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秋桜  作者: 七地
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遭遇 (4) side:悠

「逃げた‥」


信じらんねえ‥‥

オレはちょっと呆然としながら、何もない彼女の机を見た。


朱雀のトップ2人に声をかけられて生徒会に誘われるってことだけで普通の女は舞い上がるくらい喜ぶのに。


北海道から転校してきてこっちの事情に疎いのはわかる。

でもオレ達に誘われて断るって‥‥


「あり得ねーよな‥‥」


「どうしたんすか?悠さん」


クラスにいた朱雀のメンバーがオレに声をかけた。


「いや、独り言」


『がり勉メガネ』彼女がクラスの奴、いや、学年中の男からそう呼ばれているのは知っている。彼女の容姿と行動がそう呼ばせているんだ。


下手に偏差値が高いこの学校はイジメなんてやっている暇はない。

模試の点数と順位が一番の関心事だ。競い合い、蹴落とすことに執着している。

下らないコトにこだわる生徒は誰かを蔑むコトで心の均衡を保っている。


東堂梨桜はそんな下らないカスみたいな奴らの標的になっていた。


それに対極の立場にある生徒会に誘われている。それをコイツらが知ったらどんな顔をするか見てみたい。

寛貴さんが言い出したことに一番はじめに思ったことだ。

人を外見だけで判断するのは愚かなこと。この世界に入ってわかったこと。

だから彼女の外見とは違う中身を見て見たかったんだけどな‥‥


生徒会室の扉を開けた。


「悠、遅い。‥‥‥ってお前1人?メガネちゃんはどうした」


拓弥さんが聞いてきた。


「‥‥逃げられた」


「はあ?」


拓弥さんが驚いていた。寛貴さんは少しだけ眉をひそめた


「油断した。この学校で朱雀から逃げるバカはいないと思ってた」


寛貴さんは口角をあげた。この人がこんな笑いを浮かべるなんて珍しい‥‥


「明日は必ず連れて来い。逃げられるなよ?」


こんなコト言う寛貴さん初めてだ。


「寛貴、メガネ好き?お前はセーラー服におさげって‥‥萌えるんだ‥‥」


拓弥さんが言うとすげぇ厭らしく聞こえる。


「拓弥さん、エロDVD見過ぎ」


「いや、オレ実践派だからあんま見ねぇし‥」


「意味わかんねぇよ」


チャラいな‥‥

まぁ、この人にも外見だけで判断するのは愚かなことだって経験させてもらったけど‥


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