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02話

 いつも通りの道を昨日の夜やってたゲームのことを考えながらのんびりと歩く。

 ランドセルを背負った小学生が元気に俺の横を抜けて走っていき、それを追いかけていく同じくらいの子たちも元気に走っていくのを見て、若いってすごいなーとか思ってたら普通に道端の小石でこけた。(俺が)

 それを見て急ぐ、なんてことはなく普通に歩いて学校へ向かうと、ある道の角を曲がったところで見覚えしかない顔の二人が喋っていた。二人は俺の姿に気づくと、喋るのを止めてこっちに向かって声をかけてきた。

 

「やっほぉ~おはよ~」

「よ」

「おはよう」


 一人は俺よりも背の低い女子で、ボブで肩にかからないくらいの後ろ髪は少し明るめの赤茶色、毛先が外に跳ね気味で根本の方は毛先よりも少し濃い色になっている。きれいに揃えられた軽めの前髪に、サイドの髪がいくつかのシンプルなピンでとめられている。

 まつ毛が長めでぱっちりとした垂れ気味の目は少し細められ、口元に浮かべている笑みとのんびりとした話し方は、優しそうな大人しそうでどこか抜けているようなイメージを与える。


 もう一人は俺と同じくらいの背の青年で髪はショート、後ろ髪は少し刈り上げられていて内側は地毛の黒色、外側の髪をアッシュグレーに染めている。ストレートでところどころ寝ぐせで毛先が跳ねている後ろ髪に、目にギリギリかかるくらいの前髪の隙間から少し鋭い目が俺のことを見てくる。彼が短い後ろ髪を手でかき上げるようなしぐさをすると、耳元にある一対のスタッドピアスが反射してキラキラと光っているのが見える。

 そんな見た目に反して大きなあくびをしている彼の様子はちょっとデカい犬のように見える。どこかマイペースな雰囲気があるせいというかおかげというか、全然怖くはないと思う。


 彼らは俺の幼稚園のころからの幼馴染であり、今も同じ高校に通っている同級生だ。家もそれなりに近く、昔は家族ぐるみでよく色々なところへ遊びに行ったりもしていた。


 あと彼らは俺のゲーム友達でもあり、昨日も夜まで一緒にゲームをしていた。さすがに学校がある前日に徹夜でゲームはヤバいという、理性の部分が若干残ってたから昨日はいつもより比較的早めに終わったが、多分ゲームは二人はとにかく俺は今日帰ってからもやると思う。とにかく、俺らは幼馴染であり趣味友達でもあるということだ。


「二人とも直接会うの久々だねぇ~」

「確かに、最近はどこか遊びに行くことも減ったし」

「まあタイミングもあるだろうな。部活とか忙しかったんだろ?大会とかどうだったんだ?」

「それなりにいいとこまでは行ったと思う。元々俺のとこは人少ないから、うちは強豪ってわけでもないし優勝は無理だったけどな。次は負けない」

「すごいやる気だねぇ~」

 こいつは感覚的な運動センスがすごいから、普通に強いところ行っても活躍できると思うんだけどな。いろんな人と切磋琢磨するのと、学校のわちゃわちゃ感が好きらしい。休みの間、声は聞いてたけど疲れ以上に楽しそうに部活の話をしてた。俺はそんな運動は特別得意とかじゃないからほんとすごいと思う。


「そういえば今日から来るらしいねぇ~」 

 何気ない話をしていると突然、彼女が俺に向かって思い出した彼のようにそう言ってきた。

「何が?」

「転校生がくるって話だろ。昨日も、お前が来る前に二人でゲームしながらその話してたんだよ。転校生なんて久々だから他の学年でも話題になってるらしいけど、お前の方が知ってるんじゃないか?」

「なんでそれでおれの方が知ってるってことになるんだ?」

「だってその転校生が来るの、あなたのクラスだよぉ?」

 そうなんだ。マジで何も知らん。これが巷で有名な”またしても何も知らない○○さん”ってやつか?俺はガチで転校生のての字も聞いてないし全然二人に教えられるまで知らなかったが。そういう話ってどこから流れてくるんだよ…


「なんかねぇ夏休みに部活で学校来てた子たちが先生からきいたらしいよぉ~

 ”転校生がくるなんて珍しいですよねぇ”

 ”え、転校生来るんですか!””どこの学年?どこのクラスです?””どんな人が来るかですかー?”

 ”いやそれはちょっと教えられないかな~しいて言うなら男子…いやぁこれ以上は言えないなー”

 ””えぇ~””

 って感じで学年やらクラスまで全部教えてくれたらしいよぉ~」


 いやそういうのって生徒に話していいもんなのか?転校生が来たことが無いから分からないけど、個人情報じゃなけりゃいいのか?

 てかまず俺のクラスの話なのになんで俺のところにその話が来なくて、お前らの方にはそんな詳細に伝わってるんだよ。

「それはあなたが夏休み中外に全然出ないからでしょ~普段あんまり人と話さないのに、外も出てないってなったら本当に私たち以外話す人いないんじゃないのぉ?」

「絶対それだろ。ずっと家いたんだろ?なら話が入ってこないなんて当たり前なんじゃないか?

 なんかいつパソコン見てもお前のところに「ゲーム中」って書いてあって、1週間毎日ずっとそれだったときはさすがに表記バグったのかと疑った」

「まぁ私たちとあなただと、普段からゲームやってる時間が違うのは当たり前だけどぉ、それでも2日間ぶっ通しでやったって聞いたときはさすがに私でもちょっと引いたよぉ…」

「別にいいだろ。俺が何時間ゲームやってたとしても誰かの迷惑になるわけでもないし。ちゃんと課題を終わらせてからやってたんだから文句ないだろ。外出ても暑いだけだし別に行く場所もないし遊ぶ予定もなかったし、やりたいからやってただけだし」

 文句言われる筋合いはない。


「あー、それはごめん」

「どっか誘えばよかったねぇ。言ってくれればよかったのにぃ~」

「俺たち以外の人がいるのは嫌かと思って誘わなかったんだよ。あと俺はアウトドア系の場所に行くことが多かったから、そういうわちゃわちゃ系あんまり合わないかと思って」

「私も家族旅行とか予定があって空いてる時間があんまりなかったんだよねぇ~」

 ごめんねぇ~と彼女が言っているが、別に俺は誘われなかったことに対して何も思ってないし最初から興味もない。謝られても困る、というかあんまり何回も言うとわざとにしか聞こえなくなる


「そんな言い訳みたいな、微妙におれを刺してくる話はいいから、夏休み中の楽しかったこととか話してくれ」

「楽しかったことぉ?ん~そうだねぇ、あの子と一緒に旅行行けたのが一番うれしかったなぁ~」

「それ毎年言ってないか?ほんと弟好きだよな」

「そう言うお前も対外だろ」

 揃いも揃って兄弟仲が良いことで。ほんと何か話すってなるといつも趣味の話か弟妹自慢が始まるっていうのが俺らの会話の定番。

 まあ俺も彼らの弟妹とは顔見知りだし仲もいいから、そういうエピソードを聞けるのは俺的にもいいんだけど。


「自分は違うっていうのぉ~?」

「どう考えても違うだろ」

「えぇ…」

「そんな否定しなくても」

 いや、だって二人は今までの俺らの様子を見てきただろ。彼らからしてどう見ても俺と姉さんの仲が良いってなるわけがないし。千歩譲って尊敬の気持ちがほんの少しでもあるとして自慢はするわけがない、絶対に。


「ほんと素直じゃないねぇ~」 

「本当は一番信頼してて尊敬していて大好きなのにな」

 …前から思ってたけど何でそれ覚えてるんだよ。それ話したの小学校入る前とかだぞ?しかも一回だけたまたま口に出たところを二人にだけ聞かれたっていう。まぁ、三人でいるときしか話してないみたいだから別にいいんだけども、他の人の前で、特に本人の前でその話をした暁には普通に絶交するつもりではある。


「別に恥ずかしいことじゃないだろ。何で嫌なんだ?」

「その話が姉さん本人に伝わったときに絶対面倒なことになるからだよ」

「嫌だけど本当のことだから否定できない感じも、私的には面白いからいいんだけどねぇ~」

 だから嫌なんだよ。分かるか?俺の黒歴史的な話を姉さんが友達に話して、実際俺がその人たちに会ったときにその話を持ち出される弟の気持ちを。悪気がないとしてもさすがに今の年齢になってそんな感じにいじられるのは疲れるし面倒だからマジでやめてくれ。


「分かったからさぁ、その見るからに不機嫌な感じやめてよ~。本当ごめんって~冗談だからさぁ~」

「そんなことよりも、俺部活で合宿行ってきたんだけどさ」

 そんなことよりもってなんだよ…しかもすごく簡単に話を流されたし。てかこいつ多分本当に何も考えずになんとなく自分の話を始めただけだと思う。ほんとマイペースな奴しかいないな。

 こういうマイペースな感じだからこそ、こいつの周りの雰囲気はどっかほわほわしてるんだろうと思う。良いところでもあり悪いところでもある。


 そんな感じで歩きながら三人で色々適当に話しているうちに、いつのまにか学校へ到着した。校門から学校へ入り、当番で立っている先生たちへ挨拶をしてまっすぐ下駄箱に向かうと、靴を履き替え階段を上り3階に着いたところで一旦

「じゃあ、また後で。いつもの場所で」

「転校生どんな感じだったかも教えてねぇ~」

 そんな会話を交わし俺だけそこで分かれて4階へ上り、自分の教室へと向かった。

 今日は色々なことが起きそうな気がする


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