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秋桜  作者: 七地
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定例会 (5)

“目が覚めたら電話しろ”


葵のメモがテーブルに置いてあって、携帯にかけるとすぐに出た。


「葵?」


『どうした?』


「今起きたよ」


『熱は?』


さっき計った体温を伝えた。


「37度だった。ねぇ葵、シャワー浴びたい。いい?」


『まだダメだ。我慢しろ』


「もう大丈夫だよ?」


『ダメだ。お前たまに髪の毛乾かさないで寝るだろ』


良く覚えてるな‥


「過保護すぎだよ?」


『‥いいんだよ。それより何か食べたいものあるか』


「プリン」


『わかった。なるべく急いで帰る』


「うん、ごめんね葵」


『謝るな。おとなしく寝てろよ』




うたた寝をしているとドアの閉まる音がした。


「お帰りなさい」


ゆっくりと起き上がると葵が部屋に顔を出した。


「ただいま」


葵にシャワーを浴びたいと訴えてなんとか許してもらい、汗を流すと葵が髪を乾かしてくれた


「伸びたな」


東京に行く。と決まってからドタバタしていて美容室に行けてなかった。


「私も葵みたいなサラサラのストレートに憧れる」


私の髪は何もしないと巻き毛になる。コテいらずだ。

風にサラサラなびくというのを一度やってみたい。


「やってみたら?オレもストレートロングの梨桜を見てみたい」


今度、ヘアサロン予約しよ


「今日朱雀が来たよ」


寛貴が言い出したことを思い出した


「何を考えているんだろうね」


「藤島には近づくな。いいな」


「う~ん」


私はそう思っているんだけどね、うまくいかないんだよ。


「お前、ブラコン宣言してどうすんだよ」


ああ、そうだった‥

勢いというか、仕方なく言ってしまったんだ。


「どうしよ?勢いで言っちゃった。葵、なんか考えて?」


嫌そうに眉をひそめる。


「上級生の弟なんて考えつかないだろ。オレ達似てないしな‥名字も違うし」


確かにそうだね。仕方がないから“ブラコン梨桜”のキャラを通すしかないか。




たくさん寝すぎて眠れない!と訴えると葵の部屋でDVDを見た

感動する映画だったけれど葵は自分のベッドで眠ってしまっていた。


「葵、風邪ひいちゃうよ」


毛布をかけてあげて続きを見た。





「…おまえ、DVD見てそのまま寝たな?」


目が覚めると起きてベッドに座っている葵が腕組みをして私を見ていた。


「うん」


いつの間にか葵の布団にもぐりこんで一緒に眠っていたらしい。


「熱は下がったか?」


私の額に手を当てた


「多分。今何時?」


「4時‥もう少し寝る。おまえも寝ろ」


一緒に寝るとよく眠れる。葵もそう言う。



私達は昼過ぎまで眠っていた。


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