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秋桜  作者: 七地
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嫉妬 (2)

「悠君は?」


生徒会室に悠君の姿はなかった。


「用事があって帰った」


拓弥君が言い、私をソファに座らせた。

私には生徒会に来るように言うくせにしょっちゅういないような気がするのは気のせい?


「梨桜ちゃん、オレンジとりんごとグレープフルーツ、どれがいい?」


「りんごがいいです」


拓弥君は私の前にペットボトルを置き、自分は水を飲んだ


「何をしていた?」


藤島寛貴が聞いてきたから


「屋上でぼーっとしてた」


正直に答えたら


「授業が終わったらすぐに来い」


オレ様生徒会長怒られた。


返事をしないでペットボトルを手に取り蓋をあけようとした…あれ?あかない。

蓋ってこんなに固かった?

力いっぱいひねるけど開かなくて、手が赤くなってきてしまった。


この蓋、不良品じゃない?開かないっておかしいでしょ!


「貸せ」


彼がペットボトルを受け取り蓋をひねるとあっさり開いた。


「ほら」


「ありがとう、ふじ…」


睨まれてしまった


「何度言えばわかる?」


名前で呼べ。そう迫られて、ペットボトルを取ろうとしたら遠ざけられた


「呼べ」


「ありがとう、寛貴…呼び捨てにするのって、慣れないんだもん」


「いい加減馴れろ」


ペットボトルを受け取り口をつけて飲んだ。





「駅まで送る」


「ありがと」


帰る前に、教室に忘れものをした事を思い出した。

それを2人に言い教室に戻ろうと廊下を歩いていると、上級生とすれ違った。


また何か言われるのかなと思いながらすれ違ったとき、背中をドン!と押された。

突き飛ばされた私はバランスを崩して床に倒れこんでしまった。


ドスッという衝撃の後、背中に激痛が走った。


「うっ…」


その場でうずくまり痛みに耐えていると上から声が降ってきた。


「早く生徒会から抜けろ」


声がした方を確かめたかったけれどできなかった。

背中を嫌な汗が伝っていった


悔しい…



「――はぁ…」


なんとか痛みをやり過ごして息を吐いて、立ち上がろうとして左手を壁伝いに這わせると


「いった~いっ!」


痛みが走るなんて想像してなかっただけに、突然走った痛みに思わず声を出してしまった。

本当についてない。右手で窓の桟に手をかけて立ち上がった


教室に入って忘れ物をとると机にまた紙が入っていた

“朱雀の隣を歩くな”


「あほくさ…だったらあんたが隣を歩けばいいじゃない」


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