『インカネーター』を中心とした組織である。

 その歴史は非常に古く、紀元前から存在していたとされる。しかし、アダムは内乱や分裂を繰り返し、そのためその歴史を知るものはほとんどいない。そのアダムの成り立ちや歴史を記した書が存在するらしいが、現存する魔道書で最大の価値を持つ『ネクロノミコン』と同等の価値を持ち、アダム上層部で厳重に管理されている。

 アダムは積極的にインカネーターを察知し、仲間に引き入れようとする。そして、そのインカネーターを鍛え、力の使い方を教育する。さらには、インカネーターではなくとも優秀な能力を持つ一般人を仲間に引き入れ、裏方で様々なサポート役に徹しさせる。

 アダムはアビスの力に対する研究に非常に熱心であり、最近ではメイザースが局長を務める研究班が科学の法則とアビスの法則を融合させた兵器や装置の開発に成功した。

 アダムはインカネーターの脅威的な力と古くからの宗教や国への関わりによって、世界を支配している。だが、後述するアビスの力に対する『世界の拒絶』によって、その事実を知るものはほぼいない。

 アダムの主な活動は、ミカエルの天使勢や『エロージョンド』、現界した『アダムの住民』、そして『インカネーター』の力を犯罪に使う者などを殺すことである。

 しかし、アダムでも手に余るほどの実力者も多数存在し、その実力者達は世界に巨大な爪痕を残している。世界の大事件や大災害は、その実力者達の起こした災厄を『世界が拒絶』し、置換された結果の果てである。

 アダムは人間の社会に害なす存在を駆逐することでアビスからの人間の世界への脅威を無くすのが日課となっているが、あくまで本来の目的は世界を在るべき姿に戻すことである。

そのため、その活動の水面下ではどうやってミカエルを打倒し、『壊れた世界』を戻すのか、日々調査し、討論されている。



◆天使の勢力(崩壊)


 『フォールダウン・エンジェル計画』によって今は無き、熾天使長ミカエルが擁する人間の世界を管理する組織。

 その組織はアビス内に存在し、まず人間の身では侵入することは出来ない。

 組織は天使、またはその化身を宿したインカネーターで構成されている。

 天使のインカネーターは一部を除いてミカエルの精神波によって操られ、その仕事を全うしている。

そして、ある程度自身の内の天使と馴染んだインカネーターは、ミカエルの手によってその精神を天使と完全に同化させられる。さらにその状態となった後、その存在が触媒となって『本神』である天使が直接、人間の世界に現界する。

天使の勢力の主な活動は、『断罪』と呼ばれる悪魔や神の化身を宿した生物の殺害である。

だが、その探知能力は低く、表立ったアビスの力の発現さえなければ天使に発見されることはあまりない。

天使の勢力は大きな目的はなく、本当に世界の管理のみ行っている。

しかし、熾天使長のミカエルが一度、世界の破壊を宣言すれば躊躇うことなくその命を実行することだろう。



◆『反アダム統合組織』アウトサイダー


 ごく最近になって発足され、今やアダムと世界を二分するであろうと言われるインカネーターとエロージョンドを擁する組織。

 その目的は、世界を支配するアダムの崩壊、そして自らの組織がその代わりとなる事。

 組織内の思想はとても危険であり、目的とあらば一般人を殺すことも厭わない。

 マフィアやヤクザなどの世界の『裏側』の組織と関わりがあるらしいが、そのコネクションの数は不明である。

 アウトサイダーには『王下直属部隊』と言われる『(まがつ)』、『(あかつき)』、『(しずく)』、『(おぼろ)』、『(さきがけ)』、『(こう)』の六つの上位部隊があり、それらはかつてアダムに脅威を与えた組織の首領なども存在し、アダムの上位幹部ですら危険視する極めて恐ろしい部隊である。

更に、そのアウトサイダーを纏める『総統閣下』浅羽帝(あさばみかど)は、かつてのアダム最強と謳われたサイモン・カーターと肩を並ぶ程の実力の持ち主である。



◆アビスの力に対する『世界の拒絶』


 アビスの力に対して、人間の世界は拒絶反応を示す。

 それは、本来とは次元もベクトルも異なる力であるアビスの力を、無理矢理に人間の世界に引っ張り出したために起こる反応である。

 アビスの力は人間の世界には在ってはならない力であり、人間の世界はアビスの力で起きた現象を必死に起きなかった若しくは起きていないと定義づけしようとする。

そのため、『アビスの力』を使用しても一般人は全く認識できない。

稀に世界の力場が不安定な時、一般人でも力を認識できるが、大抵は幽霊やらSFなんかで片付けられてしまうという。



◆フォールダウン・エンジェル計画


 今から一年前に行われた、アダムによる天使殲滅計画。

 その概要は、とてもシンプルなもので、千年もの間、姿を現さなかった『ガブリエル』の化身を宿した少年を餌に、熾天使長ミカエルを『この世界』に現界させ、一気に叩くというものである。

 アウトサイダーの横槍もあり、予想以上の苦戦を強いられたアダムであったが、『破壊の英雄ディストラクション・オブ・ヒーロー』サイモン・カーターと、『管理者殺しゲートキーパー・キラー』坂口京馬などの活躍により、熾天使長ミカエル及びその力を受け継いだ智天使長ケルビエムを倒す事が出来た。

 このフォールダウン・エンジェル計画は後にアダムの歴史に残る快挙として語り継がれる事になる。



◆現状の世界情勢


 天使の『断罪』が無くなり、世界では多くの野ざらしとなったエロージョンド及びインカネーターが出現する事になる。

 更に、急速にその規模を大きくしたアウトサイダーのアダムに対する侵攻が始まる。

 その侵攻の激化により、世界は『過去最高の英雄』リチャードが在席していた第二次世界大戦以来の大規模な爪痕を残す事になる。

 早々に崩壊した中国支部を始め、アダム各支部も大きな損害を受けている。


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