ある物語における少年少女の、よく休日にする会話?
ある物語における少年少女の、よく休日にする会話?
シャルと都会の方角に向かって。割と栄えつつある道を歩いていると。
彼女はだんだん疲れてきたのか。車通りが多い、そういう道路の側面に良くある感じの。某バーガーショップに入ろうとせがんで来た。
「お前。歩くの疲れたのか?」
「そんな訳ないでしょうが!あんたが疲れてるっぽいから慈悲で寄ってあげるの!」
そういって、チリリィ~ンと。店のドアを開けて入店する。俺は気楽に、こんなシャルも可愛いなーとか思いながらニヤけていた。
「はあぁ、疲れたぁー」
「やっぱ疲れてたんだな」
「べっ別に違うわよ!反射的に言っただけだし!」
「反射でそういう事言う時点で、疲れてる証拠だろ」
「うっさい変態!何か頼みなさいよ!」
「へいへい、さて何飲もうかなぁー」
「朝マックまだやってるじゃない、ギリギリ。私このパンケーキみたいなの大好きなのよね」
「うげぇーそれ食うとかないわ。もう一つの100円のチーズっぽいバーガーだろ、常識的に考えて」
「好みの問題よ。それにその言い草、一度も食べたことないんじゃないの?」
「あるつぅーの。その上で言ってるんだ」
「そうなの?味覚変わってるかもしれないわね、丁度いいわ二つ頼みましょう」
「はぁ!?馬鹿かよ、てホントに頼んじまった、、」
スマイル0円の営業をするお姉さんに、シャルは頼んでもいない品物を勝手に頼む。俺はもう一人で席の方に向かう。
シャルは、1番目。そう書かれた札だけ持ってやってきた。品物は完成と同時に、店員が持って来るのだ。
「はあーホント疲れたわ」
「なんで、そんなに疲れてるんだ?だいじょうぶ?結婚する?」
「うん結婚して、お願い」
「ああ、約束だぜ。将来はいい家庭を作ろう」
「ありがとう、わたし幸せ」
「俺もだよ、シャルを一生幸せにすると誓う」
「そういえば、貴方に今日は沢山説教することがあったんだわ」
「は?説教?意味分からない。また説教したい症候群か?勘弁してくれ」
「いや。今日は貴方が泣くまで説教するって決めたの。今貴方のその憎たらしいドヤ顔見て決意したわ」
ちなみに。シャルには他人に説教して、偉そうに演説でもするかのように語る。そういう悪癖がある。可愛くなければキレてる所だ。
「そもそも貴方は、何をそんなにいきり立ってるの?」
「はぁ?どういう事だ?シャルにか?」
「なぜ興奮してるのか?って聞いてるの」
「別にしてないだろ」
「いえしてるわ。今にも襲われそうな、そんな気配を感じる。煽ってきてるの?」
「いやいや、そんな事全然してない。一体どうしたんだ?」
「貴方と居ると。そういう嫌らしい気配で辟易してしまうのだけれど」
「被害妄想だよ。俺はシャルにそういう感情向けてないよ」
「失礼ね、なにそれ。レディーに向けていう言葉じゃないわね」
「じゃーどうすりゃいいんだよ?」
「本音を吐けばいいのよ、純度100%裏表のない貴方の欲望を吐き出しなさい」
「それは何か違うだろ、一体どうしたいんだシャルは」
「貴方に卑猥な言葉を吐かせて、嫌な目に合った。そういう弱みを握りたいのよ」
「率先して本音言ってくれたな。だけど嫌だよ」
そんな生産性皆無の無駄話をしていると、商品が届いた。食べながら会話を続ける。
「貴方はそもそも。知能も、精神力も足りなすぎるわ。常に全力で100%働かせてる?手ー抜いてるじゃないでしょうね?」
「別に完璧主義者じゃないから、常に全力じゃないけど。手は抜いてないよ」
「馬鹿が、貴方は修行の為にも常に全力で。100%の出力で生きてなさい。少なくても私の前ではね」
「なんでそんな事命令されなきゃいけないんだぁ?馬鹿はお前だ」
「はぁ?馬鹿って言った方が馬鹿なのよ」
「じゃそれでいいよ」
「反抗してきなさいよ。常に全力を尽くすんでしょ」
「なんでこんな悪口合戦に全力投球しなけりゃならないんだ、、」
「無駄な事に手を抜くとか、あんた典型的なゆとり脳ね。無駄な事にこそ全力出さないで、どうするの?そんなんで無駄じゃない事に全力出せるの?」
「まあ正論だが、極論過ぎると思うね」
「貴方って。勉強とか無駄な事、とか思って、やらない性質でしょ?」
「まあ、無駄な勉強はしないな」
「その発想が根本的に、絶対的に全力で間違ってるのよ。勉強とかをするモチベーションを下げてるのよ」
「えぇ、無駄な勉強をしない事の、何が間違ってるってんだ?」
「私が百回聴いても為になる、そんな話をしたげる。ICプレイヤーでも使って録音なさい」
「そんなモン持ってきてないっての」
「じゃー頭に録音しときなさい。ええと、つまり。無駄な勉強はないの、永遠に生きるつもりで。自分の命が永久で、ずっと勉強したことが役に立つ、あれ?なんだっけ、忘れちゃったっごほんげほん!ううぅん!つまりそういう事よわかった?」
「うん、お前が可愛いってことが分かった」
「そんな分かりきった事、今更再認識することじゃないでしょ。既に無駄な事するの実践してるみたいね」
そんな会話をしながらも。バーガーだけは食べてしまう。彼女は美味しそうに終始食べ、ナプキンで口元を拭いながら余韻を味わう。
「そういえば、話すのに夢中で聴いてなかったけど」
「なんだ?」
「そのハンバーガー、美味しかった?」
「クソ不味いな、まだゴムでも食って方がマシだった。まあ食ったけどな」
「最低。死ねばいいと思う」
「こんなモノ美味しく食べる奴が可笑しいだけだ」
「貴方が可笑しいだけでしょうが!」
「まあ、どちらでも構わないよ。俺は食べないだけだ」
「小憎たらしいぃ。クールぶってカッコいいとでも思ってるの?」
「別にクールぶってないよ、カッコいいと思われたくもないし」
「はーあ、折角このデートでカッコいいところ見せてくれたら。貴方と付き合おうと思っていたのに、、」
「シャル?何か僕に出来ることはないかい?僕に出来ることならなんでもするよ、なぜなら他ならない君のためなんだからね」
「きっも。取って付けた様な台詞。カッコつけたマセガキみたいな声、全てが目障り逝ってよしね」
「なんなんだよ、もう」
「説教の続きね。やっぱあんたには、”こういう事”を沢山言ってやりたいのよ」
「未来の旦那さんだから?」
「未来のステディだからね、だから何かとつけて甲斐性を求めたくなってしまうのよ」
「じゃーしょうがない。しっかりと拝聴することにしますか」
「ええ、一言一句聞き逃さずよく脳に刻み付けて、一回聴いただけで絶対記憶しなさい」
「それは、、ちょっと無理」
「はぁ、ほんと貴方って低クオリティ、スペック。私萎えてしまうわ」
「そんなんじゃあ、全人類がそうなるぞ」
「まあいいわ。貴方の様な粗末で、不潔で、貧弱で、矮小で、短小で、下品なモノでも満足してあげるわ」
「なんだか凄い侮辱を受けた気がする、下的な意味で」
「初心な淑女の前で、なんたる破廉恥。信じられないわ」
「俺はお前の台詞が信じられないね」
「もう!わたしに教訓的で、名言的で、為になる役に立つ。そういう話をさせなさいよね!」
「なんで、そんなに俺を啓蒙させる事に拘るんだよぉ」
「好きだからよ。大好きで愛してるから。もっと賢くなってほしいのよ、知能的にも精神的にもね」
「、、、突然のデレでびっくた。そうだよな、だったら俺も真面目に聞くよ」
「うん計画通り。じゃ関心と興味を最大限向けて聴きなさいよ?」
「興味失せたよ」
「聴き終わったらキスしてあげる」
「興味湧いたよ」
「うん嘘だけど」
「興味失せたよ」
「もう興味失せててもいいわ、とりあえず聞きなさいよ、本当に貴方にとって為になりそうな話を。選抜選別して、優先順位の高いものから教えてあげるんだからぁ」
「わかってるよ。本当に為になるものなら、嫌でも覚えることになるだろうし」
「なら行くわよ。貴方は将来的にほぼ無限大の幸福と不幸、満足と後悔を味わうことになるわ。それさえ全て情報として完全な形で知っていれば。本来は無限大の精神力でこの現実を生きることが出来るの、これはわかる?」
「まあわかるよ、でも無理っぽいぞそれ。将来的に味わう事になる、幸福や不幸、満足や後悔を。完全な形で100%を今。感じる事は難しいよ」
「じゃーもし、私が貴方と彼女になってあげるとか。将来的にずっと一緒に居てほしい、結婚してとか言えばどうなるのかしら」
「そりゃ今、将来的な幸福と満足を全て。今完全な形で、情報として感じる事はできないよ。情報の質も量も強度も多彩さも、全て劣る下位の情報にしかならないし」
「また逆に、貴方の恋人には地球が滅びて、ビッククランチが興っても絶対にならない。将来的に結婚して一緒に生活する、そういう未来線も絶対にないって知ったら?」
「そりゃ今、将来的な不幸と後悔を全て。以下略だよ」
「もしそれら全てを今。全て完全完璧な情報の形で知れればどうなるかしら?」
「つまりシャルと一生を一緒に過ごした人生と。一生一緒に居なかった人生だろ?つまり最高の、ほぼ無限大と言って良い位の、幸福と不幸、満足と不満足等々いろいろを。俺は感じるわけだ、そりゃ精神的に知能的に最強レベルになれるだろうね」
「それを今実現するにはどうすればいいの?または最大限実現させる為の方法は?」
「そりゃあれだよ。今を全力で精神的にも知能的にも100%の出力で生きる。それが最短方法だろうね」
「わたしはね、今の貴方に満足してないの。今すぐその状態になってよ、なんとかして。無理でもやって。もう我慢できないの、今の劣等な貴方は見てられない」
「そんな事言われてもな。無理じゃないけど、奇跡的に明日辺りに。そうなってるかも知れない、そういう天文学的確立に期待して貰うしかないよ」
「そう。つまり明日辺りに、貴方がそうなってる確率は。地球最初期の海で、生物が発生する確率。サルが適当にキーボードを打って、整合性のある小説一冊が出来上がる確立より低い。それを何とかして見せろって言ってるの」
「無茶言わないでくれ。無理でも押し通す心意気はあるけど。どうにもならない事はあるよ」
「だったら、最初の方でも言ったけど。今を知力的にも精神的にも、常に24時間四六時中。100%の全力全開の出力で生きてよ、無理でも押し通すんでしょ?男に二言はないわよね」
「わーたっよ、その通りにしますよ」
「じゃーハイ初め」
「もうなったよ」
「100%の気概が感じられない」
「頭の中の話だからね」
「全力全快のオーラや気、雰囲気が感じられない」
「漫画じゃないんだから、そういうモノは現実で見えるわけないよ」
「見損なったわ、もう死んでいいわよ」
「嫌だよ、飽きてすてる玩具じゃないんだから」
「貴方にとって私は何?具体的に言って」
「愛しい人だよ」
「無上に愛して、至上に愛してるの?」
「まあ、その位には。最低限俺の命以上では、確実にあるね」
「なら、その私の為に。私の将来的全ての未来の、満足の為に、後悔をさせない為に。今すぐ無限大の精神力で生きてよ」
「うむ、愛にもできない事はあるって、というより限界があると思う」
「貴方の私に対する愛は、所詮その程度なの?」
「残念だけど、俺も人間だからね。有限大の数値と強度でしか、人間をシャルを君を。愛する事が出来ない」
「酷い話だわ、私は無限の愛情を求める」
「できる限り善処するよ、それで容赦してくれないか?」
「いや。私は無限大に強欲なの、今すぐ私の考えられる限り最高の、理想の貴方になってほしいの」
「うーん、それは難しい相談だな。君も人間なんだ、無限大の強欲にはなれないはず。もし君が無限大の精神力で俺に対して迫れば。俺もたぶん、真の神を前にした人間のように。もっと君を愛せると思うんだがね」
「確かに。真の神なら、人間を遥かに超越した上位存在として。そのくらいはできそうね、貴方にとって聖女の私でもそれは無理?」
「難しいだろうね、諦めてくれといわざるを得ない」
「残念すぎて、もう生きる気力がなくなるわ」
「一生懸命、全力で頑張るから。それじゃ駄目かな?」
「大好き。私の為にそう考えてくれる貴方が、何よりも愛しいの。もうどうしようもない位に」
「俺もだよ。俺なんかの為に、そこまで想ってくれる君が大好きだ。そうそれこそ狂おしくて愛おしくて、何時も常にどうしようもないよ」
「なら、今すぐ、私の理想で。希望と夢に溢れた、私の考える貴方に成ってくれないかしら?」
「そんなに今の俺が不満なのかな?」
「不満も不満よ。こんなのが私の大好きで、地球上で一番愛する存在だなんて。残念すぎて涙が出てくるわ」
「なんというか、人間なんだからしょうがないよ。人間に多くを求めすぎだと思うぜ、基本的にシャルは」
「でも多くを求められるのは好きなんでしょ?」
「そりゃね、期待されてるってのと同義だしな。むしろそんなシャルだからこそ、俺も一線越えて愛せるんだと思う」
「やっぱり貴方は何処までも素晴らしい男だわ。さすが私の唯一認めた人」
「過大評価だぜそりゃ。俺なんて大して凄い存在じゃない、探せば俺くらいの存在沢山居るよ。シャルにはもっと広い視野でモノを見てほしいと、偶に思ってしまう」
「それもいや。貴方以外の人を愛したくないし。貴方だけを好きで、私の全てをあげたい。奉仕したいと思う、そんな私を失いたくない。もう心を奪われた対象なの、貴方は。だから他の人なんて絶対に、死んでも、永遠の拷問を受けてでも曲げたくないの」
「男冥利に尽きるな、俺もシャルの事。同じくらい愛せてると思う。それじゃ駄目かな」
「駄目だけど。まあしょうがないわ、私のあげられる物以上を求めるのは。他ならない私自体が許せないから。私という存在が有限大で。そもそも有限大しか、貴方に与えられない時点で。諦めるべきだったわ。次善として、出来る限り私のあげられる限りの、全てを貴方に捧げて。親愛なる貴方が、私の理想の貴方に。少しでも近づけるよう、協力するしかないようね」
「俺もシャルに対してそうすると誓うよ」
「イツキ、ホントに私の事が好きなのよね?」
「ああそうだよ。俺は俺がシャルの事を、心の底から好きだって事を。確かに自覚しているよ。少なくとも自分の命よりも大切だ」
「どうしてそう思えるの?私には今だに完全には理解できない」
「シャルの様な少女を見捨てたら。俺が俺でなくなるからだよ」
「それは所詮、妹さんからの絶対の愛を失うからじゃなくて」
「確かに、そうかもしれない。そういう部分を完全に無いとはいえない。でも確かにシャルが好きなのは事実だよ」
「嘘つき。ただ妹から愛されたいだけの癖に」
「何拗ねてるんだよ。さっきも言ったと思うけど。俺はシャルもかよも、同じくらい好きだって」
「それも嘘。私よりもかよさんの方が、好きなんでしょ?」
「いやそれは、、」
「嘘付かれるのが一番嫌なの。本当の事を言って、優しい嘘なんていらない」
「いや、もう何度も。自分の中で最確認してるけど、確かにシャルとかよは。俺の中で同じくらい好きで、愛すべき対象だよ」
「嘘ばっかり。かよさんに対する愛情が、何かの思考経過で私に対する愛情に混じってる。混入してるだけよ。根本的にはイツキはかよさんが一番好きだし。どちらか一人を選べといわれたら。きっとかよさんを選ぶ」
「そんな事は、、、」
「ほら、何も断言できない。この嘘付くしか脳がない最低人間」
「いや、でも俺はそんな。シャルの事もかよの事も、、、」
「そうやって出来る限り葛藤して、己の矛盾に悩み苦しみなさい。そうすればその対立する感情が、無限に相互に好影響を与えて。無限大に昇華される。人は不安定な存在、多くの矛盾を合わせ持ち。答えの出ない問題に葛藤する。そういう事を全力で行ない続ける人間が、最も最短で成長できるのよ」
「今までの流れは全部。その説法をする為だったのか?」
「当たり前でしょ。私がイツキを好きとか、愛してるとかありえないでしょ?」
「まあそりゃそうか、俺の驕りだったみたいだ」
「盗人猛々しいわ、人の心を奪っておいて。天然主人公なの貴女は?」
「どっちやねんっ!!」
「さて、どっちかしらね。想像にまかせるわ」
さて、俺はいつまで。このバーガーショップで居座りながら。このような話をし続けるのか、疑問に思い。気になりだした。
まあシャルが飽きるか、終了を切り出さない限りは。最大限彼女の好きなようにさせ、彼女の満足度が最大になるように、善処するわけだがね。
こういうのが惚れた弱みとか言うのだろう。さっきシャルが言ったように、俺がもてる全ての100%。俺の全存在を掛けて、掛け値なく全てだ。それで俺はこのように彼女の為に在るのだった。
「どう?そろそろ私に付き合うのが飽きてきたんじゃないの?つまり貴方の愛の限界」
「いや、そんな事はないぜ。まだまだシャルとずっと話していたいと思う、てかシャルとなら永遠にこうやって話せるだろ。俺の中的常識的に考えて。」
「私はもう飽き飽きしてきたんだけど?」
「シャルも俺を俺と同じくらい、好きで愛していたんじゃなかったっけ?」
「もちろん。純然に100%。むしろ、貴方よりも愛は高いと思うわ。だって貴方はかよさんに、最低限半分は分けてるんでしょ?私は全部だもの。こう考えると負けるはずないでしょ?」
「その事引き摺るね」
「永遠に死ぬまで引き摺るわ。その私の恨み辛み悲しみ、不甲斐なさに欲求不満。その他ありとあらゆる全ての負の感情を。貴方は絶対に感じなさい。それだけ貴方は私に対して、罪深いことをしている」
「う、ああ、理解してるよ。シャルには酷い事をしてしまっている」
「認めたわね。やっぱり私よりかよさんの方が、好きだったんだわ」
「いやいや、そういう訳じゃない。シャルにそういう思いを抱かせてること自体を、悪いと思ってるんだ、シャルの事は好きだよ」
「安っぽい言葉。貴方の言葉って全部心に響かないわ。だって真の愛が篭ってないんだもの」
「だから、本当にシャルの事は愛しているんだって」
「ふん。せいぜいそうやって、ずっとずぅーと。私に媚びへつらい様子を伺う、そういう態度が崩れないうちは信じてあげる」
「ああ、大丈夫だよ。俺は本当にシャルの事が好きなんだからな」
「ちょっと、こうやって無駄話している内に。新たな説法を考え付いたんだけど?」
「おお、言ってみてくれ。聴いてみたい」
「やっぱり人間って、このどんな酷い事も嬉しい事も。無限大の強度で起きる可能性がある。そういう世界で生きている以上、極限的には絶対的に。出来る限り、自分の持ちうる100%全てを根こそぎ使って。未来的に無限大の幸福状態に近づける、手に入れられる可能性を最大化して。逆に無限大の不幸状態を回避する、手にしない可能性を最小化しないといけないと思うの」
「冷静な突込みをするなら。一言聞いただけじゃ理解も解読もできない。何度も読み返せる小説じゃないんだぞ」
「ええ、だから。この今私が一番、頭の中で必死こいて考えてたテーマを。率直に簡潔に貴方に言って。一緒にこれについて思い悩み、一緒に頭を抱えてほしいの。私の事、命よりも大事なんでしょ?その上で全力全快、今持てる知力的にも精神的にも、100%全力全快を最低限として。私のために生きるなら、当然付き合ってくれるわよね」
「もちろんだよ、やってやるぜぇ!!」
「気合が合ってよろしい。では始めましょう。まず、この世界って無限大の可能性があるわよね?」
「まあな。少なくとも俺とお前は。それを悟っている、または悟った気になっているな。うん」
「そうそう、私達は”悟った気”になっている。なぜなら、この世界の無限大の可能性なんて。この世界の全てを完全に知らなければ理解できない。それこそラプラスの目が必要だわ」
「ごめん。頭痛くなってきた」
「大丈夫よ。勉強と違って、目の前に超絶美少女が。美麗なメゾソプラノで語りかけてるのよ。頑張れるわ。貴方だって家庭教師がそうなら頑張れるって自信くらいあるでしょ?想像力を働かせて頑張ってよ」
「無理、もう頭が痛くて痛くて死にそうだ」
「じゃーキスしたら頑張れそう?」
「うん、キスしてくれたら復活できそう」
「ちょっとぉ!!こういう無駄話してると!ホント本題からどこまでも脱線して話が進まないんだけどぉ!ねえ?!私を満足させる為に己の全存在を全部尽くすんでしょ!!!私の為に理想的に振舞って満足させてよ!!」
「だめ。ちょっと癒してくれないと立ち直れそうにない」
「そ、そんなに頭にダメージがいくような内容だったの?」
「おお、俺のような耐性のない奴には大ダメージだったぜ」
「ご、ごめんねぇ。イツキがそんなにダウンするとは思わなかったわ、ホントごめん」
「まあいいさ。辛いけど頑張るよ。もうホントシャルのためだからな。俺は頑張れるよ」
「ありがとう。さっ、続けるわよ。さっきの続き。くっそ!!何処からか忘れたわ!!」
「じゃあもうやめる?」
「続けるに決まってるでしょ!!フザケないで!!私は本当にこの論題に付いて、イツキ!貴方と話したいの!これは私にとっても重要な問題なの!より現実を今よりも、すこしでも強く。気高く。貴方の理想の私ですこしでも、居続けるための。そういう話なの!ちゃんと聴いてよ!!」
「わ、わかったよシャル。お前の心意気っつーか。気持ちはちゃんと伝わったから」
「はい。計算どおりっと」
「あの、それやめない?」
「駄目よ。これがないと臭くなりすぎるでしょ。私のキャラも崩れるし。最低限こういう事はしないと」
「いや、俺はそれでもかまわないよ」
「貴方。私のキャラを一番愛してる。そういう殿方でしたよね?」
「ああもちろんそうだが。その自覚も一番ある」
「だったら、私のキャラが崩れるような!私自身のやり方に口出しするんじゃないわよ!」
「あれ?でも俺の理想とかにも合わせるんじゃ」
「もう!貴方の理想に合わせた感じが今の状態なの!これが私のベストなの!文句言わないでよ!。貴方だって、こうやって臭い事言った後に、計算どおり。とか言っちゃう系女子が、好きなんでしょ??私のリサーチって言うか経験的に貴方は、これが堪らなく好きなの!嵌ってるのよ!!私よりも知能も精神力も低い、低位存在の癖に!!舐めた口利いてんじゃないわよ!!!」
「お、おう。委細了解したぜ」
「ふん!貴方。自分の方が私より大人とか、頭がいいとか思ってるでしょ。でもそんな事は絶対にありえない。そこんとこちゃんと誤解なく、理解してるんでしょうね」
「当たり前だろ。俺なんてお前と最初合ったときは。色々と避けられまくった挙句。しつこく付きまとってきた俺に。ついに業を煮やしたシャルが。催眠暗示とかで調教とかしてたじゃん。あんなの俺より頭が良くないと、出来ない芸当だろ? かよにも聞いたが。基本催眠暗示は絶対的に、相手より高い知力と精神力で。相手を知能的に思考回路を完全に屈服させるとか。そういう原理って事は聞いてる。だからシャルの事が俺より、根本的にも本質的にも。実践的な面に置いても、ありとあらゆる面で優れているってのは自覚してるぜ!これくらい言えば完全に俺がシャルの下って事を、心の底から自覚してるって事はわかっただろ」
「ええ。完全なる模範解答ありがとう。貴方が心の底から、全ての面で。私より劣っている事を、骨の髄から理解している事を知って。背筋が震えるほどの快感があったわ。気持ちよかったわ、ありがとうね」
「いやいや。どういたしましてだぜ。また言ってほしくなったら言ってくれよな。これ実は暗記に近い形で覚えてんだ」
「そうねその時は頼むわって。またそれに逸れて、また思い出さなくてはいけなくなったわ、、、たしかー、、。」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・ちょっと休憩しましょう眠くなってきたわ」
「そうか、ちょうど俺もそう思っていたところだ」
そんな訳で、多少小休止を取る事になりましたとさ。