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秋桜  作者: 七地
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市場リサーチ‥ side:梨桜

SHRが始まる前に学校から逃げてきた。


さて‥‥葵が来るまで時間を潰さなきゃいけない。


制服を着替えて、女の子が沢山いるカフェに入った私はのんびりとお茶をする事にした。

東京に来てからはいつも葵とべったりだったから久しぶりの1人時間を満喫した。


『ねぇ、藤島先輩見ちゃった』


『かっこ良かったねーっ』


『あんたら紫苑に受かるなんて超ラッキーだよ!写メとってうちらにまわしてよ』


場所変わりたい‥‥

隣には紫苑の制服を着た女子生徒が2人とブレザータイプの制服を着た女の子2人が座っていた。


『私は絶対に宮野君派!』


『私もどっちかというと宮野君派かな~』


葵、良かったね。人気者だよ?


『でもさ、宮野君て最近彼女できたらしいじゃん?』


彼女たちの『宮野君』の話は止まらない。


『あ、私も男子が話してるの聞いた~女の子と車乗ってたって』


『私は洋服買いに行ったって聞いたよ』


へぇ‥‥葵ってばどこかのアイドルみたいだね、そんなに注目されたら窮屈で大変そうだね。


『美人じゃなきゃ許せない』


え~‥姉としては美人より性格いい子がいいな

それよりもオレ様な葵についてきてくれる子はいるんだろうか?結構束縛すると思うんだよね。

彼女は苦労すると思うよ?


『だよね、私も藤島先輩の彼女は美人じゃなきゃ納得できないな』


あなた達の価値観可笑しいでしょ?


『でもさ、宮野君と藤島先輩てタイマンはったらどっちが強いかな』


『互角って思いたいな‥‥大橋先輩と三浦君も強いけど、更に上を行く2人だもんね』


『顔良し、頭良し、ケンカ強い!男にも人気!最高』


葵、さっき思ったこと撤回する。あんたも軽い女に人気で大変だね


テーブルに置いていた携帯が震えた。着信は葵


「‥‥待ち合わせ場所を変えていい?」


『なんで』


「駅前のカフェにいたから」


『桜庭、止めろ。‥‥何勝手にふらふらしてんだよ?ばか』


総長様はご立腹だ。


「たまには市場調査してもいいでしょ」


電話の向こうでバタンとドアの閉まる音がした。


『何のリサーチだよ?』


「‥‥女子高生リサーチ。ってなんでお店に入ってくるのよ」


『すぐ近くにいたんだよ』


葵はお店に入ってきた。ただでさえ目立ってるんだから‥自覚して行動しなさい。


お互い同時に通話を切り携帯をポケットに入れた。


『ねぇ、あれ宮野君じゃない?』


私は席を立った。


『うわ‥‥こんな近くで見たの初めて』


外野がうるさい


「リサーチは終わったか」


「ん~‥続きはまた今度」


「一人はダメだぞ」


葵に手を引かれて店を出た。


桜庭さんがドアを開けてくれて葵に続いて車に乗り込んだ


「梨桜ちゃん、今度オレとお茶飲みにいこうよ」


愁君が後ろを振り返ってにっこり笑った


「うん!」


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