00話 プロローグ
低くぼやけた視界の隅には倒れている誰かの姿が映り、俺や彼らの目の前で眩しいと感じるほど強い光が自身の持つすべての力を使って大きく輝いているのが見える。その光の中心部からは強い力を感じ、その力が少しずつ強くなっているのが分かる。
“ああ、俺は自分の大切なものすら救えないのか…”
後悔なんていくらでもしてきた。その度にもう二度とそんなことが起こらないように、何かをするための力を手に入れ、多くのものから様々なことを知り、自分ができうることをしてきたつもりだった。それでも足りなかった。
”アレ”を前にして俺は手も足も出すことができなかった。
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昔々、あるところに二つの存在がいた。それらはこの世に初めて造られた存在であり、いろいろな力を兼ね揃えていた。その存在たちは、気まぐれにこの世に存在する生物たちと関わり、偶然か必然かいくつかの生物を救うきっかけともなった。
ある者たちは白く美しい羽を持つそれを天使と呼び、またある者たちは黒く深い闇を求めるそれを悪魔と呼んだ。さらに別の場所に暮らす者たちは、救いを与えてくれたアレらを神と呼んだ。
ある世界の歴史に出てくる正義、ある国に突如現れた厄災、ある場所のすべてを救った英雄。そう言い伝えられてきた話のいくつかはアレらであり、その話があるのは”アレら”が今もこの世に存在している理由でもある。
ある者たちはソレに感謝を述べ、ある者たちはソレを崇拝し、あるモノたちはソレらに対して憎しみを持ち殺意を向け、復讐を願う。
誰かの救いは、誰かの犠牲と共に成り立っている。
そのどちらに立つのかは誰にも分からない。
これは俺らが生まれるずっとずっと昔の話。そして、俺ら自身が見てきた物語でもある。
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もう二度と後悔をしない。自分の意思で選択をし、その選択をするための力を得る。それが絶対正しいかどうかは俺には分からない。今のすべてに満足せず自分のできるすべてのことを行い、自分のために使う。
かつての孤独を望み何も知ろうとせずに大切なモノを失った、そんな過去の自分に対して俺はそう誓った。
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