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秋桜  作者: 七地
184/258

Line (5) side:悠

甘い‥‥


「悠君、まだ食べるの?」


オレは絶品のパンプキンパイを口に入れた。


「旨いからまだまだ食えるよ」


梨桜ちゃんは『かぼちゃがたくさん採れたからお裾分け』そう言って、大きな紙袋を二つ抱えて朱雀の倉庫にやって来た。


「本当に旨いです!ありがとうございます」


幹部室に山盛りに置かれた梨桜ちゃんお手製のスイーツ達は朱雀の準幹部達によってほぼ食べ尽くされようとしていた。


「こちらこそ、いっぱい食べてくれてありがとう」


梨桜ちゃんは少し照れながら、あの破壊力が半端ない笑顔を見せた


また甘い‥‥

パイの事ではない。ウチの…朱雀の鬼総長の事だ。


札幌から帰ってきて、寛貴さんが柔らかい雰囲気を出すときがある。きっと他の奴等には分からない。


気付いているのは拓弥さんくらいだろう。




「買い物に行ってきていい?」


梨桜ちゃんが寛貴さんを見るときの感じが可愛い。


「何を買うんだ」


寛貴さんは背が高いから梨桜ちゃんは見上げて、寛貴さんは少し見下ろすようになる。その2人の距離感がなんかいい。


二人を見て、こんな風に思えるなんて…まだ信じられないけど、梨桜ちゃんのこの笑顔を見るとなんだか穏やかな気持ちになるんだよな。


「あのね」


内緒話のようだ。

寛貴さんが梨桜ちゃんの口元に顔を寄せて話を聞くとフッと寛貴さんが笑った。


「いいよ。オレが一緒に行く」


「梨桜ちゃん、何買うの?オレも行く!」


ついて行くつもりもないクセに…拓弥さんが言うと、寛貴さんは微かに眉を顰めた。

拓弥さんは寛貴さんで楽しんでいる。この人を相手に遊んで楽しむなんて、命知らずだ。


「お前らは留守番してろ。車出せ」


案の定、速攻却下。

拓弥さんは吹き出しそうになるのを堪えていて、寛貴さんにジロリと睨まれていた。

マジ、命知らず。


「え?電車で行こうよ」


寛貴さんは梨桜ちゃんを見下ろしていて、微かにだけど、眉間に皺が寄っている。

…気持ちはわかるけど、彼女に対してはすっげー心配性。


「危ないからダメだ。お前は声をかけられるとすぐ鵜呑みにするだろ」


「‥‥贅沢者」


「梨桜さんっ総長は敵チームに狙われやすいんです!だから車なんです!」


寛貴さんが眉を顰めたのを見て、準幹部が慌ててフォローする。

フォローなんかしなくていいのに‥‥梨桜ちゃんが寛貴さんに意見を言うときの2人のやりとりがなんとなく好きだ。

まだこいつらは見たことがないから仕方ないか‥‥拓弥さんなんかニヤニヤしながら見てるのに…


「‥‥そうなの?じゃあ、私の買い物につきあわせたら危ないよね。寛貴、ごめんね。私1人で行ってくる」


危ないの基準を間違えてるから…

寛貴さんに喧嘩を売って、返り討ちにされる奴らの方が『危険だからやめろ』って言ってやりたいくらいだぜ?


「余計危ないだろ」


そうだ、梨桜ちゃんを1人で買い物になんか行かせられない。そう思っていると、何やら考え込んでいた。


「じゃあ、愁君にお願いする。一人にならなければいいんでしょ?」


「…」


またやった。

彼女の場合、地雷を踏むのではなく、オレ達に爆弾を投げて寄越す。

投げた本人は自覚がなく、のほほんとしていて投げられたこっちは大変だ


どうしてここで“宮野”じゃなくて“三浦”なんだよ!?君はどんだけ三浦に手懐けられてんの?


「ごちゃごちゃ言ってないで行くぞ」


総長、ご立腹。


「いいの?」


「いいに決まってるだろ!行くぞ」


また笑顔。凶器だよそれ…

ウチのチームで何人ヤラレたと思ってんの…



.


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