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秋桜  作者: 七地
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勝手な主張 (1)

『関わるな』って言われていたけど、遇ってしまったんだなぁ‥


私って、葵から駄目だって言われることに限って、巻き込まれたり、関わる羽目になっているような気がする。


このことも、バレたらお説教かな…でもね、本当に偶然だったんだよ?






笠原さんと3回目の放課後デートをしていたとき、ケーキを食べていた笠原さんは急に体をこわばらせた。


「どうしたの?」


私が聞くと小さく「圭吾」とつぶやいた


彼女が見ている方に目を向けると、ブレザータイプの制服をきた男女のグループが入ってきていた。

あの中に圭吾がいるんだ?


「大丈夫?」


私が聞くと、彼女は俯いてしまった。



通路を挟んで向かい側の席にグループが座った。

笠原さんは背中を向けていてわからないけどグループのメンバーは私達をチラチラ見る。

私はテーブルに置かれた笠原さんの手を握った。


大丈夫だよ。

思いをこめて彼女を見ると不安そうな目をしていた。

どうしようか?このままお店を出た方がいいのか‥でも、そうすると逃げているようで嫌だ。


「あれ?梨桜ちゃんここにいたんだ」


考えていると、意外すぎる人の声が降ってきた。


「拓弥君‥」


寛貴もいた


「何でここにいるの?」


「近くに用事があった」


寛貴はそっけなく言い私の隣に座り、笠原さんの隣に拓弥君が座った。

コーヒーを注文している拓弥君を見て「朱雀だ」圭吾のグループで囁かれていた




拓弥君は笠原さんに話しかけて何やら楽しそうにしている。それを見て少し安心しながら

私は寛貴の腕を少し引くと、彼は顔をこちらに向けた。


「あのね」


小さい声を出すと、寛貴は私のほうに顔を寄せた。


「どうした?」


「あそこのグループってなんていう学校?」


「北陵」


寛貴は私の目を見て言った。


「梨桜、拓弥に任せておけ」


え?


「いいから任せておけ」


声をひそめていたけれど、有無を言わせない強い口調に頷いた。



さすがチャラ男、場を和ませて笠原さんに笑顔が見られてきた。

私はまた寛貴に話しかけた。


「拓弥君すごいね」


「専門だから」


ふふっと私が笑うと拓弥君が


「梨桜ちゃん?‥寛貴と内緒話?」


えへへ、と笑い笠原さんを見ると彼女も笑顔で私に笑いかけた


「梨桜、お前がしたかった放課後デートってこれ?」


寛貴が聞いた


「うん、まあこんな感じ。笠原さん、今度はどこ行こうか?お買い物もしたいよね」


その時、北陵のグループが席を立った

笠原さんがびくっと反応して拓弥君が何か耳元に囁いていた


どうなるのかと、ハラハラしていると、男の子が私達の脇を通った時


「麗香、裏切り者がまだその制服着てんだな。噂で学校に行ってないって聞いたんだけど?」


一気に笠原さんの表情が凍りついた。


このバカ男‥許さない!


「てめぇ‥「あんたが圭吾?」


拓弥君の言葉に被せた


「なんだよお前」


私の頭の中で何かがはじけたような気がした


「今の言葉取り消しなさいよ」


「なに?」


「取り消せって言ったのよ」

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