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秋桜  作者: 七地
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定例会 (3)

「今日の議題に入ります」


愁君が言った。


葵はさっきから、凍りつきそうな冷たい視線を私に容赦なく浴びせてくる。

その目が何を言っているのか痛いほど良くわかる。互いの事が良く解るってこういう時不便だな…


『オレがあれほど「来るな」って言ったよな?なのになんでおまえはこいつらに連れて来られてここに座ってんだ?このバカ』

葵の鋭すぎる視線。それに対抗するように寛貴が葵を見ている。


誰にもわからないようにため息をついた


早く帰りたい。



会議は続き、一度休憩になった。

葵が外に出ろと目で訴えているけれど、恐ろしくて席から離れたくなかった。そんな葵を見て愁君はため息をついて私を見ている。


「梨桜さん、紅茶のお代わり持ってきましょうか」


コジ君が気を使って聞いてくれた。

今は君だけが私の癒しだよ。かわいいコジ君‥


「大丈夫、ありがとうコジ君」


その時、机に置いた消しゴムに手が当たって床に落ちた。

拾おうとして椅子の上で体をひねりながら腰をあげたとき、ツキン!と背中に痛みが走った。


「ぃっ!」


バランスを崩して床に落ちた


「梨桜さん!?」


うずくまって痛みが過ぎるのをこらえた。



油断してしまった。

うぅ‥痛い‥



“少し我慢しろ”小さい声が聞こえて、頷いたら体がフワリと浮いた。


「愁、ドア開けて」


葵に抱き上げられていた。


生徒会室の隣の部屋に入ると葵は私をソファに下ろし、私の額に滲んだ汗を自分のハンカチで押さえるようにして拭ってくれた。

“おさまったか?”小さい声で聞き、私は頷いた。


「少し休んでろ」


頷いて顔を上げると、葵の後ろに朱雀のメンバーがいた。


「梨桜ちゃん、大丈夫か?」


悠君が心配そうに聞いた。


「うん‥大丈夫。」


「まだ辛そうだよ?」


拓弥君が聞いた


「少し休めば大丈夫。心配かけてごめんなさい」


まだ心配そうな3人に笑いかけた。


「背中を怪我したときの後遺症なんです。少しじっとしていれば痛みは引くので大丈夫。‥悠くん、そんな顔しないで?」


悠くんは泣きそうな顔をしていた。

優しいんだね?心配してくれてありがとう。


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