表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇の胎動  作者: 雨竜秀樹
剣の女王

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/42

第9話 終焉


 グラトリアの死後、グラムロートは父ルクードと母ベリストラ、そして忠実な家臣たちの助力を得て、安定した統治を続けていた。彼の治世は、剣士団と諜報組織という両輪によって支えられ、これらの組織がグラムロートの王国を堅固なものにしていた。


 グラムロートの治世の初期には、いくつかの反乱が発生した。特に、グラトリアの死を機に自らの勢力を拡大しようとする貴族たちが、統治の隙を狙って動いた。しかし、父ルクードから引き継いだ精鋭の剣士団が迅速に動き、その反乱は容赦なく鎮圧された。戦場で鍛え上げられた剣士たちは、その圧倒的な武力で敵対する勢力を制圧し、国中に恐怖と敬意を広めた。

 同時に、母ベリストラが築き上げた諜報組織は、水面下での活動を続けた。反乱分子や陰謀を企てる者たちの情報は逐一グラムロートの元に届き、彼はそれらを事前に潰していった。諜報組織による裏の働きは、表向きの平穏を保つための重要な要素となっていた。ベリストラの教えにより、グラムロートはその情報力を最大限に活用し、家臣たちの間のパワーバランスを巧妙に調整していく。

 彼は特に大公たちの間での勢力争いに注意を払い、時には婚姻によって、時には適切な役職を割り振ることで、不満分子が台頭しないよう絶妙に立ち回った。彼はグラトリアのようになれないことを理解して「剣を振るわずして勝つ」ことを重視した。


 グラムロートの統治は、剣の女王から引き継いだ厳格な法律と秩序を維持しながらも、手綱を少し緩めることで国全体に新たな活力を与えた。民衆に寄り添う形での政策を次々と打ち出した。例えば、重税によって国力を維持していた先代の方針を見直し、一部の税を軽減し、一部の娯楽を推奨して民衆の生活が少しでも豊かになるように配慮した。この施策により、民心は次第にグラムロートへと傾き、彼の治世は「穏やかな繁栄の時代」として知られるようになる。

 また、彼は新たなインフラ整備にも力を入れた。各地に新たな街道を敷設し、農地の開発を推進することで国全体の経済を底上げした。この経済成長は、王国の安定に繋がり、民衆は彼を「賢明な王」として敬うようになった。


 統治者としての務めを果たす上で、グラムロートは有力な家臣との婚姻によって、王朝の安定を図った。彼は大公と呼ばれる王族に次ぐ貴族の娘たちと婚姻を結び、5人の妻を迎えた。彼の妻たちはそれぞれ、異なる地域や勢力を代表しており、この婚姻政策によって王国全土の安定が一層確保された。

 彼の治世は「多くの戦いによる勝利で得た」ものではなかったかもしれないが、彼の意義深い選択と適切な判断によって王朝は揺るぎないものとなる。


 グラムロートの死後も、彼の子孫たちは彼の遺産を守り続けた。しかし、王朝の運命は決して順風満帆ではなかった。時折、内部抗争や外敵の侵攻によって試練が訪れた。特に、彼の曾孫の時代には、大規模な疫病と反乱があり、王国は崩壊の危機に瀕した。しかし、グラムロートが残した剣士団と諜報組織が再び活躍し、王国はその危機を乗り越える。


 300年後、王朝は分裂し、いくつかの国に分かれることになる。分裂の原因は、王位継承を巡る内部抗争であり、後継者たちの間で激しい権力争いが繰り広げられた結果だった。しかし、その後もそれぞれの国々はグラムロートの血を引く者たちによって治められ、グラトリア王朝の名残は存続した。


 最終的に、グラトリア王朝は1200年にわたって続くことになる。その長い歴史の中で、王朝は数多くの試練に直面し、時には繁栄し、時には衰退した。しかし、グラムロートが築いた基盤があったからこそ、王朝は数百年もの間存続し得た。


 王朝の最終的な終焉は、外部からの侵略によるものではなく、内部からの腐敗と統治力の喪失によるものだった。最後の王は、その責務を果たすことができず、民衆の信頼を失い、王国はやがて消滅した。しかし、グラムロートの血を継ぐ者たちは、その後も様々な地域で影響力を持ち続け、王朝の栄光は完全に失われることはなかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ