表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
秋桜  作者: 七地
133/258

或る夏の日 (2) side:コジ

愁さんと藤島達は幹部室に入ってしまい、オレと海堂が残った。


「可愛いよな」


ボソリと呟いた海堂。オレもその意見に同感だ。


「あの二人が双子だって事忘れそうになる」


切なそうに二人が出て行った門扉の方を見ていた。おまえも辛いよな


「なぁ、梨桜ちゃんておまえには甘いよな」


オレ?

突然話をフラれて、チームでの日常を思い出してみる。

優しくしてもらってるのは分かるけど甘いのか?


「甘いっつーか、優しいな。梨桜さんは皆に優しいぞ、おまえに葵さんとの事を隠してることに対して申し訳ないって悩んでたしな」


あの時の梨桜さんは悲しそうだったな。


「…んだよそれ」


一瞬、顔を歪めた海堂は何かを堪えているように見えた。


「だから、優しいんだよ。梨桜さんは」


「小嶋、おまえは梨桜ちゃんと一緒にいて何とも思わないのか」


梨桜さんは大好きだ。

でもお前の聞きたいのは、恋愛感情が起こらないのかってことか?


だとしたら、答えは「ノー」だ。

憧れているし大好きだけど、オレが手に負えるような人じゃない。

葵さんと同等、もしくはそれ以上の男にならないと梨桜さんには釣り合わないと思ってる。


「おまえ、なんつー顔してんだよ。梨桜さんのことは大好きだ。きっとチームの皆も同じ気持ちだと思う。でも、恋愛がどうこうっていう感情はねぇな。大体、そんな感情を持ったらこのチームではやっていけねぇよ」


梨桜さんはオレ達が尊敬する総長が大切にしている人。

それに、そんな感情を持ったら命がいくつあっても足りない。


そう言えば、コイツに言いたいことがあったんだ。


「オレ、これだけは言っておきたいんだけど」


「なんだよ」


少しだけ海堂が構えた。

いいか?良く聞けよ!


「梨桜さんが朱雀に出入りするのは不本意だ」


片眉が上がって不機嫌そうにオレを見た。お前の事だから『梨桜ちゃんは青龍の姫だけじゃねぇぞ』そんな事を言いたいんだろ


「…んだよ」


ムカついてる目をオレに向けるけれど、それに怯むつもりはない。初代が決めた事だから仕方がないけど、梨桜さんはオレ達だけの姫でいて欲しいんだ。


「出入りする以上、前のような事があったら許さない」


「あ?」


“前のような事”その言葉に怪訝な顔をしている。

ふざけんなよ?“覚えてねぇ”とかは言わせねぇぞ!


「手紙が入っていて怪我をした事があっただろ。あんなことがあったら許さないからな」


視線を彷徨わせていたけれど、思い出したのかオレに視線を向けた。


「当たり前だろ、あんなのは二度とねぇよ。ふざけたマネをする奴は潰す」


「その言葉、忘れんなよ」


念を押すと、目を伏せて呟いた。


「…寛貴さんがそんな事させねぇよ」


海堂にとってあの総長は憧れであって、越えられない壁。それは分かるけど、そんなに切ない顔すんなよ…


.


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ