嫉妬 (1)
最初は机に入った紙一枚だった。
あれから1週間経って、私が生徒会に入ったという話が広まれば広まるほど嫌がらせを受けた。
通りすがりに『ダサメガネ、調子づくなよ?』とか『藤島さんの隣に立つんじゃねーよ』と言われたり、机には毎日紙が入っている。
朱雀の人間か、ただのファンか…私が自分から生徒会に入ったと思っているあたりでイタい
今まで、葵の事が大好きな女からの嫉妬をぶつけられたことは何度もある。だけど、男からというのは初めてと同じでどう扱ったらいいのかわからない。
いい加減にしてくれないかな、と思うけど、どう対処したらいいんだろうか…
「…何してるのかなー?」
「さぼり…」
放課後の生徒会をサボろうと思って屋上にいたら見つかった。
「早く行かないと寛貴が怒るよ?」
いつものチャラチャラした“拓弥くん”ではなかった。
「議事録ならもう終わりましたよね?」
ポケットから煙草を取り出して火をつけて私を見る目が鋭い。
「連れて来いってさ‥何でか君がお気に入りみたいだね?」
疑問に思うなら反対しなさいよね。
「良くわからないんですけど」
お気に入りとか、目立つからやめてほしい
「オレも良くわからない。悠が懐いているのも良くわからない」
そう言って煙を吐き出した。
「悠君はいつもノートを見せてあげてるからじゃないですか?」
「なるほど。っつーかさ、オレ達といる感想は?」
感想?
生徒会から抜けさせてくれません?というのは感想じゃなくて希望だよね?
「感想は、…ちゃんと生徒会の仕事しているのが意外でした」
フッと笑われた
「そこは普通さ?『朱雀の幹部って聞いてたから怖いと思ってたけどみんな優しいから嬉しい』とかじゃない?」
なるほど。
私は青龍のメンバーといつも一緒ににいるから感覚が麻痺しているらしい。
「そうですね」
「本当に怖くないの?」
その言葉に頷いた。
「だって怖い顔を見てないし。怖い方の一面を見たとしたらその時はそう思うかもしれないけど、それはそうならざるを得ない状況だと思うし‥」
笑わないでじっと見ていた
常に裏の顔を見せて牙を剥いて周囲を威嚇し続けるのも違う気がする。
そんなのただ粋がっているだけ自分を理解していないだけ。葵と愁君がそう教えてくれた。
「梨桜ちゃんはやっぱり面白いね。生徒会室に行こうか」
行き着く先はやっぱりそこなんだ…