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秋桜  作者: 七地
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やんちゃ集団  (1)

私が電車に乗るために出口へ向かおうとすると


「梨桜、こっち」


「葵?」


「迎えが来てる」


葵に手を引かれて空港を出た。



葵が連れてきてくれた場所に白いBMWが停まっていて、それを見て後ずさってしまった。

どうして高校生の葵のお迎えがBMW?しかもフルスモーク!?


「‥・葵?」


これって、この車って‥・怪しさ満点なんですけど!?

離れて暮らしていた5年間で葵に何があったの!?


「チームの車だから。早く乗れよ」


「チームってなに?」


「何言ってんだよ、前に言っただろ?チームに入ったって」


私はブンブンと首を横に振った。

葵は眉根を寄せて訝しげに私の顔を覗き込む


「私が思ってるのと違うよ?葵‥」


「梨桜、どんなの想像してたんだよ?チームって言っただろ」


チームって暴走族みたいなものの事だったの!?バイクが好きだから、走るだけのチームに入ったんだと思ってた!


「訳わかんない事言ってないで早く乗れ」


葵は私を乗せると自分も乗った。

怪しさ満点のフルスモークのBMWは乗り心地はとても良かった。


「久しぶり、梨桜ちゃん」


助手席には栗色の髪の毛をした葵のお友達、三浦愁君がいた。

愁君とは私が北海道に住んでいた時から知っている葵のお友達で東京に遊びに来るたびに私も一緒に遊んでくれたりして仲良くしてくれている


「愁君久しぶり!元気だった?」


知っている人が乗っていて一気に安心してしまった単純な私を見て葵はバカにしたような笑みを私に向けた。


「オレは元気だよ。梨桜ちゃんも元気そうで良かった」


かっこいい愁君はにっこりと笑った。


「愁君、お見舞いに花をたくさん送ってくれてありがとう」


「どう致しまして、葵から聞いてるけどあまり無理しちゃ駄目だからね?」


少し眉をひそめて私に教え聞かせるように言った。同い年なのにお兄さんみたい。


「ありがとう」


パパと北海道に住んでいた私は、半年前に事故にあった。


店で買い物していたら暴走した車が店に突っ込んできた

2人亡くなって私はショーケースのガラスが背中のあちこちに刺さり、ろっ骨を何本か

骨折した。


医師には奇跡的に助かったと言われた。

背中に突き刺さったガラスは私の神経を傷付け、時々事故の後遺症に苦しむ。


「梨桜、横になってていいぞ」


長期間の入院で学校に通えなかった私は、高校1年生をもう一度やることになった。


「うん、そうさせてもらうね」


今の私は長時間、車や電車に揺られることは苦手だ。背中が痛くなってしまう。

葵に膝枕をしてもらい目を閉じた。

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